国家総合職 教養区分 二次試験

去年、何度これで検索したことか…教養区分の二次試験に関してはあまり情報がなくて、僕を含め同じ大学の独学マンたちは少し苦労した覚えがある。なにはともあれ、一次試験の合格者の皆さんおめでとうございます。今日から多くの人が、タイトルのフレーズで検索をかけることを信じて、このnoteを書いてみようと思った。建前なし、去年僕が受けてみて思ったことを直球で書いていく。

まずはじめに。

画像1

去年の合格最低点は531点…恥ずかしながら僕は不合格者である。落ちた数日後は「首席不合格者ンゴ!www」とか笑ってたけど、まあ不合格は不合格である。「落ちた奴の感想なんてアテにならない!」ぐう正論すぎて何も言い返せない。それでもいいという方はどうぞ。

初日。11月13日水曜日。9:30さいたま新都心合同庁舎集合。早すぎる。しかも遅延しすぎてもはや遅延している状態がデフォ(という認識)な湘南新宿ラインを使わなければならない。というわけで試験云々の前にまず意識すべきは、試験時間に間に合うこと。友人は東京の合同庁舎だったりしたそうで、僕だけ辺境の地に追いやられたことがわかったときはブチ切れそうになった。受験番号が若い人はさいたま新都心とかいう噂もあったけど、どうなんだろう。ちなみにさいたま新都心駅はめちゃくちゃ綺麗で、いざ降り立った瞬間に「辺境の地とか思ってすみませんでした」と叫びながら土下座したくなった。埼玉はいいトコロ。間違いない。

1日目は企画提案試験。要は小論文とプレゼンテーション。事前に文部科学白書を読むよう指示があった。去年の試験問題は「我が国の文化芸術を対外的に発信する際の課題を分析したうえで、課題達成のための具体的な施策を提案し、組織内の関係者に説明できるような文書(小論文)を作成しなさい」で、参考資料に文部科学白書に加えて文化庁とか経済産業省の文書があった。当時の僕は友人の勧めもあって、YouTubeで無料公開されていた『ラブライブ!サンシャイン!!』を熱心に視聴していた最中だったので、「これアニメ文化を海外に発信するとかでいいんじゃね?」とかいう偏差値15くらいの思考回路でつらつらと小論文を書いた記憶がある。

その後にお昼ご飯。注意すべきなのは、初日は一日中スマホを使うことができないし本を読むこともできない。思い返してみると、この時ほど、コンビニのおにぎりとサラダチキンを食べることに集中したときはないと思う。周りもきっとそうで、真顔で無言でスーツの人たちがひたすらご飯を食べ続ける様子はかなりシュールだった。食べ終わった後もあまりにも暇すぎて、暇つぶしが「トイレに行くこと」くらいしかない。スタミナ制のアプリをやっている人は必ず試験前に使い切っておくことを強く勧める。僕はこのせいで1日でバンドリのイベント順位が一気に下がってクソ萎えた。

午後はプレゼンテーション。別室で自分の書いた論文(コピー)を渡されて、数分後に試験官のいる部屋に行かされた、記憶がある。かなり記憶が曖昧だけど、プレゼンの準備の時間も多少は設けられていた。試験官は二人。座った状態で行う。最初に数分で自分のアイデアを説明して、その後にひたすら質疑応答。僕の担当は男性試験官二人で一人は30くらい、もう一人は50前くらいだった。どちらも終始真顔だったこともあって、「あ〜しんどい〜」って思いながら応答していた。何度か僕の案の穴とかを指摘したり、批判も入れてきたりしたけど、対抗しても無駄だと思ったから「あ〜仰る通りですね〜…ならこういう風に変えます!」みたいな感じなことを連発した。試験時間はだいたい20分だったのだけれど、なんと僕は13分で終わってしまって、試験官の能面みたいな表情も相まって、完全に落ちたと思っていた。実際落ちたんだけど。萎えに萎えて、帰り、翌日の試験のことも考えないで、横浜のラウンドワンでずっとチュウニズムとスクフェスACとDIVAをやっていた。数千円分溶かした。マジ何してんねん。ちなみに僕は毎日ふせんで一言日記をつけているのだが、初日はこんな感じだった。ワロタ、じゃねえよ。

画像2

ちなみにプレゼンの順番は席順で、前の人から呼ばれていく。僕は前から二番目だったから15時には終わったけど、後ろの方の人はスマホも使えず本も読めない状態で、夜くらいまで待たされるらしい。試験の段階でブラックさを出してくる官庁さんェ…もはや新手の拷問。席が後ろの人は…ご愁傷様でした。

二日目。13:40さいたま新都心合同庁舎集合。この日は政策課題討議試験と人物試験。要はグルディスと面接。グルディスのテーマは…すみません、忘れました。五人か六人ごとで班になって、別室に連れて行かれて、数分で紙に自分の意見をまとめる。賛成反対のメリットデメリットを簡単な表にまとめる感じで書いて、周りも同じようだった。僕の班は本当にみんなすごかった。後にも先にも、あそこまで誠実で熱心な議論はしたことがない。僕はというとあの中で群を抜いて何もしていなくて、周りが何か言うたびに「あぁ^~いいっすね^~」を言うbotになっていた。一度気を利かせてくれた他の班員に「今の意見を五番さんはどう思いますか?」(グルディス中は他人を番号呼びする)と聞かれたときに「とても現実的でいい意見だと思います。なぜならとても現実的だからです」と答えてしまった。小泉かよ。自分で言った後に笑いそうになった。ちなみに中央にいる一番偉そうな試験官は議論中に居眠りしていた。驚いて三度見くらいしてしまったけど、どうやらそういう試験官も多少いるらしい。ホント、どうなってんすか。

その後に面接。これもまた前から席順で呼ばれるのだけれど、初日とは席が違うから、順番も変わる。僕は一番後ろの席で、試験が全て終わってさいたま新都心駅を出たのは夜19時前くらいだった。ただ二日目は面接の待ち時間に本を読んだり、面接カードを確認したり、他の受験生と多少なら話してもOKなので、初日みたくトイレに行くことだけが暇つぶし状態ではない。前の席の受験生が世界史の漫画を読んでいてとてもホッコリした。彼とはトイレに行くときに少し話したのだけれど、数分話しただけでも優秀さがわかるくらいの素晴らしい人だった。さっきのグルディスでも大活躍。お互いの受験番号を教え合ったのだけれど、彼はちゃんと合格していて、名前も知らない他人だけど少し嬉しかった。僕は落ちたけど。

閑話休題。面接官は三人。僕のときは左から30、45、40くらいの年齢層だった。全員男。真ん中の最年長マンが基本的に仕切り役。面接は面接カードに沿って行われて、変な質問とかも全くなかった。志望官庁のところに関してはノータッチ。(ただ今年春の法律区分の面接では志望官庁のところをメインに聞かれたから、ここもしっかり想定しておくべき)真ん中の試験官はずっとニヤニヤ、もといニコニコしていて、昨日の試験とグルディスで完全に萎えた僕は、はじめの方は「なにわろてんねん!!!」と思っていたけど、だんだんどうでもよくなってきて、その結果ありのままに話せたから、この面接はなんだかんだ楽しかった。学生生活における欄にサークルのことを書いたのだけれど「なんでこのサークルに入ったの?」と聞かれたときに「いろいろ理由はありますけど一番は誘ってくれた先輩が美人だったからです」と答えたら三人ともオオウケしてくれて、「もう勝ったってことでいいや」と思った記憶がある。あとは国家公務員を目指すきっかけの部分もかなり受けがよかった。断じて圧迫面接ではなく、むしろ終始和やか(?)だった。いい雰囲気だったことは間違いない。相変わらず落ちは確信していたけど、何から何まで駄目だったわけではなかった、という気持ちになり、さらに全てが終わったことの解放感もあってかなり上機嫌だった。メールボックスを確認すると某企業からのインターン不合格メールがきていた。いつもなら「倒産しろ」と悪態を突くところだけど、今回だけは「まあしゃーなしな」という気持ちになった。

全然関係ないけど僕はこの後に家族旅行に合流する予定があって、終わった後にすぐ東京から新幹線に乗ったのだけれど、前述の通り予想以上に試験終了が遅かったせいで、危うくその日のうちに目的地までたどり着けないところであった。遅い人は終わるのは夜になるので、そこは気をつけた方がいい。この日スーツを着たまま新幹線で一人で食べた駅弁は、今まで電車内で食べたなによりも美味しかった。

画像3

ちなみに初日か二日目の昼に性格検査という名で、ひたすらマークシートを塗る作業もあった。性格に当てはまるものにマークする、みたいなアレである。まあ対策もクソもないのでここでは省略します。

というわけでここで終わりにする。独学の皆さんは非常に対策しづらい試験であることは間違いない。僕は大学の合格者の先輩が主催して何度か練習会を開いてくれていた。時間の都合で僕は一度しか参加できなかったのだけれど、それでもかなり役に立った。もしそういう機会があれば、積極的に参加することを強く勧める。あとは正直対策のしようがないところも多くあるので、時間を見つけて民間の就職活動や、春の区分の対策を進めておくことも大切であると感じた。

以上、不合格ニキの戯言でしたが、ご参考までに。全ての受験生に幸あれ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?