テントサウナ導入のススメ【2020】
「テントサウナを買いたいんだけど、ぶっちゃけどう?」と尋ねられることが増えてきました。そのたび、ご質問いただいた方と直接お話することが多いのですが、一方で「実際やってみた感想をまとめてみる」だけでもきっと何かのお役に立てるかも…と思い、このたびnoteを書くことにしました!
皆様がテントサウナを検討される上で、何かしらの一助になりましたら幸いです。
◆テントサウナをやってみた正直なところ
筆者は今年の2月から、自前のテントサウナ を所有しています。サウナ好きが興じて手に入れたものになりますが、いざはじめてみるとテントサウナの世界にズブズブとのめりこむようになりました。
まずは湖や海、川など、
水辺の近くでテントサウナを始め、
その後は山奥にもテントサウナを持ち込んだりもして、
プールを置いて、市街地の屋上で実施したこともありました。
果ては、サウナ × プロジェクションマッピングなどもやってみたり…
購入から数えると、計20回。およそ2週間に1度のペースでテントサウナをやってきたことになります。
ただ毎度スムーズにやれたかでいうと決してそうではなく、むしろ辛酸を舐めることも多々ありました。
この内容をみて、「まるでサウナ室の厳しいルール書きのようだ…」と感じられた方もいらっしゃるかもしれません。ただ現実として、ほかのテントサウナオーナーの皆様も、目に見えないところで様々な苦労をされておられます。
そういった現況はしっかりとお伝えさせていただきつつ…
しかし、
それでも、
周りにいる人たちをみな笑顔をさせてしまう・・・
そんな不思議な力がテントサウナにはあります。
アウトドア経験もロクにない中、筆者はノリと勢いで購入してしまったのですが、テントサウナを手に入れる前と後とでは、人生そのものの充実度が激変したという実感さえあります。
多少の面倒があるとわかった上で、しかしそこはノリと勢いで乗り切ってしまうと、意外とトクをするのかもしれません。
とはいえ事前にわかる情報は、なるべく仕入れておきたいところ。次からは日本に出回っているテントサウナのモデルについて、具体的にレビューしていきますね!
◆これぞ王道、万人向けのテントサウナ "Savotta"
もともとフィンランドの軍用として活用されていたテントサウナを、一般向けに開放したのが "Savotta" モデルの特徴だそうです。確かに、ミリタリーを想起させるような佇まいで、テント自体もアウトドアシーンを想定した造りになっています。
筆者が把握している中では、もっとも日本国内で流通しているモデルとなっており、全国津々浦々のキャンプ場およびイベントなどでもっとも目にする機会が多いかと思います。(余談ですが、テントサウナの前情報がまったくなかった私の知人もまずは "Savotta" から検討し、そしてそのまま購入に至ったという話を聞きました。国内のテントサウナ市場で、"Savotta"がいかにメジャーなのかが伺えるエピソードです。)
そんな "Savotta" 最大の魅力は、「アウトドアシーンでの贅沢なロウリュウ体験」かなぁと個人的には思っております。サウナ室内にどかっと鎮座したストーブに、所狭しと敷き詰められたサウナストーン。こだわり抜かれたアロマ水を柄杓でかけると、ジュワッという音とともに、息苦しさとは無縁の、熱気を帯びた水蒸気が全身を包んでいきます。この体験を(アウトドアシーンの)好きな場所で味わえるなんて、贅沢以外の何物でもないですね。
さらに"Savotta" はサイズ展開も豊富で、3-4名用、6名用、10名以上用のテントを販売しています。モノによってはサウナ室内でロウリュウだけでなく、アウフグースを楽しむこともできます。様々な用途に活用できるため、日本国内でもっともメジャーな存在であるのも合点がいきます。
筆者は "Savotta" を過去5回ほど体験していますが、特に好きなシーンは「ロウリュをしながら、まったりと団らんが出来る」こと。"Savotta"の室内は熱くなりすぎない分、同じ空間を共にする面々との、コミュニケーションに集中することができます。"Savotta" の温度設定は60℃~80℃ほどで熱すぎず、苦しすぎず。老若男女を選ばない素晴らしいサウナです。そして筆者が所有している "Mobiba" との相性が妙に良い。いやぁ、"Savotta" は個人的に欲しいモデルの筆頭ですね。
しかしそんな "Savotta" にも惜しいと思われる点がいくつかあります。要点をまとめておりますので以下よりご一読ください。
◆テントサウナ史上最強の熱さを誇る "MORZH"
"MORZH"と書いて「モルジュ」と呼ぶそうです。2019年に入ってから彗星のように現れたテントサウナで、体験された方は皆「テントサウナ史上最強」と口を揃える絶賛ぶり。ロシアのメーカーが展開するこちらのサウナがいかにして最強なのか。その所以は、テント自体のホスピタリティの高さにありました。
二重三重構造で、徹底した耐熱性を維持するテント。おそらくキルティング素材の生地が使われており、さながらまるで "羽毛布団" かのようです。それでいて防風防水性も抜群。筆者が体験した日は暴風雨だったのですが、翌日晴れ間が見えた時には、まるで何事もなかったかのように "速乾" しておりました。テントの窓も大きくて開閉可能。1人5分もあれば容易に設営も出来て、テントのクオリティだけでも、他のモデルを圧倒しているようです。
そのようなテントの中でサウナをするので、体感温度も半端ではありません。束の間のロウリュウと薪くべもためらってしまうほどの強烈な熱波を放ち、MAX130℃にも到達する程の熱さにもなるそうです。実際、筆者は余りの熱の痛さで、椅子から立ち上がれなくなる体験をしたのは "Walrus" がはじめてでした…。※常に激熱な温度を維持している訳ではありません。
どちらかというと中級~上級者向けのテントサウナで、施設レベルの本格的な熱さを求めるのであれば "MORZH" 一択であると断言できます。そして天候に左右され辛いサウナでもあるので、外気温が極端に低いエリアや雪が積もる場所でも、あまり温度の減少がなく、テントサウナを楽しめることが出来そうです。ただ、これはテントサウナ全般にも言えることなのですが、上半身が一気に熱されるのに対し、下半身、特に足元が暖まりづらいところは唯一のウィークポイントなのかなと思います。たとえば女性は足元の冷えを気にされる方もいらっしゃるため、上半身との急激な温度差がとりわけ気になるのではないかと感じました。※しかしこちらも、椅子の高さを調整すれば解消されうるポイントではあるため、敢えてウィークポイントを挙げるとしたらというレベルではあります。そういう意味では、こちらのサウナ、あらゆる意味で死角がありません。最強すぎる…。
しかし "MORZH"と"Savotta" … 共通しているところがありまして
持ち運びする荷物、めっちゃ多い・・・!
特にストーン!サウナストーンだけでも20kg!!
大人1人で持ち運ぼうとするなら、ギックリ腰になりかけるほどの重さで、クルマがなければまず移動は現実的ではない。テントサウナの良い点は「好きな場所に設置できる」ことなので、移動を前提としたシーンを想定するのであれば、どのような条件下でやるべきかは悩みどころです…。
◆機動力抜群であちこち持ち運べる "Mobiba"
しかしそのような移動の課題を解消するテントサウナも存在します!ロシアのサウナ=バーニャをベースに設計されたモデル " Mobiba" です。こちらのテントサウナは、クルマがなくとも持ち運びができるところが最大の特徴となります。
"Mobiba"とは「Mobile Banya」の略で、総重量12-15kgのバックパックにテントサウナが収まるという、驚きのコンパクトモデル。たとえば写真の通り、電車を使ってテントサウナを移動させることも出来ます。
船に乗せてテントサウナを運ぶこともやぶさかではないですし、
飛行機に乗せて移動する、なんてことも出来てしまいます!
このように "Mobiba" は実施する環境と場所を選びません。筆者も所有していたモデルが "Mobiba" であったからこそ冒頭のように、様々なシチュエーションでテントサウナをやることが出来ました。
さらにこちらのモデルは2020年1月現在、もっとも安価な価格帯で販売されています。たとえばテントサウナの購入であれば、国内流通市場で15~20万円は下らないのが相場ですが、"Mobiba"の場合は8万8千円!
人生を一変させるほどの感動が、MacBook並みの価格で手に入るのです。これって、すごくないですか?
◆"Mobiba"の性能ってぶっちゃけどうなの?
そんな "Mobiba" の性能について、メリットデメリットを余すところなく書きたいと思っておりますが、
まず、こちらのモデルはロウリュウができません!!
「えっ、ロウリュウできないの?」
「出来ないです!」
「それ、ちょっとありえなくない・・・?」
そう思われた方は、今すぐこのページを閉じてください。笑
だって、見栄張っても仕方ないですからね…。かの国、フィンランドではロウリュウできるのが当たり前で、ロウリュウできないサウナなど存在意義があるのかとツッコまれても不思議ではありません。
ロウリュウできるできないの議論はさておき、いったん話を本題に戻します。こちらのモデルはストーブの上段に水を溜めて、下段に薪をくべて暖めるスタイルとなっております。
ストーブの炉自体は小さいものになっていて、小割りの薪を立てるようにして暖めるのが特徴です。暖まり方ですが、これが意外にも本格的な熱さとなりまして、温度計自体は80℃を超えないものの湿度が60℃と大変高く、セッティングが上手くいった時には「めっちゃ熱い」「大量の汗が出まくる」「体感温度は"Savotta"よりも上」などのお声を頂戴いたしました。そして湿度が高いために息苦しさを感じないそうで、「下手したら水風呂より気持ち良い」とのことでした。※あくまで初心者の方中心のご意見です。
ストーブの詳細な仕組みに関しては上記のシートをご参照ください。こちらは、"Mobiba"の正規販売メーカーであるファイヤーサイド社作成の説明書より引用させていただいております。
というかこの説明書、めちゃめちゃわかりやすくて感動するんです。アウトドア初心者でもこの説明書を見れば、泣く子も黙るんじゃないかってほどの神クオリティ。もしも海外から個人輸入してしまった日には、このレベルの説明書にはまずお目にかかれないかと思われます!
そんなわかりやすすぎる説明書を作っておられる、ファイヤーサイド社。もともと薪ストーブの販売を主力事業とされているのですが、安心安全にとことんこだわる日本人の気質に合わせて、膨大なネガティブチェックとテストを経た上で "Mobiba"を販売されているそうです。
そのこだわりようは尋常ではなく、「テントの温度がストーブの熱さに耐えられるか?」というスタンダードなものから、「テントから煙突が突き出ている通気口の最適な耐熱温度とサイズはどれぐらいか?」という一見見過ごしてしまいそうなテーマまで着目して、日本国内でテストを行っているとのこと。この話をはじめて聞いたとき、筆者は椅子から腰を抜かしそうになりました。
"Mobiba"を国内で購入されたときには、そんなファイヤーサイド社がサポートをしてくださるそうです。テントサウナを検討する上では、手厚いフォロー体制があるかないかということも十分に考慮したいところですよね。
以上をまとめると「もっとも安価に手に入り」、「ミニマムかつコンパクトに導入出来て」、「メーカーの手厚いフォローの中で本格的なサウナを楽しめる」という点では、"Mobiba" はテントサウナ初心者向けのモデルであると言えそうです。
ほか、筆者が "Mobiba" を使ってみた所感を以下にまとめます。
◆実はロウリュウできるタイプも存在する
以上、長々と紹介させていただいた "Mobiba" ですが、実はロウリュウ出来るタイプも存在します。 バックパックタイプと同様にファイヤーサイド社から発売されており、価格は13万5千円。テントサウナの相場価格よりも安価な料金設定となっています!それではロウリュウタイプの仕様について、詳しく見ていきましょう。
まずは外装に関して。備え付けの窓に関しては "MORZH" よりもこちらの方が大きく、内側の幕から室内を隠すことも出来ますし、煙突の排気口も開け閉めが可能です。テント素材はバックパックタイプとあまり変わらない仕様のため、テント生地の厚さでは "MORZH"により分があります。
続いては内装について。室内はバックパックモデルよりもやや大きく、ストーブandストーンに関しては "MORZH" などとほぼ同じサイズになってしまいます。しかし温度に関してはこちらの方がマイルド。"MORZH"は「男気」という言葉が相応しい熱さにまで達しますが、"Mobiba"のロウリュウタイプはそこまで強烈な熱と感じるほどではありません。"MORZH"にあるような上半身~足元にかけての温度差もそこまで目立たないため、女性や子供などの利用を想定されているのであれば、こちらの"Mobiba"も選択肢に入ってくるでしょう。
ちなみに、テレビ東京で放映されていたドラマ「サ道」で、主演の原田泰造さんが楽しまれていたテントサウナもこちらのタイプでした。ファイヤーサイドさん曰く、「ドラマに出てきたあのテントサウナがそのまま欲しい」ということで購入された方もいらっしゃったそうですw こちらのタイプは地上波にも登場したということで、知名度が高いテントサウナの一つかもしれませんね。
◆終わりに
以上、それぞれのモデルの特徴をレビューして参りました!少しでも参考になるところはございましたでしょうか?結論、テントサウナの用途やライフスタイルを考えて、ニーズにぴったりハマりそうなものを購入する という選択が最善なように思います。
テントサウナ欲しい!導入について相談したい!という方がいらっしゃったら、私でよければなんでもお答えしますので、下記 "bosyu" までお気軽にお問合せくださいませー!
「テントサウナ始めたい方!経験者が相談に乗ります。」https://bosyu.me/b/qBnIfzEwblw
(〆)
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