Amazonのネットスーパー
日経新聞の記事によると、アマゾンジャパンがネットスーパーで攻勢をかけているそうです。
2017年から直営のネットスーパー
「アマゾンフレッシュ」
を展開しているのですが、それに加えて、既存のスーパーとの提携を拡大しているそうです。
アマゾンジャパンは刺し身をはじめ、生食文化が強い日本市場に合わせるため、在庫管理システムなどをローカライズ化して対応しているのです。
そして逆にその仕組みを本国側も導入するなど、日本法人がアマゾンのネットスーパーをけん引するようになっています。
本国もまねる「日本発」
国が変わればやり方も変わる、日本の強みを意識するのは良いことだと嬉しくなりました。
一方でまだまだ家電や本が主体と感じるアマゾンがどうやって生鮮食品を扱うのかイメージのつかない人も多いようです。
今日はそんなアマゾンのスーパー戦略を
*アマゾンが既存のスーパーと提携する2つの狙い
*刺し身の鮮度を保証する日本発の在庫管理システム
*アマゾンが生鮮を扱うからこその特殊な棚割り
*意外なほどアナログなアマゾンの集客策
とみていきながら
同社ならではの高度なシステムと、アナログで泥臭い顧客接点の構築という、2つが融合
して段々利用をもばしていることから、何かヒントを掴みたいと思います。
*アマゾンが既存のスーパーと提携する2つの狙い
アマゾンのネットスーパーは大きく2つのサービスに分けられます。
1つ目が
既存のネットスーパーと提携し、Amazon.co.jp上に各スーパーのストアを設ける出店型で行われるサービス
です。冒頭に申し上げた提携に応じているスーパーが
ライフコーポレーション、
成城石井
バローホールディングス
になります。
2つ目が
直営のアマゾンフレッシュでのサービスです。
アマゾンフレッシュは現在東京都18区2市と神奈川県と千葉県の一部地域を対象エリアとして展開しています。
では、それぞれについて見ていきましょう。
既存のネットスーパーと提携しネット上に出展する事の理由は2つあります。
1つ目は
「商品の充実」
です。
各社が持っている根強いファンとブランドパワーを獲得している提携先と組めるので集客や売上がもちろん望めるからです。
スーパーにとってもアマゾンブランドを使って販路を拡大できるWinWinのようです。
2つ目が
「サービスの全国展開」
です。
アマゾンは自社物流に強みを持つ企業ではあるのですが、スーパーマーケットの主力である生鮮食品を全国津々浦々までくまなく1社で届けられる体制を築くのには時間がかかります。
提携する各事業者の店舗を拠点として、全国にネットスーパーを展開することで、物流センターのない地域でも迅速に商品を届けることが出来るからです。
ただ現在は現在東京都18区2市と神奈川県と千葉県の一部地域を対象エリアとして展開している段階です。
これもWinWinのメリットが見えてきます。
*刺し身の鮮度を保証する日本発の在庫管理システム
アマゾンが展開するネットスーパーでは、ハイテクとローテクが混在しながら、米アマゾン・ドット・コムのシステムをそのまま流用してなく日本市場へカスタマイズしています。
生鮮が強いので米国に比べて消費期限を時間単位で細かく管理する体制を整える必要があったからなのです。
データを活用した需要予測に基づく商品の発注、在庫管理、配送といった、ネットスーパーのオペレーションに関わるシステムはアマゾンならではの高度な技術が用いられています。
カスタマイズの一例は、物流拠点では6つの温度に分けて在庫管理を徹底し、配送時にも常温・保冷・冷凍の温度管理して、賞味期間の短く扱いが難しい食品を管理します。
需要予測も重要な機能です。アマゾンでは、過去の販売データの分析に基づき、需要予測をして商品を発注しています。
自社だけでなく、提携するスーパー事業者にも、どの商品が、どのくらいの数、どの時間帯に注文されるのかといった需要予測のデータを提供して効率を高めて破棄を防いでいるのです。
*アマゾンが生鮮を扱うからこその特殊な棚割り
物流に強みを持つアマゾンだからこそ、配送にも高度なシステムが取り入れられています。
「ピッキング」作業にも工夫がされています。
アマゾンフレッシュの商品を配送する川崎の物流センターの1階にアマゾンフレッシュの専用物流拠点をおいて
他のフロアはそれ以外のアマゾンの商品を取り扱う設備
に設計しています。
又、食品のカテゴリー別に配置するのではなく、袋詰めに最適化された棚割りがされているのです。
例えば同じ野菜でも、カボチャやレタスなどの重い物と、トマトなどの潰れやすい野菜とでは、全く異なるエリアに配置されているのです。
巨大な拠点内で効率よく商品をピッキングするために、担当者は各人の習熟度によって時間あたりの目標注文ピック数を定め、トレーニングをおこなっているのです。
*意外なほどアナログなアマゾンの集客策
一方で新規顧客開拓や継続購入を促す施策は意外なほどにアナログな手法を取っています。
新規顧客開拓と継続購入を促すツールとしてDM(ダイレクトメール)という郵便に注力しているのです。
さらに親近感がわくようなDMにするために、
漫画でサービスの利用シーンを描くなど、
顧客に身近に感じていただけるコンテンツにしています。
かつクーポン送付するなどメリットもつけています。
意外なほどアナログな手法を行うのは、デジタル施策を用いたCRM(顧客情報管理)施策も行うのですが、大量の情報に一度に目を通さなくてはならないデジタル上でのアプローチより、
紙のDMのほうがきちんと情報を手に取ってもらえる感覚
があるからだそうです。
継続購入を促す施策として、旬の食材のお薦めやイベントに合わせた特集をアマゾンフレッシュ上で展開するなど、リアル店舗のスーパーでの楽しさを再現することにもこだわっています。
それは、生鮮品を購入する人の属性を考えているのかもしれませんね。
同社ならではの高度なシステムと、アナログで泥臭い顧客接点の構築という、2つが融合
しているアマゾンは、最新デジタルデータだけを過信することなく、感情や感覚に訴えるためにアナログも取り入れるからこそ、ここまで成長できたのだと感じました。
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