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13.「つなぐ」で未来を科学する:「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」見聞録13

2024年06月29日、私は「大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』」(以下同イベント)に一般客として参加した([1])。

 

接合科学研究所(Joining and Welding Research Institute Osaka University:JWRI)は、「接合プロセス」、「接合機構」、および、「接合評価」の3研究部門が「溶接・接合」の圧倒的な強みとなってその基盤研究を行い、また、「多次元造形研究センター」が接合科学の未来を探る役割を担うことにより、3研究部門とセンターが個々の専門性を発揮しつつ相互が有機的に連繋し、溶接・接合技術のイノベーション創出を通して、人類社会に貢献することを目指している(図13.01,[2])。

図13.01.「「接合」ってなに? 接合が大事なんです」。


「「つなぐ」で未来を科学する」で、JWRIは、参加者が「つなぐ」技術の1つであるソルダリング(はんだ付け)を使い自分だけのステンドグラス作りを体験するよう促した(図13.02,図13.03,[3],[4],[5])。

図13.02.「ステンドグラスに見る接合の美―接合科学と工芸の交差より―」。
図13.03.向かって左から、ステンドグラスの部品と完成品。


はんだは、物理的に基板と部品を接合するだけではなく、電気的に接合することが大きな役目である。はんだによって、基板や部品に安定して電気が届き、電子機器が作動している。

はんだの種類は、鉛入りはんだと鉛フリーはんだの2種類に大別される。後者は所定の環境基準を順守しているため、国内外向けのどの製品でも後者を使用していれば環境面では問題がないことがあげられる。一方、宇宙用途向けの抵抗器では、ウィスカーの抑制による信頼性の向上のために前者を用いる端子が採用されている。また、前者めっき品は錫めっき品と比較してクリープ変形による応力緩和作用があるため、実装後のヒートショック(熱衝撃)や機械的衝撃に対する信頼性が向上する(図13.04,[6],[7])。

図13.04.電子部品。はんだが使用されている。


この件で、JWRIの研究だけでなく、はんだ付けの奥深さを知ることができた。また、宇宙用途向けの抵抗器では鉛入りはんだが使用されていることも知ることができた。

この件に関して、JWRIには非常に感謝している。



参考文献

[1] 国立大学法人 大阪大学 共創機構.“大阪大学共創DAY@EXPOCITY 2024『キラめく科学・トキめく未来』”.大阪大学 共創機構 ホームページ.NEWS&TOPICS.2024年06月07日.https://www.ccb.osaka-u.ac.jp/news/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E5%85%B1%E5%89%B5dayexpocity-2024%E3%80%8E%E3%82%AD%E3%83%A9%E3%82%81%E3%81%8F%E7%A7%91%E5%AD%A6%E3%83%BB%E3%83%88%E3%82%AD%E3%82%81%E3%81%8F%E6%9C%AA%E6%9D%A5/,(参照2024年07月13日).

[2] 国立大学法人 大阪大学 接合科学研究所.“ご挨拶”.大阪大学 接合科学研究所 ホームページ.研究所について.https://www.jwri.osaka-u.ac.jp/about/index.html,(参照2024年07月13日).

[3] スタジオヤマノ.“ステンドグラスのハンダ”.スタジオヤマノ ホームページ.https://www.studio-yamano.com/C_solder.html,(参照2024年07月13日).

[4] 特定非営利活動法人 日本はんだ付け協会.“はんだ付けの歴史”.日本はんだ付け協会 ホームページ.はんだ付けの知識.https://handa-npo.com/knowledge02,(参照2024年07月13日).

[5] TAGAMIグラス工房.“ステンドグラスの歴史”.TAGAMIグラス工房 ホームページ.ステンドグラスとは.https://tagamistudio.com/contents08/,(参照2024年07月13日).

[6] 安曇川電子工業株式会社.“はんだの種類と用途を詳しく!基板の実装用はんだについても解説”.安曇川電子工業 ホームページ.オフィシャルブログ.2022年07月12日.https://www.adogawa.co.jp/cat_flowhanda/7745.html,(参照2024年07月13日).

[7] KOA株式会社.“航空宇宙用電子部品”.KOA ホームページ.製品情報.用途(機能)から探す.https://www.koaglobal.com/product/purpose/aec,(参照2024年07月13日).

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