半導体逼迫ピーク越す スマホ・パソコン用が供給過剰に
ついこの前まで中国のゼロコロナ政策や戦争による物流停滞問題などで、供給が極端に減ったとされていた半導体ですが、スマホやPCに関しては反対に供給過剰になっているとの記事が日経新聞に記載されていました。
なんでこんなに反対に触れてしまうんでしょうか???
一方で車の納車に関しては相変わらず半導体不足で生産量が減少して、納車にめどが立たない機種もあるそうです。
なんかちぐはぐは半導体事情が見え隠れします。
今まで半導体業界では3~4年程度の期間で好況、不況が交互に訪れる「シリコンサイクル」を繰り返してきました。
需給の逼迫を背景に続いた今回の活況もピークを越えたとの見方が強まっているのです。
潮目が変わりました。
今日はそんな半導体の事情を
*半導体全体の供給量は充足しつつある
*最先端のロジック半導体は強気
*時価総額240兆円消失
とみていきながら
シリコンサイクルが、軟着陸するのか、大きな谷を迎えるのかという新しい局面
を迎えていることを把握していきたいと思います。
*半導体全体の供給量は充足しつつある
実際に半導体不足が転機を迎えています。
スマートフォンやパソコン(PC)などの出荷減による半導体需要の鈍化が大きな要因で、半導体全体の供給量は充足しつつあるのです。
米インテルが7月28日に発表した2022年4~6月期決算は、17年10~12月期以来の最終赤字でした。
不調の要因は先ほど書いたPC向け半導体の失速です。
パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は「(PCの)一部大口顧客が過去10年間では考えられないほど在庫を削減している」と語りました。
なぜスマホやPCの需要が減ったかと言えば、今私たちも苦しんでいる、世界的なインフレで最終消費が冷え込んだからでした。
4~6月期のスマホの世界出荷台数は調査会社カナリスの推計では前年同期から9%減となりました、
PCは調査会社IDC推計で15%減と激減したのです。
米ガートナーは7月末に
消費者関連分野でメモリ需要と価格設定が軟化している
として、半導体市場の22年成長率を従来予測の13.6%から7.4%にまで引き下げました。
*最先端のロジック半導体は強気
最先端のロジック(演算)半導体を手掛ける台湾積体電路製造は強気の姿勢を崩していません。
7月に発表した22年7~9月期の売上高見通しは前年同期比3割増です。
魏哲家CEOは半導体の供給網(サプライチェーン)が抱える在庫は過剰な水準として「23年前半まで数四半期の在庫調整が続く」との見方を示しましたが、先端のロジック需要は依然強くて
「我々の供給能力を上回っている」
とその品不足を伝えています。
総じて
スマホやPC向けでは、供給過剰に!
家電向けはすでに需給は概ね正常化!
自動車や産業機器、データセンター向けでは逼迫感が年末に向けて続く!
と同じ半導体でも用途の随分事情が変わっているのです。
それは、ソニーグループが21年末に一部停止していたデジタルカメラの受注を5月末から段階的に再開したことに対して、トヨタ自動車が7月に示した8月の生産見通しは、年初計画より2割低い水準からも見て取れます。
半導体製品の納期を見てもまだら模様の需給動向をが分かります。
動作制御に使うマイコンは平均納期は高止まりしているものの、2月から6月にかけ最長納期は短縮した。一方で、電気の制御に使うパワー半導体では平均納期の長期化傾向が続いているのです。
*時価総額240兆円消失
半導体の供給量の変化は、そのまま株式市場へ反映されてきています。
企業業績の悪化を織り込む
「逆業績相場」
へと局面が変わってきたのです。
7月1日米株式市場で半導体関連は全面安になりました。
世界の主な半導体関連企業40社の時価総額7月1日時点で3兆ドル(405兆円)となり
昨年末比で1.8兆ドル(4割 240兆円)消失
したことになります。
シリコンサイクルが、軟着陸するのか、大きな谷を迎えるのかという新しい局面
が今の半導体事情となります。
「需要構造が変化し、『シリコンサイクル』は消失した」こうした議論が語られると不況に転じるのが半導体の歴史です。
今まさにシリコンサイクルが変化して、インフレやコロナなど多くの問題が複雑に絡み合っています。
見通しの見えにくい中で、何とか景気を回復させる政策を政府に実施してもらいながら、私たちはデジタル世代の子供達へPCを買ったりして、出来る範囲での消費を支えていく事がいいのかなぁと感じました。
軟着陸を選べれるようにメーカーと消費者で支えないといけない苦境だと思います。
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