自#221「人をだますのはダメだけど、自分をだますのはありかな・・・と」

「たかやん自由ノート221」

アエラで「スキップして脳をだます」と云う記事を読みました。スキップは、画面上でスキップして早送りするとか、本を飛ばし読みすると云った意味ではなく、身体的な行動としてのスキップです。スキップは、本来、片足が2歩ずつ交互にホップして行くと云うアクションですが、単にそこらを跳ね回ると云った、でたらめな行動でも、全然、構いません。そこらを、飛び跳ねるだけで、脳はすぐに、楽しいと騙(だま)されてしまって、ストレスや不安から逃れることができます。

 アメリカの一流企業のCEOとかは、そうは言っても、ストレスだらけの仕事生活ですから、毎日、きちんとジムに通って筋トレをして、自分を騙しているんです。私は、役所にいた頃、そう自分が積極的に取り組みたいことでもないジャンルの仕事を、どっさり抱えていたことが、しょっちゅうありました。仕事も、上司も、応対する相手も、自分では選べません。処理しなければいけない案件は、次々に襲って来ます。当然、ストレスは溜まります。ストレスを発散させるために、仲間と一緒に飲み屋に行くと云うのが、普通の発想だと思いますが、私は、アルコールは本当に好きだったので、そういう飲み方はしてませんでした。飲んで酔っぱらって、上司や同僚の悪口を言って、カラオケで歌いまくって、スナックのママさんと、Hな話をする、まあそういうありがちな酩酊は、多分、一度もしたことがありません。そもそも、私は、人の悪口は言いませんし(非生産的で、エネルギーと時間の無駄遣いだと思っています)カラオケは嫌いで、Hな話も好きではありません。若い頃は、結構、飲んでいましたが、それは、ストレス発散のためではなく、飲むことが好きだったからです。ですから、飲む酒の種類も銘柄も決まっていました。ビールはアサヒ(スーパーZが出てからはエビスに変えました)ウィスキーはスコッチ(オールドパー)、日本酒は菊正宗か司牡丹。あと、ビフィータージンで作ったマティーニー。マティーニーは、外のバーで飲みましたが、基本、アルコールは、自宅で、音楽を聞きながら、一人で飲んでいました。他人と一緒に飲んで騒いでいたら、飲む楽しみは、追求できません。

 ストレスを発散するために、身体を動かしていました。四万十川の河口の小さな町に住んでいた時は、四万十川の土手を走ったり、歩いたりするのが、最高のストレス解消法でした。2時間くらい歩くと、完璧、いや完璧以上にリフレッシュできました。高知城の近くに住んでいた頃は、お城の遊歩道を歩いていました。お城の周囲に、ジョギングコースもあって、手っ取り早く、30分くらいでストレスを発散したい時は、ジョギングコースを走っていました。私にとってのストレス発散法は、景色の良い所を、歩くか走るかです。それも、アスファルトとかコンクリートとかじゃなく、土の上です。今は、玉川上水沿いを、夕方、走っています。ストレスは、ほとんどないので、ストレス発散ではなく、有酸素運動をして、免疫力を高めるために、走っているんです。

 日々、16ビートくらいのテンポで、激務をこなしている方は、土の上を走ったりする余裕は、なかなかないでしょうが、取り敢えず、そこらで飛び跳ねて、スキップするとかでも、いいわけです。ズームを使って、勤務時間中に体操などを組み込んで、身体をリフレッシュさせている会社も、あるそうです。メタボな男性が、ついて行けるかどうかは、判りませんが、飛び跳ねるスキップを取り入れた、ダンスっぽいものにすれば、一気に、ストレスは発散できそうな気がします。脳のメモリー(短期記憶)と云うのは、案外と容量が小さいので、身体を動かしている内に、不安とかストレスとかは、割と簡単に忘れ去ってしまいます。

 体操をする余裕さえなく、powerfulにハイテンポで、働いている方もいると思います。そういう方は、背筋を伸ばすだけでもいいらしく、背筋を伸ばすことによって、脳は、今、自分は元気なんだと、騙されてしまって、ストレスホルモンのコルチゾールの分泌が低下するのだそうです。

 手早くストレスを解消する方法が、いくつか紹介されています。たとえば、コーヒーの香をかぐ。これは、インスタントコーヒーではなく、レギュラーコーヒー系だと思います。休憩時間にコーヒーを淹れるのであれば、ミルで豆を挽いても問題ない筈です。電動ではなく、手動ミルを回した方がいいです。コーヒー豆の匂いが、ストレスと不安を、どこかに押しやってくれそうです。

 割り箸を横にして口に銜えると云う簡便な方法もあります。これは、つまり笑顔をこしらえると言うことです。K高校時代の教え子のM子ちゃんは、小5の時「無理やりでも、笑顔をこしらえた方が、いろいろ楽しくなるよ」と親に教わったそうです。これは、目の周りの眼輪筋(がんりんきん)と口角を上げる大頬骨筋(だいきょうこつきん)が動くと、実際に楽しいかどうかに関わらず、楽しく笑っていると、脳が錯覚して、ストレスが和らぐんです。「先生も、たまに作り笑いとかした方が、いいですよ」と、M子ちゃんはアドバイスしてくれました。幸いなことにと言うべきか、残念なことだったのか判りませんが、作り笑いとかとは、無縁の人生でした。もっとも、今後、コミュニティセンターとかで、講座を開設したら、作り笑いとかしまくるのかもしれません。人生、一寸先は、どうなるか判らないと思っていた方が、楽しそうです。

 不安を書き出すと言うオーソドックスな、不安解消法も紹介されています。これは、中学生くらいの頃から、知っていた方法です。私は、中2から文章を書き始めました。最初は手紙です。少年院に入ったバンド仲間のYに手紙を書きました。そしたら、刑務所に入っている地元の知り合いにも書きたくなって、手紙とか日記とか、いろいろ書くようになったんですが、その内に、文章を書く効用と云うものが、だんだん判って来ました。人は、文章を書くことによって、自分自身の心を整えることができるんです。中2だから、直観でこれが判ったんだと思います。私は、自分の心を整えるために文章を書いています。それが、第一の目的です。誰かのためと云うより、むしろ自分のために書いているんです。それを、プリントにして、授業の最後に配るとかって、資源の無駄遣いじゃないかと、森林保護のためにアマゾンのジャングルの土地を購入しているスティングに、申し訳ないと思いつつ、今もプリントは配っています。まあですが、配るプリントの枚数は、3分の1くらいに減りましたし、このノートを書いているので、もうやめてもいいとは考えています。インターネット時代になって、紙を無駄に使わなくても良くなったことは、間違いなく、大きなメリットです。

 SNS全盛時代になって、多くの人が文章を書いているわけですが、キーボードを打てば、いきなり文章が書けるパソコンではなく、紙に手書きで綴った方が、おそらく(証明はできませんが)ストレス解消には、より役立つと想像しています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?