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渡米31日目 そして3週目の金曜日が・・・

昨晩映画祭から帰宅中の地下鉄の中で、さらに把握できていなかった課題があることに気づいた。それは今日の10時から予定されているFoundationクラスの第二週に向けてのアンケートだった。このクラスで何を学びたいか、これまでのバックグラウンドとこの先に向けての要望を書き綴り、さらに自己紹介用の映像を撮り終えてアップロードしたときには夜中の3時を回っていた。

今日は朝8時から小学校で次男のオープンクラスがあるため、少しでも睡眠をとるべく急いで布団に入った。オープンクラスを通じて次男のクラスを実際に見れるのかと思ったら、それは担任のセージ先生がこの1年間、どのようなスタイルでクラスを教えていくかを親を集めて説明してくれる機会だった。各教科ごとにどのような方針で取り組んでいるか、例えば、社会は生徒の疑問に答える形で進めるInquireスタイルを取り入れていることや、3年生の段階ではまだ宿題は出さず、自宅でのリーディングを大切にしていることなどを話してくれた。まだとても若く見える先生だが、もう16年、小学校で教えていて、二児の母になったことで人生観が変わったことなども話してくれた。

40分の説明会が終わり先生に挨拶をすると、「とても頑張っていますよ」と次男のことを評価してくれて、仲のいい友達二人の名前をあげてくれた。その後、10時から始まるFoundationクラスに向けて大学に移動した。

第二週目となるFoundations of Image and Sound Production(映像と音響プ制作)クラスでは、実際にFuji TX3カメラを使いながら基礎的なカメラの使い方、被写界深度、露出、シャッタースピードなどの設定が、どのような効果を映像にもたらし、観客にどのような印象を与えるのかを学んだ。

その後、15時から映画クラスの仲間と集まって、それぞれが撮った映画を見せる会に参加した。所用で前半を見逃してしまったが、20人以上のクラスメイトが集まっていて抑えた教室は明らかにキャパオーバーで立ち見が出るほどの賑わいだった。中国の学生の日本の作品を見た。映像的にもとてもしっかり撮影されていて、中にはアニメーションと映像を組み合わせたクリエイティブな作品もあり、レベルの高さを感じた。

やはり僕たちフィルムメーカーは作品を通じて初めて会話をする。

皆がそれぞれの経験を積んだ上でここに集まってきていることを実感し、仲間を作品をとても頼もしく感じ、身の引き締まる思いがした。お互いを知る機会を増やそうと、毎週金曜日のこの時間に上映会が開かれているため、僕は来週、自分の作品を上映することにした。

また、懸念だったSNNかITINかの問題についても、メールと電話で昨日からコンタクトを続けたところ、フルブライトIIEアドバイザーのディレクから折り返し連絡があった。

「もしSNNをすでに持っているのであればITIN取得する必要はありません。チェックチェックチェック、あなたの場合は特に全然問題ありませんよ」

とのことで、他の書類についても、来週から彼が担当する各国のフルブライト奨学生の提出物を確認するものの、もし提出漏れがあれば連絡ので心配ことはないとのこと。その快活な返事が聞けて、30日の締め切りに向けての提出物が間に合ったことを確認できて、正直とても安心した。

16時半にクラスメイトとのフィルム・スクリーニングを終えて、残って数人と話していたところ、沢山の撮影機材を持っている僕を気遣って、なんと一つ上の学年の大学院生で中国出身のKaiが僕を自宅までクルマで送ってくれることになった。昨日から映画撮影用のカメラを2台も借りて自宅を往復していて、またこれから地下鉄に乗ることに正直大変さを感じていたので、彼の思わぬ申し出はとてもありがたかった。

ついでにKaiが同じくブルックラインにある日本食スーパーにも寄る予定があると言うので、妻にも電話したところ、「買いたいものがたくさんある!!」とのこと。まず自宅によって、妻をピックアップし、妻も一緒に買い物に行かせてもらうことになった。

Kaiは深圳の出身で、ロンドンの名門スクール・オブ・エコノミクスで経済学を学び、その中で人類学とドキュメンタリーに興味を持ち、エマーソンで学び始めたのだという。僕も以前、まだ香港が中国に返還される直前の1997年に、世界一周の旅の過程で香港、深圳、広州を訪れた際の話を共有するととても興味を持ってくれて、話が弾んだ。

自宅から普段は30分もあるいて買い出しに行っているクーリッジ・コーナーまでは、クルマだと10分もかからなかった。スーパーを二軒はしごし、普段買えないワインやビールなども大量に買い込んで家路についた。買い出しに付き合ってくれたKaiにお礼を言うと

「僕は新しい友達ができて嬉しい。友達を助けたいと思っただけだから気にしないで」

と言ってくれた。同じく渡米以来とてもお世話になっているジュリアンさんも香港出身だし、Kaiの家族もやはり香港に縁があると言う。僕たちはKaiに何度も感謝の気持ちを伝えて、彼のクルマのテールランプを見送った。

DAY20230922金3D+623-0728-0742

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