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トレーニングの原理・原則に立ち返ってみる

ジョギングやランニングは、誰でも気軽に取り組める運動の一つです。運動し始めであれば、体重が減った、筋力がついてきた、長い距離を走れるようになった、走るペースが上がったなど、誰しも効果を実感しやすいかと思います。
しかし、ある程度トレーニングを続けていくうちに「変化を感じられにくくなった」、「思ったような効果が得られない」といった状況に直面します。
こういった時に、一度基本に立ち返ってトレーニング方法やメニューなどを見直していくのもいいかもしれません。今後も継続的に体重の維持・減量、筋力の強化・向上、タイムの更新などパフォーマンス向上を目指したトレーニングを行うのであれば、トレーニングの在り方や方法、メニューなどを今一度見直してみましょう。

今回は、ランニングやマラソンのトレーニングをより効果的に、かつ効率よく行っていくなかで、意識する必要があるトレーニングの『原理』と『原則』について触れていこうと思います。

トレーニングの3大原理

①過負荷の原理

○日常生活以上の運動負荷を体に与えなければ、体力・身体機能は向上しない
・ペースを上げる
・長い距離を走る、時間をかけて走る
・インターバル走などで走るセット数を増やす
・ファルトレクや起伏走、ウィンドスプリントなどいつもと違う方法で走る
○調子や状況に応じて負荷を上げる

②可逆性の原理

〇トレーニングの効果は、途中で中断してまうと、少しずつ消失する。完全に止めてしまうと、(トレーニング前の)元のレベルに戻っていく。
〇体型や体力・筋力を維持するためにも、継続する必要がある。
〇(例)1週間に3日間トレーニングをする場合、3日続けて4日休むより、1日おきに3日走るほうが効果的。

③特異性の原理

○トレーニングの効果は、トレーニングした部位や動作に現れる
⇒マラソンに必要な筋肉や走る技術を身に付けるには、走るトレーニングが最も効果的である。
○「筋力(筋パワー)を向上させたい」場合は、3~7回程度で限界を迎える負荷設定にする。
○「筋肉を大きくしたい(筋肥大が目的)」、「ダイエットのために筋肉を増やしたい」場合は、8~12回程度で限界を迎える負荷設定が効果的。
○「筋持久力をつけたい(疲れにくくしたい)」場合は、13~20回程度で限界を迎える負荷設定、あるいは回数をどんどん増やしていく方法でもよい。

トレーニングの5大原則

①漸進性の原則

○体力や筋力など身体機能を向上させるために、トレーニングの質(強度)や量(回数やセット数)は、段階的に少しずつ増やしていく必要がある。
○質や量を急激に上げると、筋肉や関節を痛めるなど故障のリスクが高くなる。
〇トレーニングの継続により、ある程度負荷に慣れてくると筋力は上がらなくなり、現状を維持するだけに留まってしまう。そのため、負荷のかけ方を変化させる必要がある
⇒回数、重量(重りの種類など)、姿勢(肢位)、スピード、運動方向などを変えることで更なる機能の向上が狙える。

②全面性の原則

○局所的(部位)ではなく、全身をバランスよく(部位の左右、前後、上半身・下半身)トレーニングする必要がある。ランニングであっても全身運動であるため、筋力トレーニングの場合で考えるなら、下肢(脚)だけでなく、体幹・上肢なども含めてバランスよく鍛える。
〇運動の種類においては有酸素運動、筋力トレーニング、柔軟性などの要素も含めて、バランスよく高めることが重要である。
○ある特定の部位(上腕だけ、片側だけ)など偏ったトレーニングは、ボディバランスの崩れや怪我の原因にもなりやすい。
○動作中は、実際に動いている(動かしている)部位以外でも、姿勢を保ったり体を安定性させるために無意識に力を発揮している部位もあるため、全体的に行うことで、よりトレーニング効果を高めることができる。

③意識性の原則

○トレーニングの意味やトレーニングに対して「目的意識」をもつと、トレーニングの効果が上がる。
○トレーニングひとつひとつに対して、「それを行うことでどんな効果が得られるのか」、「どんな能力が向上するのか」、「どこが鍛えられるのか」を理解したうえで意識的に行うと効果が現れやすくなる。
○筋肉をつけたい、体を鍛えたいのであれば、鍛える部位の筋肉を意識して集中してトレーニングを行うほうがよい
(※「ながらトレーニング」だと、正しいフォームや筋肉への意識もできなくなり筋力も発揮しづらくなるため)。

④個別性の原則

○体は個人よって異なる
(性別・年齢・身体組成(BMI・筋肉量など)・体力・生活環境・習慣・性格・運動好きかどうかなど)
そのため、個人の身体能力の差に応じて自分に合ったトレーニングメニューや、トレーニング方法を選択し、負荷(強度)・セット数などの設定を行う必要がある。
○上記理由により、同じトレーニングやメニューをこなしても、効果がある人とない人がいることを理解する。

⑤継続・反復性の原則

○トレーニングを反復して継続することで、はじめて効果が現れる。
○トレーニングをしてすぐに効果が出るものもあれば、効果を得られるのに時間がかかるものもあることを理解して行う。
〇体力や筋力の向上には、目安として少なくとも週3回以上、3ヵ月は規則的にトレーニングに取り組む必要があるといわれている。


以上、
トレーニングの原理、原則についてまとめてみました!

トレーニングで行き詰まった時や、トレーニング効果を実感しにくいと感じたら、上記を参考にトレーニング方法を見直すとよいかと思います。

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