バトンをつなぐ
私の大学時代は飲み会に明け暮れていた。毎日のようにバイトや勉強をして、週に3回は飲みに行っていた。月に10万円はあったバイト代も全て飲み代に消えていく。
なぜ全て無くなるのか。
後輩に奢るためだ。飲み会の時は後輩に財布を出させない。これが私の信念だった。
後輩に奢る。これは私なりのバトンである。
大学に入学したばかりの頃、入ったばかりのサークルの先輩から飲み会に誘われた。これが大学生か。とわくわくしながら飲み会に行き、楽しい時間を過ごした。
会計の時、私は衝撃を受ける。
財布を出すなと怒られたのだ。
つまり、私はお金を払わなくていいと。
私は申し訳なくなり、次の飲み会は必ず払いますと申し出た。しかし、次回も全て奢るときっぱり断られたのだ。
そして、次にこう言われた。
「後輩ができたら、そいつらに奢ってやれ。」
次の年、後輩ができた。もちろん、財布は出させない。奢られて申し訳ないと言われた。もちろん、こう返した。
「後輩ができたら、そいつらに奢ってやれ。」
先輩から受け継いだバトンである。バトンを繋ぐこと。これが私の信念だった。
そして、私が思う未来のためにできること。
それは、バトンを繋ぐことである。
私たちは歴代の先輩からたくさんのものを繋がれている。今、生きていることも親から命を繋がれたもの。日本に生きられていることだって、今に繋がれたものであり、歴史を学ぶ意味でもある。
みんな、どこかで誰かのバトンを受け取っているのです。
今、生きていること。
我々はそれ自体でバトンを持っている。
あとは、そのバトンを誰かに繋ぐこと。
これが、未来のためにできること。