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081 スパイスのように

「毎日カレーを作っていると、舌が慣れてどんどん辛くなっていく。だからこそ、スパイスの量は感覚ではなく毎回計ることが大切なんだ。」

そんな話をあるカレー屋さんがしていた。

その話を聞きながら、「どこか人生のようだな」なんて思った。

毎日、変化のあるような刺激的な生活をしていれば、その刺激にも次第に慣れてしいくし、人が羨むような華やかな環境に身を置けば、それすらも日常になってしまう。

誰かの優しさや愛情に対する感謝ですら慣れてくれば物足りなく感じるし、逆に、好きな気持ちが強すぎるがあまり、相手に対する想いのスパイスも増えていく。

ヤキモチを焼いたり束縛したり、そういった行動もまた、本人が気づかないうちに、ついついスパイスが増えていっているだけなのかもしれない。

最初は辛くて我慢できなかったカレーが、食べれば食べるほどに物足りなくなっていくように、僕自身、ついつい生活に変化が欲しくて過度な刺激を求めすぎるきあいがある。

もしかしたら、これを中毒と呼ぶのかもしれないし、依存症と呼ぶのかもしれない。

あれもやりたい、これもやりたい。

次々と見つかる刺激的な「何か」の繰り返しの中に、僕の満足はどこにあるのだろうか。

そんな考えを巡らせていたら、ふと思い出した気持ちがある。

「忙しくしたいんじゃなくて、楽しく暮らしたいんだ」って。

「楽しく暮らす」これが僕が最初に決めた人生の味なら、決めた分量を守らないと、ただただ辛いだけの人生になってしまう気がする。

刺激に騙されず、ちゃんと計らなきゃね、楽しさの分量を。


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-もの-

BRUTUSのパペット

我が家にぬいぐるみが増えるきっかけになった「ぬいぐるみドリーム」というイベントで見つけたBRUTUSのぬいぐるみ。

BRUTUSってポパイの恋敵なんだけど、国によってブルートだったりブルータスだったり名前が違うそう。僕は憧れの雑誌のイメージもあるからブルータスが聴き馴染みいいんだけど、このパペットはBRUTUS表記なところに一目惚れ。

仕事部屋においてるんだけど、どこか僕を監視してるようなこの表情を見ながら、BRUTUSに怒られないよう、今日も初心にかえるんだい。


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