⑹悪循環
府中「じゃあ次は守りについてですね!
勝てない理由に守りを上げていましたが守りが弱い原因は何が考えられますか?」
竹松「なんとなく勝手が掴めてきたぞ!
まず、サッカーは失点しなければ絶対に負けない。
勝つことはなくても引き分け以上にはなる。
だけど失点することで負ける可能性が出てくる。
失点に関してはさっきも少し出たが、技術がないと連携が上手くいかずに、パスが繋がらない。
そうするとボールを奪われ失点する。
いくら上手い選手でも何度もシュートを打たれれば、失点はしてしまう。
しかもだ、試合に負けることで選手のモチベーションが下がる。
そうすると皆、練習をしなくなるんだ。諦めてしまうんだろうな。
当然、技術なんて向上しない。朝起きて、上手くなってたら苦労はしない。」
府中「悪循環ですね。」
竹松「悪循環?」
府中「はい。要は、結果に対し原因が生まれていますが、それに対しても原因があり、さらに悪い結果が延々と続いていくということです。」
竹松「もう少しわかりやすく頼む。」
府中「先生、数学の先生なのに論理的思考に弱いですか?
さっきの話、
技術がない→連携が上手くいかない→パスが繋がらない→ミスが増え相手ボールになる→失点して負ける→がモチベーションが下がる→練習量が増えない→技術が向上しない→連携が上手くいかない・・・・・と螺旋階段のようにぐるぐる回っていますよね?」
竹松「そう!それ!なんか負のスパイラルから抜け出せないんだ。どうしたらいいんだ?」
府中「具体的な手立てはまた後ほど考えましょう。
まずは原因と結果の因果関係をしっかりと整理する。そこからです。モチベーションの話がありましたが調子がいい選手をしっかりと選んで試合に臨んだりはしているんですか?要はモチベーションが上がらない原因は他にもあるか?という質問ですね。
竹松「モチベーションはな、競い合う相手がいることで、もっと頑張らないと!!となるだろ?そうしないとレギュラーになれない。
あいつよりもっと練習して上手くなるんだ!ってなるだろ?
でもな、選手層が薄いとな、それができないんだ。
うちのチームはな、弱小チームのレッテルを貼られているから人気がないんだ。実績がないから。実績さえあれば、どんどん親友部員が増えて切磋琢磨して、練習してどんどん強くなっていくはずなのに。
府中「なるほどですね。大分、分析ができてきました。描きながら説明したいのでホワイトボードはありますか?」
竹松「部室にある。ちょうど部室の説明もしたかったから案内する。
このように悪循環から抜け出せずにぐるぐると回っているケース、多いのではないでしょうか?
高齢者はフレイルサイクルという負のスパイラルに陥っているケースが多いですよね。その場合には対処できる部分に焦点をあてます。
自分がより得意で少しでも対処できそうな部分にフォーカスするということですね。
そうすることでスパイラルがきれ、一つ一つの状況が少しずつ変容し、好循環に変わっていくかもしれません。
悪循環を探っていくことはアセスメントにおいてはとても重要です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?