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藤井祐眞を"ノらせたかった"敗戦の日

昨季果たせなかった
チャンピオンシップホーム開催へ。
とどろきアリーナでは
リーグ戦最後となる5連戦。

佐藤賢次ヘッドコーチは試合前、
「課題を乗り越えて成長してきた
 川崎のバスケットを
 ずっと支えてくれた方々に表現しよう」

  選手たちに伝えた。

東地区3位の川崎ブレイブサンダースは
新潟アルビレックスBBに連勝。

GAME1:川崎   96-71 新潟
GAME2:川崎 110-70 新潟

水曜日には首位・千葉ジェッツ、
週末には2位アルバルク東京と
上位陣との直接対決を控える。
2位以上への希望はまだ現実的な位置にある。

"ノらせて"あげたかった宇都宮戦

4月20日の宇都宮ブレックス戦。
川崎は敵地で64点に抑えられ敗戦。

出だしから激しい強度のディフェンスで
先手を取られた川崎は、
最後までタフショットを強いられ
藤井祐眞とジャニングが放ったシュートは
それぞれ0/9、0/12とリングに嫌われた。

2人の得点を合わせても
フリースローによるわずか6点だった。

試合後の会見で佐藤HCは
宇都宮のディフェンスをリスペクトしつつ、
ガード陣の得点が伸び悩んだことについて
とある言葉で表現した。

「川崎オフェンスのらしさを潰された印象です。
 祐眞とマットはシュートは打てていましたけど
 得点に絡めなかったですし、
 彼らをもう少し"ノらせて"あげたかったです」

4月20日宇都宮ブレックス戦後 佐藤賢次HC会見

"ノらせる"。

もしかしたら、この先の戦いに向けて
キーワードになる言葉かもしれないと感じた。

藤井とジャニングが共に
二桁得点(13点)に戻した新潟戦GAME1の後、
佐藤HCにその言葉の意味を改めて伺った。

「全体が見えているのはコーチ陣。
 相手がやってきていることをしっかりと見て
 そこをわかった上で
 選手が1本気持ちよくシュート打てるように
 プレーを作ってあげられれば
 気持ちよくシュートを打てたと思います。

 祐眞とマットに関しては
 タフショットが多かったので、
 そういう部分で選手たちを助けられるような
 指示が出せるように、
 コーチとしても成長していきたいと思います」

4月23日 新潟戦後 佐藤賢次HC会見

チーム全体が"ノっていく"為には

今季、川崎のスローガンは「MOVE」である。
人もボールも動き、どこからでも、
そして誰もが点を取れるチームを構築してきた。

佐藤HCが言うように、
攻撃の起点となる2人を"ノらせる"ことが
チーム全体の攻撃リズムにも影響する。

「ピック&ロールを
 1番の軸にしてるオフェンスの中で、
 ガード陣の得点力は
 かなり重要な部分を占めています。

 どういうディフェンスをされても
 崩れないようなガードの得点力と、
 ニック、ジェイ、パブロらロールの得点力。
 そこに合わせるウイング陣のカッティングを
 チームでしっかり作っていきたいです」

4月23日 新潟戦後 佐藤賢次HC会見

ピック&ロールの起点となる
ハンドラーに得点力があれば、
その分、相手ディフェンスが引きつけられて
結果、ロール側の強力なインサイド陣が生きる。

軸となるオフェンスが機能すれば
周りから飛び込む
ウイング陣のスペースも空いてくる。

川崎が掲げる「MOVE」とは
ガード陣のスコアメイクがあってこそ
その威力が最大化されるのだろう。

▼新潟戦GAME1後 佐藤HC会見
(クリックすると動画が再生されます)

しかしこの先の戦いは
千葉、A東京、三河と上位陣が続き、
チャンピオンシップへ向けては
起点となる藤井やジャニングといった
ガード陣へのマークは
いっそう激しくなることが予想される。

自分で行くのか、
引きつけて周りを生かすのか。

得点を奪うだけでなく
オフェンス全体をコントロールする際の
判断の重要性を藤井自身も口にしている。

「シュートは水物と言いますけど、
 それにしても
    (宇都宮戦は) 全然入らなかったですし、
 本当にチームに迷惑かけたなぁという
 気持ちが強いです。

 タフに守られてしまって
 僕もタフショットを打ってしまいましたし、
 判断が悪かった場面も多かったです。
 そこは今後に生かしていきたいと思います。

 ただ、川崎は得点力があって、
 ボールさえ動けばどこでも
 点が取れるようなチームだと思うので、
 そこは僕が無理をせずに
 周りを生かす事ができればいいと思ってます」

▼新潟戦GAME1後 藤井選手 会見
(クリックすると動画が再生されます)

この日の帰り道。
思い出したのはちょうど1年前の取材。

「チームを勝たせるガード」について
 考えを聞いたことがあった。
 当時、藤井はこのように語っていた。

「ゲーム自体をコントロールしてるガードが
 本当に勝てるチームのガードだと思いますし、
 どんな相手にも
 どういうディフェンスをされても
 いなせるぐらい落ち着いてさばける。
 そして、必要なときには簡単に点を取れる。

 周りを生かす能力も、
 自分で生きる能力も、
 相手がお手上げ状態を作れるガードは、
 チームを勝たせられると思います」

21年4月13日 BTALKS特集取材

天皇杯との二冠を目指すこれからの戦い。
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