渡米40日目 25年ぶりの再会!?
今日から10月。9月中旬から気温も10度台と急に朝夕が肌寒くなり、マンションの中も寒いのでフリースやパーカーが手放せない状況になっていたが、数日前からついに暖房がつくようになり、半袖で生活できるようになった。ブルックラインに引っ越してきて早くも1ヶ月。当初よりはかなり生活の基盤が整ってきた。あとはクルマがあれば、買い物や子ども達の習い事など、一気に生活面でいろんなことが見違えて改善するだろう。
朝から溜まったブログの更新や大学の課題をこなし、昼過ぎに長男に英語を教え、夕方、ようやく家族で外出した。今日はこれから25年ぶりにある場所へと向かう。そこは1998年3月、当時まだ22歳だった僕が、世界一周の旅の最後に立ち寄った場所の一つだ。当時、高校時代の親友がバークリー音楽大学に留学していて、僕は初めてボストンを訪れた。エレキギターが欲しくて、連れて行ってもらった場所が、バークリーの近くにあるギターセンターだった。
長男の練習用に渡米直前の長男の誕生日に、ローランドの電子ドラムを購入したのだが、フットペダルの先端についているビーターが使っているとすぐに緩んでバスドラムが叩けなくなってしまうのだ。購入した秋葉原のイケベ楽器の担当者に相談すると、とても丁寧なメールが帰ってきて、近くの楽器屋に持ち込めばきっと解決できる類の問題なのでと、ボストンであればギターセンターをと勧められたのだ。
調べるとギターセンターは僕たちの最寄り駅のブルックラインヒルズ駅から3駅先にあるフェンウェイ駅からほど近い場所にあることがわかった。歩いているとレッドソックスのホームグラウンド、フェンウェイ球場が見えた。大谷選手のエンジェルズが来たら、ぜひ一度見に行きたいねと以前から話している場所の一つだ。知れば知るほど、自分たちにとって必要なものや興味がある場所が近くに点在していることを感じる。
辿り着いたギターセンターの外観は、やはり25年前とほとんど何も変わっていないように見えた。店内に足を踏み込むと、やはり壁一面にギターがずらりと並んでいる。当時、親友の柴山に案内してもらってここまでやってきて、僕は以前から欲しかったギブソンのレスポールを購入した。そこで出会ったレスポールは、虎目模様があまりにも美しくて、僕は一眼で気に入ってしまった。当時で1800ドルぐらいしただろうか。大学生の僕にとってはかなりの出費で、月賦で返済しながら、帰国後大阪でライブを続けていた。まるでタイムカプセルの中に封印されていたかのような懐かしい記憶が一気に蘇ってくる。
「実は25年ぶりにここに戻ってきたんですよ」
「オーケー、オーケー。何ができるかわからないけれどもやれるだけのことをやってみましょう!」
2階にはドラム売り場で店員に相談すると、壁にかかった販売用のパーツを豪快に開封して、潤滑剤などスプレーしながらフットペダルとビーターを取り付けてくれた。長男が購入したのと同じローランドの電子ドラムが売り場に置いてあったので、それで試しに叩かせてもらったが、全く問題がなさそうだった。しかもしかもお代はいいという。なんて太っ腹で気持ちがいい対応だろう。僕はすっかりアットホームな気分になり、何度も感謝の気持ちを伝えた。
また、ギターセンターでドラムレッスンも受け付けていることがわかり、僕たちは担当のメーガンに相談して、水曜日の体験レッスンを申し込んだ。
「英語もわからないし、こっちの先生には習いたくない」
そう話していた長男だったが、少しやる気が出てきたのか、今回はそうは言わなかった。次男は水泳などの習い事が決まっているものの、長男はまだ何も習い事がなく、こちらの中学校には部活もないので、渡米後、時間とエネルギーを持て余している。それにしても、25年後にこうやってボストンに暮らしていて家族でこの店を再び訪れることになろうとは、当時想像だにしなかった。なんだか感慨深いものを感じ、今日、ここに帰ってきたことが、流れを変えるまた一つのきっかけになるといいなと願いながら店を後にした。
20231001日6D+1018-1201-1207
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