見出し画像

LLMはイノベーションによる大きな変化となりうるのか?

スマート書記という音声とAIを活用した議事録作成SaaSを提供しているエピックベースのファウンダーである松田です。
気づけば、昨年書いたnoteから1年が経っていました。

ちょうど1年前、PMF(Product Market Fit)に向けて〜!って考えていたのですが、そんなことを考えている余裕もなく気づけば事業が進捗し、人やリソースが圧倒的に足りないという事態になり、気づけば1年経っていた、そんな状況です。今言えることは、「PMFを意識している間はPMFできてない」ということです。

そんなエピックベースの近況はさておき、私はというと、事業だけでなく採用なんかにも非常に力を入れています。ちなみに、カスタマーサクセスやエンジニア職種は特に募集してますので、興味ある方はカジュアル面談しましょう!(告知を強引に差し込む)


そんなこんなで求職者の方や、お客様とはなしていると、とにかく最近は大規模言語モデル(LLM)の話題について聞かれることが圧倒的に多くなりました。特に我々が提供しているスマート書記という製品はこのテクノロジーによって、どうなるのか?そんなお話を聞かれることが多いので、

  1. 自社の見解

  2. 対応方針(プロダクトにどう活かすのか)

  3. 計画

について、いくつかのnoteに分けながらお話できればと思ってます。
※あくまでも、エピックベースが2023年春時点の情報をもとに考えていることをお話するもので、「正しさ」などを求めるものではない点はご了承ください。

このnoteは、

  • エピックベースへの転職に興味を持っている人

  • 大規模言語モデル(LLM)というテクノロジーの登場により、サービスに影響を受けている?起業家の見解を知りたい方

  • スマート書記を使いたい、使っている方

に読んでもらえると嬉しいなと思っています。

大規模言語モデル(LLM)というテクノロジーは”一過性の流行り”なのか?それともまさに今、時代の変曲点となるのか?

いきなりの結論ですが、私の考えは、「一過性の流行りにはならず(もう少し先に)時代の変曲点が訪れる」と考えています。各社がChatGPTへの対応などを急いでますが、急いで対応こと=マーケットで勝てることにはまだならないと思っており、しっかりと社内ではこの技術をどう顧客体験に生かすかの検証を続けています。
では、なぜこのように考えたのか、を少し意見を書いていきたいと思います。

①テクノロジーなどが時代の変曲点となるために必要な3要素

ソフトウェアの世界にいると、ふっと忘れてしまう瞬間がありますが、商売の基本は「作って(仕入れて)、届ける」ことにあります。(当たり前すぎてごめんなさい)

私がスタートアップという領域に関心を持ったのは2011年頃なのですが、その頃から見ると、時代の変曲点は大きく2つあったように感じています。

1つ目は、iPhone(Apple Store)の登場。2007年頃に最初のiPhoneが発売され、3Gネットワークに接続できるようになったモデルぐらいから急速に普及した記憶があります。その後、少しずつApp Storeに便利なアプリが登場し、気づけばなくては今の生活になくてはならないものとなりました。

そして2つ目は、AWS(クラウドサーバー)の登場。こちらも2006年頃にサービス提供が開始されたそうです。日本でもAWSの普及が進むにつれて、どんどんとスタートアップがウェブサービスをリリースするようになり、今のスタートアップシーンが登場するきっかけとなった印象があります。

この2つは私が感じる限り、世の中にとても大きな影響を与えたと考えています。このどちらにもある共通点があると思っています。それは、「安く・簡単に」作って届けることができるようになった、ということです。

例えば、これまではソフトウェアを届けるためには、ハードウェアを作った会社に高いライセンスフィーを払って販売する必要があったものが、App Store上から誰でも簡単にアプリケーションを世界中のユーザーに届けることができるようになりました。

ウェブサービスも同じです。AWSの登場によって誰でも簡単にウェブサイトなどを構築することができるようになり、コストも非常に抑えることができるようになりました。

このように「安価に作れる・届けることができる」「簡単に作れる・届けることができる」という共通点がありました。ただし、それだけなら他にもそういったテクノロジーなどはあったと思います。もう1つ重要なポイントとして、「未来への期待感(それは誰もが想像できる未来の流れであり、誰でも理解できる活用事例が出てくること)」が重要であると考えます。

②これまでのテクノロジーによる時代の変曲点もタイムラグがあった

先程は変曲点となるために必要な要素について考えを述べてきましたが、もう1つ見逃せないポイントとして、それぞれの登場から、変曲点となるまでには一定のタイムラグが発生している点も見逃せません。
どのテクノロジーもいきなり「世の中で求められる要件を全て満たして」登場するわけではありません。登場して初めて気づくこともたくさんあります。そういった点が少しずつ改善され、世の中で受け入れられる雰囲気が出てきて、ようやく爆発的な普及につながっていきます。

まとめ

この①と②をLLMに当てはめてみるとどうでしょうか。
①について考えると、

  • 安価に簡単につくれるものはなにか

  • 安価に簡単に届けることができるのはなにか

  • 誰でも理解できる活用事例があるか

この回答をみなさんが、同じように感じるとき、それはまさに変曲点を迎えていると考えてよいのではないでしょうか。色んな人のLLMに関する見解をSNSで見ていますが、まだ各人の見解は上記3の視点で見てみると、バラバラな印象を持っています。つまり、「(圧倒的な)最適解が見つかっていない」ということを意味するのではないでしょうか。

そして②については言わずもがなかなと思います。ChatGPTの登場によって、国単位での規制議論や、法人・自治体でもそれぞれ独自見解によって、使う or 使わないなどが議論をされているところです。そのなかで、まだ何が正解かなどはこれから明らかになっていくかなと感じています。

正直、毎日新しいニュースがあり、すごいスピードです。私もどうしていくことが正解かわかっていません。

だからこそ、我々は「早く対応する」のではなく、このテクノロジーを使って「どんな価値を出せるのか」をしっかりと見極めて、プロダクトに反映していきたいと考えています。この活動だけは、どんな未来が出てこようと正しい活動であるからです。その代わり、しっかりと時代の変曲点となりうる瞬間を見極め、エピックベースが思っきり舵を切れるように組織としても準備していきたいと思っています。

あまりまとまりのある文章でもなければ、すごいことも言えていませんが、まずは考えていることを少しでもアウトプットしていけたらと思っています。それではみなさん、よいGWをお過ごしください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?