せんせい、あのね(昭和59年10月15日)

きのう、あめりかんふぇあにいきました。
でもついていくだけだからいやだったです。
とちゅうでいとこにあっていっしょにあそびました。
それでおみせにいとこがあめりかせいのチョコレートをわすれたのであるかどうかみにいったらありました。

(先生コメント)なにか、かってもらえるとか、じぶんでみたいものがあるときはたのしみだけど、「ただみるだけ」では、たのしくないようですね。

「あめりかんふぇあ」・・・。
これも少し記憶しているのだが、父の田舎の小さな町で行われたイベントだったと思う。

昭和59年の人にとっての「アメリカン」と令和4年の人にとっての「アメリカン」のとらえ方はどのように違っているのだろうか。
「アメリカ製のチョコレート」って戦後じゃあるまいし、とちょっと笑ってしまった。
でも小学一年生から見ても「アメリカ製」という言い方に、ちょっと特別な響きを感じていたのかもしれない。

かすかに覚えているのは、野外ステージがあって、バンドが演奏していて。
どんな曲だったとかは全く覚えていないけど、今まで聞いたことがないくらいものすごく大きな音でびっくりしたことは覚えている。

ざっくりひとくくりにした感のある「アメリカン」という名のもとに集まるイベント。
この小さな日本でも、地方、地域によってさまざまな文化や特色があるのだから、大きなアメリカならなおのことだ。
それを「アメリカン」という一言でギューッと凝縮して、地方のまた地方の小さな町に持っていってイベントにする。
当時の空気、雰囲気、高揚感など、大人になった今味わってみたかった。

改めて検索してみると「アメリカンフェア」はないけど「アメリカンフェスティバル」と呼ばれるイベントは、今も各地で行われているんですね。米軍関係、ハワイアン、フードフェス、などなど。

ところで、現在私が住んでいる鹿児島市にある山形屋デパートでは定期的に北海道物産展が開催されています。
各地で開催される北海道物産展の中でも鹿児島は日本一の売り上げらしい。
今年4月に開催されたときの、鹿児島のニュースの見出し。
北海道には抗えない…初日から列、鹿児島市の山形屋で物産展始まる」
南国鹿児島だからこそ、北海道へのあこがれが強いのかもしれない。

アメリカンフェスティバルもこれに近いものがあるではないか。
今や実際に海外に行ったことのある人なんて全く珍しくもないし、たとえ一度も行ったことがなくても、ありとあらゆる情報を得られる今、いくらでも外国に行ったつもりになれる時代だ。
それでもいろいろなイベントで、異国の雰囲気を味わうことを楽しみにしている人は多いということだと思う。

父の田舎の小さな町、これはほんとうに地方のそのまた地方の小さな町です。小学一年生の自分にはものすごく大きなイベントに思えたけど、もしかしたら想像以上に規模は小さかったのかもしれない。

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