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写真展「7人が魅る世界」を終えて


自身初の写真展を終えて一週間が経ちました。
この写真展のいきさつやテーマ、自分の作品についてなどについてまとめてみたいと思います。
半分以上は備忘録のようなものになりますが、よろしければお付き合いよろしくお願いします。

📷写真展を開いたきっかけ

一眼レフカメラを手にとって17年、本格的に風景を撮り始めて8年。いくつかのフォトコンテストで選んで頂いたり、SNSをきっかけに仲間もたくさんできました。人生を通した趣味としてカメラを選んで本当によかったと常々感じています。

そんな私ですが、今まで写真展を行ったことはありませんでした。
「自分の写真を見に来てくれる人なんてそういないだろう」「もっと上手な人が沢山いるのに、自分なんかが」
そう思っていました。

しかし他の方の写真展に通ううち、別の感情が湧いてきたのです。
パソコンやスマートフォンの画面越しでは伝わらない、写真そのものが持つ力。複数の写真が組み合わさることで生まれるストーリー。そしてその作品を撮った方との交流で生まれる新たな気づきやモチベーション。
そのどれもが今の自分に足りないものでした。

自分も写真展をやってみたい

コロナ禍も一段落しはじめた2022年9月末、ようやく決意した私は数人のカメラ仲間に声を掛けさせていただきました。

📷「7人が魅る世界」とは

決まった7人のメンバーの顔ぶれを見たとき、
テーマは敢えて絞らないでおこう」そう思いました。

メインテーマを据えて作品を作り上げて展示する方法もありましたが、私を含めたほとんどのメンバーが写真展開催未経験者でした。
まずは写真展を楽しむこと。それを実現するには、自分の好きなジャンル・好きな写真を展示した方がいいのではないかと考えました。

「7人が魅る世界」と銘打った理由はこの一点のみです
7人がそれぞれ魅了され、心を揺さぶられたものを展示し、独自のストーリーを表現して欲しい。その思いで名付けました。

また、会場は北九州市の旧門司税関をお借りしましたが、結果的には大正解だったと思っています。
2日間という限られた開催期間でしたが、1100人を超える方々にお越し頂きました。観光地に立地するおかげか、写真を趣味としない一般の方も多く(というか殆どが一般の方でした)ご来場頂きましたが、テーマを絞っていなかった故に、純粋に「写真の魅力」をお伝えできたのではないかと思うのです。

📷私のテーマは「とき

私はスタートレイル(星の日周運動)撮影が好きです。

スタートレイルの魅力は、何と言ってもその星の軌跡の美しさにあると思います。肉眼では白い点に見える星も、実は青や黄色など様々な色に輝いていることが軌跡になることでわかりやすくなります。

また、星の動き=地球の自転ですので、普段はあまり意識しないこの地球という星の、大地の動きを実感できる被写体であると感じます。

そしてもうひとつは一枚の写真に「時間」を表現できるということ。
写真は「瞬間を切り取り記録したもの」と捉えられることが多いです。鳥が羽ばたき飛び立つ「瞬間」、サッカー選手がシュートを放つ「瞬間」、ポートレイトでモデルが魅力的な表情を見せる「瞬間」などなど。これらを捉えるセンスや技術…正直とても欲しい。欲しすぎます(笑)

しかしそれだけではなく、滝や波などの水の流れ、列車やスポーツの流し撮りのように、三次元だけでなく時間も加わった、四次元的な表現も写真には可能です。

今回の写真展では、その四次元的表現を核としてテーマを「刻」とし、それをスタートレイルという形で統一しました。
一枚の写真、すなわち『静』に時間の流れ『動』を。
少しでも静と動を感じ取って頂けたのであれば幸いです。


📷展示作品について

全ての作品を紹介すると長くなりますので、数点のみ挙げさせて頂きます。

EOS R5+RF15-35㎜ F2.8 L IS USM

大分県耶馬溪にて。奇岩とネモフィラの組み合わせで、こちらは未公開作品になります。天の川と一緒に写すのがここ数年の流行ですが、敢えて満月期の誰もいない時期に行きました(笑)
満月期でも北天側であればここまでしっかり星は写ります。さらに前景が撮りやすいので、星を回すなら月明かりの強いときに行きたいくらいです…
左はトンネル(青の洞門)、右は信号機です。人工的な灯りではありますが良いアクセントになったかと思います。

EOS R5+RF15-35㎜ F2.8 L IS USM

佐賀県納戸料の百年桜です。こちらも未公開作品でした。手前の茶畑と組み合わせることで日本の春らしさを感じさせる写真になりました。
自分以外に誰もいませんでしたので、桜と茶畑はセルフライトアップで浮かび上がらせています。
左の藪の中からイノシシに威嚇されて少しビビってたのは内緒ですよ。

EOS R5+RF24-105㎜ F4 L IS USM

熊本県浮島神社。朝日と霧の組み合わせで有名ですが、根暗夜景好きな僕はここでも星を回しに行ってきました。
1月上旬の非常に冷え込んだ夜でしたが、池の霧と星の流れが幻想的に表現できた1枚で、個人的にかなりのお気に入りになります。

📷おわりに

今回の写真展を振り返り、良かった点・反省点がたくさんありました。
反省点としては以下の3つが挙げられます。
1.写真の見せ方
3つの場所に分かれていたため作品が分断されたり、会場の明るさ(陽の射し方など)が把握できておらず最良のライティングや雰囲気を演出できなかったこと。
2.観覧者の動線
中央のスペースにメインのA1パネルとポートフォリオ等の閲覧コーナーを設けていましたが、想像以上に人が集中してしまい多少混乱したこと。
3.人見知りが過ぎる
これは個人的な反省ですが、人見知りが炸裂してしまい感想や意見などが聞けなかったこと。
写真展開催の要の一つである「人との交流」が疎かになってしまったのは猛省しないといけません…

良かった点
上記の三点以外すべてです!
特にこの7人のメンバーで開催できたことは一番の成功点でした。それぞれの視点で魅た世界観が表現されていて、何より当初の目的「写真展を楽しむこと」が会場の空気を通しても伝わってきました。
その会場の旧門司税関さんにも大変お世話になりました。赤煉瓦の壁があまりに立派なため、最初は作品が会場に負けるのではと危惧するほどでしたが、いざ展示してみると何かこう…もう最高やん(笑)

もし次に写真展を行うことがあれば、今回感じたことを活かしてより良いものにしていきたいですね。

最後に、今回写真展にお越しくださった皆さん、本当にありがとうございました。

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