見出し画像

ストーリー・オブ・マイ・ライフ

女優としての才能があるけど、お金は無くとも愛する人と一緒になりたい長女のメグ、
男勝りで、物書きとしての道を邁進したい次女のジョー、
すごく優しくて芯があって、ピアノの才能があるけど病弱で、家族のために音楽がやれたら幸せだという三女のベス、
絵の才能があるけど、社交界に憧れがあって、お金のない家族を助けてあげたいとも思ってる四女のエイミー。

それぞれを丁寧に演じて丁寧に演出するからみんな大好きになって、彼女たちに悲しい思いをしてほしくなくて、幸せになってほしくて、悲しいシーンでもハッピーなシーンでも泣いた。
なんなら後半ずっと泣いてた。

ティモシーシャラメ演じる近所に住むお金持ちのローリーが素晴らしく、姉妹と関わる中でそれぞれの個性や魅力を少しずつ浮き彫りにしていく。
お金持ちでイケメンで道楽息子で愛とユーモアがあって頭が良くて、みんなに優しい、でもそのどれかが過剰になったらバランスを崩してしまう、彼の役所が一番難しいと思ったけど、神にキャスティングされたかのようなハマりっぷりでした。
登場シーンの後ろ姿からもうカリスマ性が溢れ出てた。

ジョー(次女)が帰郷した後のベス(三女)との海辺でのシーンがとても良くて心に残ってる。その時に読まれた詩をここに記したいけど映画館で一回見ただけなので記憶しきれず。胸が締め付けられた。
思い出はいつでも暖かくて、守られてて(お父さんお母さんの功績も存分にある)、自分だってずっとそのままでいられたらなっていっつも思うけどそんなの無理で、姉妹たちが少しずつ幸せを見つけていく中でじゃあジョーに何が残されてるんだろうって悲しくなった時に小説を書き上げていくシーンでまた号泣。製本のシーン(物語を紡ぐことに対する慈しみが溢れてて、とても丁寧で美しいシーンだった。)でさえ泣く始末。

ラストのシークエンスの解釈はどっちでもいいと思う。いくつか評論を読んだり、原作者のことを調べたりするとこっちなんだろうなってのはあるけど、どの未来を選んだって祝福され得る世の中であってほしいし、それができるのが映画なのだ。

2020.6.24

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?