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【FX】マルチフレーム分析マルチタイムフレーム分析を行う前に言及すべき問題とは?

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『 最初に 』

本日はマルチフレーム・マルチタイムフレーム分析の重要性を説きはされても、その中にあるもっとも言及されるべき点が「当たり前」に無視されている事柄について触れていきたいと思います。

又、ここでいうマルチフレーム分析とは一つに時間足における波・トレンドを2フレーム以上統合された多重フレームチャート分析を指し、マルチタイムフレーム分析は各時間足におけるマルチフレーム分析の結果を統合する事を指しています。

また既存理論に当てはめて考えるとすればトレンドという概念を前提とした理論(次点トレード理論・ダウ理論・エリオット波動論等)の場合で言えばマルチフレームは波・トレンドの統合となりますが、これがサイクルという概念を前提とした理論であればそれはサイクルの統合を指します。

そういった違いはあれどシングルフレームから始まる統合も、それら各時間足ごとのマルチフレームの結果を統合するマルチタイムフレーム分析もその過程・仕組み自体は同じといえるため今回の内容は各自が実践或いは研究している理論に当てはめて咀嚼して頂いて問題ないでしょう。

『 目次 』


⑴ マルチフレーム分析を行う前に言及すべき問題点
⑵ マルチタイムフレーム分析を行う前に言及すべき問題点

1. マルチフレーム分析を行う前に言及すべき問題点

EUR/JPY日足シングルフレーム1Hチャート表示例
EUR/JPY1時間足上限3・マルチフレーム15分チャート表示例

各波は厳密な定義と描写ルールより描かれリペイントは存在しない。尚15分足それ自体は何の意味も無い。

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マルチフレーム分析を行う際にまず大前提として定められていなければならない事は何だろうか?それは最小単位である。例えばそれがトレンドを前提した理論であればそのトレンドを形成するパーツである「波」について、言い訳の出来ない誰が書いても同じ結果になり得る厳密完全に定義されたモノあり、尚且つそれ「以下」に割り切れない最小の波という物が必要である。

もしそれが無ければ「その波」以下に無限の波が必要と言う事であり、そもそも基準となるシングルフレームさえ描く事が出来ない。よって「その波」以上のフレームも認識する事が出来ないのだから。

これは無論、サイクルを前提とした理論であっても同じである。それ以上割り切れない厳密に定義された単一解釈に収まるサイクルという物がなければマルチサイクルへと発展する事は出来ない。

尚、認識に練習や経験則が必要な波、或いはサイクルを前提に展開している理論や解説者がいるのであれば耳を貸してはならない。なぜなら観測基準が一定でない検証結果をいくら体系化しようとも、それは見たいように見て描きたいように描いた波やサイクルを都合よくまとめた理論・手法に過ぎない。そのような一貫性が担保されていない物を観測基準において検証してもそれは「検証」とも言えず価値もない事は想像に難くないだろう。

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さて今述べて来たマルチフレーム分析を行う上で前提として定められていなければならない事、簡単に言えばそれ以上割る事の出来ない厳密に定義され最小の単位・波(最小単位は各理論や手法によって異なるがこれ以降はトレンド概念を前提とした「波」を例に展開していく事とする。)がある事で下位方向に無限の波が必要となる事態は避ける事が出来る。

では上限についてはどうだろうか?まず認知された瞬間から直線情報として描く事が出来る最小単位の波からなる最小のトレンドをシングルフレームとした場合、そのトレンドを1段上のフレームの波で統合していく事となる。

もう少しわかりやすく言えば以下のように定義する事が出来る。

上昇トレンド発生=1フレーム上・上昇スイング発生
下降トレンド発生=1フレーム上・下降スイング発生

※トレンドの定義は各理論事に異なるので今回は上昇・下降トレンドという言葉を定義の先頭に持ってきているが正しくは⓪最小単位の定義・描写ルール(今回は波)→①上下トレンドの定義→②トレンド発生→③上下スイング発生の順に記述する事が望ましい。

ここで重要な事は下位トレンド=上位スイングであり、下位トレンドは上位スイングから見てすべてが内包されていなければならない。この条件が満たされていない統合の定義が存在するとしたらその理論は問題がある可能性が高い。尚、 内包とは当然ながら下位トレンドにおける時間及び値の両方が含まれている事は言うまでもない。

そしてこの下位トレンドと上位スイングの関係性は上位方向には実質無限に展開される事になる。

下位トレンドの発生→上位スイングの発生→上位スイングからなるトレンドの発生→さらに一段上の上位スイングの発生…という事を無限に繰り返す事になる。

ここまで読まれてきてなんとなく言及すべき問題が見えてきたのではないだろうか?つまりマルチフレーム分析を行う際の、最小スイングから始まるトレンドは何フレームまでその分析の視野に入れるべきなのだろうか?又、それはどういった理由や根拠でそうあるべきなのだろうか?という事である。

上位方向に無限に統合を続ける事が出来る訳である以上、どこまで見るかは「任意」という事になってしまう。仮に上限3フレームまでを分析をするとして、ではなぜ「4フレーム目はしないのか?」と問われた時に回答を持っていないとすればそれは恣意的な選択であると言えるだろう。

恣意的つまり、それは個人の主観・願望・希望的観測要は見たいように見ているだけに過ぎないとなってしまう。よってマルチフレーム分析においては以下の問題について解消しておくべき必要がある。無論それは「理論構築段階」で済ませておかなければならない。

【 マルチフレーム分析における言及すべき問題点 】
※トレンド概念を前提とした理論の場合※

  1. その理論における最小単位の厳密な定義と描写ルール

  2. 下位トレンドと上位スイングの統合定義と描写ルール

  3. 上位フレームは何フレーム目まで統合・認知するのか

  4. 上記フレームまで統合及び認知するその理由及び根拠

私はこの点について解消し説明をしている既存理論について私自身が作った理論以外で見た事は無いが、これを見ている読者の方が新しく理論を作られる際にはこの問題について言及する事を忘れないで欲しいと思います。

私の理論における考えや回答をここに詳しく記載する事は出来ないが、ヒントとして少し大切な事を書き残しておくとするならこれからまず基準となるタイムフレームを定める必要がある。「その」タイムフレーム上に展開されるシングルフレームのトレンド或いはサイクルをすべての基準とする。「その」タイムフレーム上のトレンドは統合の必要は無い。

なぜならそもそもそれ以上割り切れない最小単位からなる直線情報=波からなるトレンド以上に意味あるトレンドは存在しないからである。上位方向へ統合は無限にしていく事が出来尚且つ上限を定めるとなれば任意である。どちらに意味があるかは明白だろう。無論この「意味のあるタイムフレーム」それ自体を探す事が困難であるとは思います。

私の場合はどうだったのか?私を長年見てこられた読者の方であればわかると思いますが私は次点トレード構築・運用後、予測トレードの研究に移行した後それを完成(配信等も限定的に行っていましたね)させました。そしてそこから得た知見を次点トレードにフィードバックさせており、その中であるタイムフレームを中心に上下に意味を薄めていく事を確認しています。

上下に行っていると述べている時点でわかると思いますが例えば年足がもっとも意味があるのかと言えばそうではありません。詳しい説明はこちらには記載出来ませんが「意味のある時間足」というのは確かに存在していてその時間足=タイムフレームにおけるシングルフレームの波を情報単位として予測トレードも行っており、そのタイムフレームを中心に上下に精度が落ちていく現象もすでに長い期間を経て確認済です。

この辺りは私個人の研究結果に基づいたお話であり、読者の方はイメージしずらいかと思います。要は基準となるタイムフレームを定め(可能ならば作るではなく見つけ)、そこから発生する最小単位からなるトレンド或いはサイクルをベースにする。そしてマルチフレームについてはその利用目的について明確に定義し、ある種道具や指標として。より具体的には目的に対して評価を行う評価基準として利用すべきであるという事。


2.マルチタイムフレーム分析前に言及すべき問題点

EUR/JPY日足シングルフレーム1Hチャート表示例
EUR/JPY1時間足上限3・マルチフレーム15分チャート表示例

各波は厳密な定義と描写ルールより描かれリペイントは存在しない。尚15分足それ自体は何の意味も無い。

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マルチタイムフレーム分析をイメージが困難な方もおられるかもしれない。例えば1時間足でチャート上にトレンドを描き、ルール基づいて例えば上限3
フレームまで統合したとする。

あなたが実践している理論が論理的に組み立てられた物であるならそのチャート情報を理論に放り投げればフロー化された過程を経てそのチャートその時点における「解答」が「1つだけ」出力されるはずである。

同じ事を日足チャートでも行い、日足チャートその時点における「解答」が「1つだけ」出力されたとする。この異なる時間足における異なったそれぞれの解答についてそれをどのように「1つ」に統合すべきか?という事。これがタイムフレーム分析である。


尚、一つの時間足は当然として統合された上での解答も「1つ」でなければならない。仮にあなたが実践されている理論が分析結果について「複数の解答」を出すような物であるならばその問題点について言及する必要がある。
正しく組み立てられた理論は必ずその過程が時系列に沿って厳密にフロー化されている。

チャート情報はただの材料に過ぎない。理論という工場にチャート情報という材料を投げ入れて完成された商品が「解答」である。もしそれが裁量的な余地を残した商品・解答であればそれはまだ解答と言えるような物ではないでしょう。

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さてマルチタイムフレーム分析についてイメージが出来たところで言及すべき問題について触れていきましょう。まずみなさんはどのような時間足を利用し分析・トレードされているのでしょうか?

私が初めてFXという物を知りその学習を始めた頃、そこには多くの書籍や情報商材或いは様々なブロガーやトレーダーと名乗っている方々が存在していました。

その中には4時間足が重要であるとされていた物、いやいやそうじゃないい1時間足だ!或いは5分足なんだと言われている方もおり、また15分足最強と盛り上がっているスレッドもあれば1分足だという主張もありました。どの主張にも納得出来る理由や根拠は無く基本的には直観的な視点や偏った経験則或いは検証の体を成せていないような検証結果から生まれた発言のように当時の私は受け止めていました。その認識は間違ってはいなかったでしょう。

タイムフレーム分析のまず1つ目の問題点はこの時間足の選択についてです。どんな時間足でもとにかく複数組み合わせれば良いのか?そんな事は無いだろうことは想像に難くないでしょう。それはおそらく直観的な解答とも一致するのではないでしょうか。

そこでまずはそもそも「意味の無い時間足」の排除を行って選択肢をよりクリアにしませんか?

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まずチャートを作ったのは人間です。その人間がチャートに持ち込んだ物は二つだけです。チャートには値があり、そして時間が持ち込まれています。時間と値 →(時間,値)で出来ています。

時間という概念について「普通」に考えてみて下さい。その構造はまず「秒」があり「分」があり「時間」があって「週」があり「月」があります。

1年は12カ月であり、12ヵ月は365日であり365日は8760時間であり8760時間は525,600分であり、525,600分は31,536,000秒である。又、1カ月は30.4日であり、1日は24時間であり、1時間は60分であり、1分は60秒である。

と、ここまで見てきてみなさんに一つ伺いたいのです。それは直観的な解答でも構いません。頭に答えをイメージして下さい。

例えば15分足に意味はあるのでしょうか?例えば4時間足に意味はありそうでしょうか?或いは5分足は?たぶんある程度論理的に考えられる人であれば例えそれが直観的な解答だったとしても今回の問い「NO」を思い浮かべた方が大多数ではないかと思います。

5分や15分という単位で私たちは普段時間を見ていません。そういった時間足は「恣意的に切り出された時間足」です。ではなぜそういった時間足が表示出来るようにしてあるのでしょうか?そういった時間足は「いつ頃から」「誰が」表示出来るようにし始めたのでしょうか?こ機会に是非考えてみて下さい。

結局、時間構造に準じて選択肢を並べるとしたら意味がありそうなのは年足、月足、日足、1時間足、そして1分足となるでしょう。今並んだこの時間足は私達が日々意識しているタイムフレームですね。

週についてはこれは厳密にはこの時間構造に組み入れるべきでないと考えています。それは連続性の問題ですがこの点についてはこちらについては長くなりますので今回は割愛。

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私の次点トレードにおいては基本的に、日足チャートがすべての基準となります。そしてその下に一時間足が存在しています。なぜ、この二つの組み合わせなのか?その理由については無論、授業内では解説をしていますがこちらの無料記事上では割愛させて頂きます。

ただ私の記事を見て、個人で検証や研究を試みようとした場合何から手をつけて良いのかわからない方もおられるでしょう。そういった方はまず日足を基準に一貫性のある観測基準・評価基準・蓄積される検証データの体系化等を進めて頂くと良いでしょう。

なぜなら「意味のある時間足」と「意味の無い時間足」では一貫性のある観測基準や評価基準を通して表面化される優位性或いは偏り・傾向に明らかな違いが生まれるからです。故に仮にその観測基準や評価基準が「意味のある」物だったとしても選択したタイムフレームによる問題によってその優位性や偏りに気づく事なくその基準を捨て去ってしまう可能性が生じるからです。

【 マルチフレーム分析における言及すべき問題点 】

  1. タイムフレームの選択を行う必要がある

  2. 時間そのものの構造を考える必要がある

  3. 選択可能な時間の切出し方に疑問を持つ


『 最後に 』

久しぶりに書いた記事はいかがだったでしょうか?既存理論にしろ、ご自分で構築されている理論にしろ疑問を持つ事はとても大切な事です。疑問を持てる人間は向き合うべき問題点を常に照準の内に捉える事が出来る人だと思います。

逆に疑問を持てない方というのは向き合うべき問題点がわからないため今、何をすべきなのかもわからないという場合が多いでしょう。私は
生徒さんに多くの質問を求めます。質問がないとこちらが不安になります。本当に理解出来ているのだろうか?と。

質問をするためには質問を他者に説明する必要があります。その疑問を説明出来ないのだとしたらわからない点や解決すべき点はもっと手前にある
はずであると知る事が出来ます。

もしかつての私のように自分で手法や理論を構築しようと試みる場合には自分自身に対してそういった行為を絶えず行い続ける必要があります。そして真に向けるべき質問が無くなった時、その手法や理論は価値を持つ事でしょう。

既存理論を学ぶという事はそういった向き合うべき問題点を探す事に大きく役立ちます。当たり前に受け入れられているメジャー理論を学びその中にある矛盾や問題点に疑問を持つ事が出来た時、それがおそらく投資への学習の第一歩が踏見だせたと言って良い時ではないでしょうか。それではまた。

高 山

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