スライスの技術項目

テニスにおいてスライスとは、ボールの進行方向に対して逆回転をかけることを指します。アンダースピン、カットという言葉で表現するケースもあるかも知れません。スライスという言葉自体は打ち方の事ではなく、そのボールの回転の状況を
指す言葉です。
ボールにスライスをかけるとボールに浮き上がる力が働くので
少ない力でボールを飛ばすことが可能です。
その為、追い込まれた場面やペースを遅くしたい時に有効なショットを打つことが
できるので、デフェンスのイメージが強くなります。
以下にスライスに関する様々なポイントを挙げていきます。

スライスに影響を与える項目
　ラケットスイングの方向（ベクトル）
　　ボールの中心点よりも下半分を通ること
　面の向き（飛び出す角度）
　　およそ面の角度とスイングのベクトルの中間点に飛ぶ
　あつみの観点
　スイングスピード（ヘッドスピード）
　ガットの影響として
　　ゲージの細さ
　　テンション
　　スナップバック

フォームのポイント
　グリップ
　　コンチネンタルが基本だが、少しそれぞれに薄い方が回転はかけやすい
　　バックハンド（少しフォアより）フォアハンド（少しバックより）
　　しかしながら現実的にはフォアのグリップがバックよりだと厚い当たりが
　　難かしくなるのでコンチネンタルより少しフォア寄りのグリップがお勧め。
　　理由としてはバックハンドは打点を後ろに持っていくことができ
　　フォアハンドは前に出すことが出来る、それに対応出来るグリップが
　　コンチネンタルよりややフォア寄りになるのだと思う。

　手首の形（コック）
　　ボールに力を伝える形として手首がしっかりとホールドできることが望ましい
　　バックハンドにおいては手の甲側に折るような形（背屈）
　　フォアハンドにおいては手のひら側に折る形（掌屈）
　　ただ極端な形は推奨できず、基本的にはニュートラルなポジションを
　　意識することが大切です。

　肩から先のワンユニットの意識
　　バックハンドにおいてはやや肘の曲げ伸ばしによってスイングスピードを加速
　　させることが出来るが、基本的には肩から先を一つの塊として動かす
　　（ワンユニット）の意識が大切です。
　　肩から先を加速させる為には押し出すスイングではなく引っ張る意識が重要
　　その為テイクバックの時には腕をスイングの反対方向にしっかりと引っ張る
　　意識が大切です。それによって腕もしっかりと伸びます。

スイングの軌道
　やや上から下に引っ張る力を使う為にはラケットを外側から内側に動かす事が
　大切です（アウトサイドイン）
　腕を引っ張る形でテイクバックをしたら前足への体重移動をきっかけに
　体の回転をスタートさせます。それにつられて腕が引っ張られキレのある
　スイングが可能となります。
　体の回転については回しすぎず、きっかけの後には止める意識を持つとより
　腕に力が伝わるようになります。

スライスを利用するショット・場面
　ストロークでのペースチェンジ、体勢が崩れそうな時、ディフェンス
　ボレーのコントロールの為に
　ドロップショット・ロブ・リターン・アプローチショット・ショートクロス

実際のレッスンでも以上のようなポイントに沿って解説していきます！