7月に触れた作品の感想

先日の投稿でもお伝えしたように、これからこういった形でその月に触れたフィクション作品について、つらつらと感想を書いていこうと思います。書籍の基準としては、受験参考書や学術書以外のものを選んでいます。アニメ、映画、本、漫画、ゲームにジャンル分けしていますが、ゲームは正直月に一作やるかやらないかくらいの頻度です。

【アニメ】
『ご注文はうさぎですか?』1期1〜12話、2期1〜12話
アニメ視聴歴そろそろ3年目突入にして、いよいよ放置していた名作に手を出してしまった。なんでも秋に10周年記念展示をやるそうで、だったらこのタイミングで視聴しておくか、とこういうわけである。僕のアニメの嗜好としては、ストーリ性とかメッセージ性うんぬんよりも、かわいくて魅力的なキャラクターが出てくるか否かに重きを置いている。つまりこちらが思わず腕を組んで考えてしまうような、もしくは現代社会の問題を突きつけるような、そんな重厚感のある作品は求めていなくて、可愛い女の子たちがダラダラしてるだけの作風でいいのだ。(ダラダラはあくまでたとえではあるが)そういうわけで、このアニメはかなりよかった。僕はアニメを見るときは基本的に何かの作業と並行してるので、脳死で見られる内容(いい意味)なのもますますポイント高い。個人的には二期で青山ブルーマウンテンが編集者に連れ去られるシーンがお気に入りだった。ちなみに推しは…選べません。

『あの夏で待ってる』1〜12話
2回目の視聴。長野県小諸市が舞台の青春ラブコメ。主人公とヒロインが恋に落ちる早さとかはツッコもうと思えばできるけど、まあアニメに現実的な視点を持ち込むだけ無駄なので、そこは全く気にならない。とはいっても人によっては見ていて胸焼けするかもしれない…正直臭すぎて見ているのがしんどいときも多々あった。が、とりあえず最後まで見てほしい。このアニメはラストシーン(本当にラストもラスト、最終話のラスト1分)が本当に良くて、それで僕の中のアニメランキングで殿堂入りを果たしたのだ。(あとやなぎなぎのエンディングがめちゃくちゃいい)そして、なぜこのタイミングで2度目を見たのかというと、このアニメの舞台である長野県小諸市に、今年の夏に行こうと思っていたからである。ただこのアニメ、2022年で放送10周年だから、そのタイミングで何かしらのイベントがある気がする…ということに見終わった後に気付いたので、旅行は来年にします。私は馬鹿です。

『ラブライブ!スーパースター!!』1〜2話
虹もそうだったけど、新作をYouTubeで配信してくれるのは本当にありがたい。こちとら、テレビは持っていない、サブスクにも入っていないで、アウストラロピテクスもビックリの時代錯誤な人間なのだ。TSUTAYAプレミアムというもはや化石に近いサービスを使って、せっせと近くのTSUTAYAに通ってレンタルしては返してレンタルしては返してを繰り返している、非効率な人間なのであって、そのせいで新作アニメとは程遠いのだ。閑話休題。無印、サンシャインと違って、主人公から巻き込むのではなく、主人公が巻き込まれるスタイルなのが新しい。あとキャラが可愛い。陰キャと揉めそうな土地(青山、表参道あたり)を舞台に設定してしまったことを除けば、今のところ文句なしのクオリティ。続きが楽しみ。

【映画】
『パーフェクトブルー』
職場の先輩のオススメで見た。ちょっとショッキングな描写を含む、とは聞いていたけど、正直「まあせいぜいまどマギくらいっしょ」と油断していた。グロさは劣るけど、インパクトとしては『コープスパーティー』と同じくらいかもしれない。古い作品だから絵は好みがわかれるだろうけど、エキサイティングさに欠ける毎日を過ごしている人はぜひ。きっと忘れられない一作になる。というかこれを新入社員に紹介する先輩って…好きです。

『ご注文はうさぎですか?? ~Dear My Sister~』
ごちうさの劇場版。劇場版っぽさが何もない。あくまでラビットハウスのゆるい日常の延長でしかないが、DVDとして家で見る分には全く気にならない。アニメを見ないで映画だけを見るなんてクレイジーを通り越して頭おかしい人はいないと思うので、まあ詳しくはアニメのほうで書いたことを読んでください。(もうこの時点で面倒くさくなってるって大丈夫なのか…)

【本】
『謎好き少女と奪われた青春』瀬川コウ
図書館本。なかなかのヒット。ありきたりな青春日常ミステリかと思って読んでいただけに、なかなか凝った設定を楽しめた。主人公の厭世的なキャラというありがちな設定からして、正直あまり期待していなかったけど、名探偵コ○ンみたく、フィクション作品には主人公がやたら事件に巻き込まれる設定を上手く利用した、斬新なストーリーだった。オススメ。

『中世日本の内と外』村井章介
図書館本。東大の日本史の入試問題を解説する本に、参考文献か何かで載ってて、そこから読むことにした一冊。こういう本を読むとき、決まって「すでに自分の頭にある知識」と結びつけようとしてしまうが故に、本に書いてある、でも自分が全く知らないことを積極的に吸収しようとしていないのが、僕の悪いところでもある。とまあ自分語りはさておき、内容自体は義務教育でやった歴史の内容も含まれているから、詳しくなくても歴史が好きという人には、そこそこ楽しめると思う。たしかに東大入試問題には有効そうな本だとは思った。(もちろん作者が東大教授であることと無関係ではないが)

『わたしの美しい庭』凪良ゆう
図書館本。『流浪の月』で2020年の本屋大賞をとった作者の本。BLジャンルが得意的な情報をどこかで聞いていたのだが、この作品に関してはゲイの登場人物が出てくるだけで、ハードな描写(性器とか性行為とか)とかも特になく。悩みを持った登場人物が前向きになる、という超よくあるストーリーの短編がいくつか収録されているんだが、よくあるストーリーだけに作者の技量が…とか云々を考えて読んでいるわけでは全くなく、普通によかったです。ずっと心に残る、というほどではなかったけど、あらゆる人に安心して薦められる本だった。

『ホーンテッドキャンパス』櫛木理宇
図書館本。オカルト青春小説という初めて読むジャンルの小説。内容としてはほとんど青春小説で、草食系主人公がなかなか一歩を踏み出せない…みたいな描写が多い。小学生時代にハマった、赤川次郎の吸血鬼シリーズに似たものを感じた。広瀬すずを主人公にキャスティングして実写映画化してほしい…と思ったらすでに別の俳優でされてて草生えた。角川ホラー文庫として出版されているが、何度も言うように全く怖くないのでご安心を。これもシリーズものらしいけど、続編はまた気が向いたら読む。(こういった小説が唐突に読みたくなるときというのがたまにあるのだ)

『プシュケの涙』柴村仁
3回目。今までは図書館で借りてたけど先月買った。大学一年のとき「夏に読みたいオススメ小説!」みたいなサイトで紹介されていたのがきっかけで、それ以降思い出したように読んでる。夏の蒸し暑さ、不愉快さが読んでて伝わってくる感じがする。何度も読む時点でわかるだろうけど、個人的にはかなりヒットだった一冊で、特に今の時期にはうってつけだと思う。オススメ。横浜市立図書館にはなぜか置いていなかった続編を購入したので、そちらを読むのも楽しみ。(図書館はたまにこういったわけがわからない采配をする)

『愛されなくても別に』武田綾乃
図書館本。これはまたなんとも…歪んだ家族愛の形がいくつも出てきて、正直脂っこい。登場人物の考え方もイマイチで、あまり好みには合わなかったけど、人によってはかなりハマりそうな内容ではあった。内容も別にありきたりではないし。闇落ちにあこがれる女子高生あたりが読んだらいいと思う。社会人になってから読むのではいろいろと遅かった。

【コミック】
『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』(1〜3)田口囁一
2回目。2週間前くらいにキニ速(5ちゃんねるのまとめサイト)で『夢で出会った子に恋をした』というSSを読んだのだが、雰囲気が少しこれに似ていて、急に読みたくなった。(ちなみに上記SSもかなり面白かったので気になる方はぜひ)夏は花火とか夏祭りとか、「いかにも夏らしい」イベントが盛りだくさんで、だからたぶんフィクション作品でも夏にフィーチャーしたものが多いのだろうが、そんな中でこの漫画は「夏フィクション作品ランキング」でかなり上位に食い込むほど良い。僕の中ではオチはハッピーエンドではないのだけれど、綺麗な終わり方であることは間違いない。オススメ。(ちなみにこのコミックスの原作は『三日間の幸福』(三秋縋)という小説。こっちもオススメ)

『野球場でいただきます』(1)出内テツオ
アカン、野球見に行きたい…競技自体は正直「嫌いではない」くらいのレベルなんだけど、球場で野球好きの友達にいろいろ教えてもらいながら、食べたり飲んだりのんびりしたりするのが大好きだ。コロナ前は一年に数回、横浜スタジアムでヤクルト戦をヤクルト側で応援して、「うおお、筒香とバレンティンのフィジカルすげ~」と騒いでいたものだ…(ちなみに僕はヤクルトが好きというよりも、東京音頭をうたいながら傘を振り回す?のが好きなのです)この漫画は、まさにそういった「野球そのものと同じかそれ以上に、球場を楽しむ人たち」の心をくすぐるためにある。各球場のグルメを、可愛くて魅力的なキャラクター(ここがとても重要ポイント)が紹介するって、まさに僕のためにあるような漫画では…横浜スタジアムのミカン氷が恋しくなりました。オススメ。

『鬼さん、どちら』有永イネ
3000人に1人、鬼のような見た目になる病人がいる世界をモチーフにした連作短編コミック。こういう小説、よく読んだことある…!話の進み方的には、3年前に読んだ『完璧じゃないあたしたち』『雲をつかむ少女』という小説に似ているように感じた。これ、僕の中で結構憤ってたこともあったんだけど、小さい頃の作文コンクールとかで、「不幸な事例を持ってる人」が圧倒的に強いやつ。それに何かしらの感情(ポジティブにしろネガティヴにしろ)を持ってる人にとっては読む価値があるように思う。

【ゲーム】
なし

以上。個人的には『寿命を買い取ってもらった。一年につき、一万円で。』が、読む時期も含めてよかったですかね。ツタヤでレンタルもされているのでぜひ読んでみては。

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