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テスラ、「大手への壁」に直面

飛ぶ鳥を落とす勢いのテスラは2020年に時価総額でトヨタを抜き、世界ナンバーワンとなりました。

そしてNETFLIXでもドキュメンタリー「カウントダウン」で世界初の4人の民間人だけでの宇宙旅行を成し遂げるなど、世界が注目する企業であり続けています。

しかし、今年になってそんなテスラをめぐる評価に異変が起きてきています。

カリスマ イーロンマスク 苦難をどう乗り切るか?

経営手腕に注目が集まっているのです。。

今日はそこを

*NYダウで下落したテスラ
*好調な2021年テスラ業績
*マスク氏の成長シナリオに疑問符
*ライバル社との対応差が裏目に

とみていきながら

時価総額で首位になったテスラが次に直面する情報開示の在り方と政界への関係づくりはいかに?

という課題をみていきたいと思います。

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*NYダウで下落したテスラ

1月27日の米株式市場でダウ工業株30種平均はわずかに続落し、前日比7ドル安の3万4160ドルで取引を終えました。

主要銘柄の動きでは

化学メーカーの ダウ
石油関連企業の シェプロン
化学品・医薬品メーカーの メルク

が値を上げた一方で

半導体素子メーカー の インテル
航空宇宙機器・開発製造会社の ボーイング
クレジットカードの アメックス

が値を下げました。

その中に、あの飛ぶ鳥を落とす勢いのEV車メーカー「テスラ」も含まれていました。

テスラ社のNASDAQ株価動きをみてみると

今年最初の取引であった1月3日の終値 は$1,199.78でしたが1月26日の前日終値は $ 934.19と年明けからずっと下げていました。

そして27日には大幅に下げて 終値 $829.10となりました。時価総額は1日で約13兆円目減りしました。

なぜこんなに業績も良くて、EV市場も将来性があってすべてがテスラに好都合に見えるのに、株価がなぜこんな動きをするのか不思議に思いました。

*好調な2021年テスラ業績

テスラは冒頭でも書いたように、業績は本当に目を見張るものがあります。

2021年10~12月期決算売上高は、前年同期比65%増、純利益は8.6倍と好調を維持しています。

世界の自動車大手が供給制約による半導体不足で減産を迫られるなかで、年間の生産台数は83%増の93万台と実績を積み上げました。

ソフトウエアの書き換えなどで半導体の代替調達を進めて、米国と中国の完成車工場で年間を通じて9割近い稼働率を保ったのです。

本業のEVだけでなく、上述の通り「スペースX」社も宇宙開発を進めていて、スペースX社は現在、超大型の宇宙船「スターシップ」とロケット「スーパーヘビー」を開発しています。

その初めての軌道打ち上げテストが2022年の早い時期に予定されているのです。

実は単独打ち上げテストは、昨年5月までに計5回実施されていました。最大高度12.5kmまで上昇した後、全エンジンを停止して機体を自由落下させ、地上に達する直前にエンジンを再点火し、垂直に自律着陸させるという、かつてなく複雑なマニューバの実証テストだったそうです。

4機目まではすべて着陸前後で機体が爆発。しかし、5機目の「SN15」はすべての行程に成功、無事着陸しました。

失敗しても信念を持ってチャレンジし続ける姿勢がすごいなぁと思います。

*マスク氏の成長シナリオに疑問符

では、なぜ株価の下落は起きているのでしょうか?

もちろん、テスラの全てが上手く行っている訳ではありません。その部分を見ていきましょう。

まず、1月26日に行われた決算報告の中で「今後数年は年率50%超の販売拡大が続く」という見通しを示したのですが、投資家の期待には届きませんでした。

バンク・オブ・アメリカは27日のリポートで「米国とドイツの新工場について新しい情報が提供されず、新製品の情報も得られなかった」とテスラの説明不足を指摘しました。

工場は21年夏から量産を開始する予定でした。

しかしながら、国や地方の承認、森林、自然動物保護などの環境問題を要因として、建設が遅れ、昨年12月時点でも操業は開始されていません

新車の計画についても時間を経るごとに後ろ倒しになっています。
2019年の発表当時、先進的なデザインから話題になったピックアップトラック「サイバートラック」ですが、販売開始が2021年後半を予定していたのが2022年にずれ込んでいます。

21年の好業績よりも、22年の見通しのあいまいさが目につく」とマスク氏の成長シナリオに疑問符をつける人が増えています。

*ライバル社との対応差が裏目に

テスラは比較的これまで政府と距離を置くような独自のやり方を貫いてきています。

一方でテスラの決算が発表された26日にゼネラル・モーターズ(GM)とフォード・モーターのCEOはともにホワイトハウスに招かれ、バイデン米大統領とEVの振興策について意見を交わしたそうです。

そして2社はEV購入時に自社が有利になる補助金制度の導入を求めているそうです。

企業が大きくなる過程において、特に今のような経営環境の不透明さが増すなかでは、

経営者にはより一層きめ細かい情報提供と説明が求められます。

マスク氏は革新的なアイデアとカリスマ性で多くの投資家の支持を集めてきた勢いだけでは、投資家は満足しないと言う訳でしょうか?

日経新聞の締めには

テスラ株は22年に入って約30%下落し、平均株価の水準を大きく下回る。時価総額で圧倒的な首位に立ったテスラが名実ともに業界大手になるには、情報開示のあり方や政界との関係づくりにおいてもう一皮むける必要がある。

とありました。

もっともで、大切な事では十分理解できます。

でも、そうなればある意味今までの企業と同じで、大きくなるうちに投資家や政治家の顔色ばかりをうかがい「長いものに巻かれる」企業になっていくような不安を感じます。

情報開示や政界との関係づくりも大切ですが、私たちをしっかり見続けてくれる企業であって欲しいと思います。夢を見させてくれる、ワクワクするを一番に考えて欲しいのです。

時価総額で首位になったテスラが次に直面する情報開示の在り方と政界への関係づくりはいかに?

本当のテスラの評価が見られると言うことはどちらに転んでも間違いないと思います。

#テスラ #株価 #情報開示 #政府


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