オーケストラとアンサンブル
アマチュア管楽器奏者の多くはオーケストラや吹奏楽などの大きい団体に所属していて、そこでの活動をメインにされていると思います。
自分も現在オーケストラの本番が年1回あり、それに加えて金管アンサンブル、トロンボーンアンサンブルの本番がそれぞれ年1回ずつあります(吹奏楽は学生時代に経験)
その中でどれがメインの活動かというと、こんなニッチな記事を書いている通り金管アンサンブルだと思っています。
オーケストラの魅力
オーケストラの楽しさは、まずは大勢のメンバーで1つの曲に取り組むところ。
何十人ものメンバーが一丸となって1つのものを作り上げるというのは、他ではなかなかできない経験です。
そしてクラシックファンなら誰もが知るような「名曲」に挑戦できる点。
お客さんも知り合いだったり、曲をよく知る人たちですから、本番の会場全体の高揚感は何にも代え難いものがあります。
オーケストラのパートにはそれぞれ役割があり、場面場面によって様々な演奏を求められます。
主旋律と伴奏、強奏と弱奏、速い演奏、たっぷりとした演奏、甘い演奏、激しい演奏…
指示をしてくれる指揮者とともに、そのときにしかできない音楽を作り上げていきます。
その中でトロンボーンの役割は、一般的なアマチュア団体が採用するような曲では「強奏」と「和音」が9割以上を占めます。
もちろんこの2つは、オーケストラのトロンボーンの醍醐味です。トゥッティで存分に楽器を鳴らして迫力を持たせるのも、美しいコラールをセクションで奏でるのも、非常に楽しいです。
ただ、例えばしっとりと歌うようなメロディが回ってくることは、基本的にありません。それは弦楽器や木管楽器、金管であればホルンの役割です。
それらのパートと比べると、「求められる音楽のバリエーションが少ない」というのは事実かなと思います。
ついでに言うと練習中も待ち時間が長かったり、けっこう暇なことが多いです。
これも仕方がないことだと思っています。指揮者の立場であれば、音楽的に重要な箇所に時間をかけるのは当然のことです。
アンサンブルの魅力
一方で金管アンサンブルは金管楽器だけで構成されていますから、メロディもたくさん回ってきます。
音楽のジャンルもクラシックに限らずジャズやバラード、ポップスなど多岐にわたるので、実に様々な音楽表現を求められます。
オーケストラでは組織の一員として役割を果たすことが大事ですが、アンサンブルでは自分自身の音楽を前面に出していくことができます。
そのぶん技量が求められるというのはありますが、とてもやりがいがあることです。
また、たいていのアンサンブル団体には指揮者がいないので、「音楽づくり」も自分たちでやることになります。
これが本当に楽しいです。仕切りが苦手だという人も多いかもしれませんが、譜面と向き合い、メンバーと一緒に試行錯誤して曲を作り上げていくのもまた、アンサンブルの醍醐味です。
こういった楽しさを自分の中で重視しているので、アンサンブルを音楽活動のメインとして考えています。
オーケストラとは楽しさのベクトルが違うので「どちらも楽しい」というのが本音ですが、自分はアンサンブルの深みにどっぷりと浸かっています。
自分に合った楽しみ方
ちなみにその流れだと、金管アンサンブルよりもトロンボーンアンサンブルの方が、さらに深く音楽を楽しめることになります。
確かにメロディは金管アンサンブルより多く、同種楽器による合わせやすさもあり、トロンボーンアンサンブルはとても楽しいです。
ただ自分にとっては、「曲が難しい」という問題があります。
特に1stはかなりの高音域を求められることが多く、吹きたくても吹けない曲がたくさんあります。
どうしても吹きたい曲にはチャレンジすることもありますが、音が当たるかどうかの問題が大きくなり、音楽に気を遣う余裕がなくなります。
(もちろんそこまでシビアでない曲もありますし、最近は吹ける人に1stを任せて下吹きを楽しんだりしています)
学生時代は、難曲に挑戦することにやりがいを感じていました。
しかし最近は練習時間も取れなくなり、簡単な譜面であっても「どういう音楽にするか」を考える方に、楽しみがシフトしています。
今のところ音楽をやめてしまう予定はないので、長く続けていくためにも色々な楽しさを見つけていきたいところです。
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