フェルナンデス破産

ギターの有名ブランドである株式会社フェルナンデスが破産申請しました。記事はこちらから

いろいろと思うこともあるので書いてみたいと思います。

まず、一般的には「倒産」というわけですが、倒産というのは俗な言い方で、法的には破産法に基づく破産とか、民事再生とか、私的な整理、はたまた特別清算とかいろいろあります。

倒産すると、その先は大きく2つにわかれます。再生を目指すものと、清算して完全に消滅するもの。

再生を目指すものの代表格は民事再生です。大昔は「和議」というものがありましたが、今はないですね。

一方清算して完全に消滅する代表格が破産です。特別清算もその仲間です。

今回、フェルナンデスは「破産」申請とのことなので、完全になくなります。ただ、「フェルナンデス」という商標権には価値があると思うので、これは清算手続き中に買い手が現れるかもしれないです。欲しい人はいるはず。

このフェルナンデスが倒産したことについて、理由は詳しくは知りません。ただ、端から見ると、多分これだろうと思うことがあります。

直接の原因ではないと思いますが、フェルナンデスが自社でギターを作っていなかったというが大きな要因ではないかと思います。フェルナンデスという商標は持っていたが、製造は外部に任せていた。

もし、フェルナンデスが自社工場を持っていたら、違った展開になったのではないかと思うんですね、なんとなく。

自分で工場を持っていないファブレスといわれる形態の会社がありますが、身軽な反面、技術が自社に蓄積しない、製造が安定しないというデメリットもあります。製造会社に振り回される可能性もある。利益も下請に持っていかれるので、価格競争はしにくい。

フェルナンデスは、自社工場がない、ということが裏目に出たんじゃないかと思いますね。自社工場があってある程度の技術力があれば、フルオーダーのメーカーとして生き残るとか出来たんではないかと。なんとなく(個人的には)残念な気持ちがあります。

歴史を遡ると、フェルナンデスは、元々はフェンダーとかギブソン(米国)なんかのコピー商品を作っていたそうなんですが、これって、星野楽器(名古屋)と同じようなスタートであるとも言えます。

星野楽器は、ギターはアイバニーズ、ドラムはタマ、という有名ブランドを抱えているメーカーですが、商標は知られていても会社はあまり知られていないです。でも明治創業の歴史ある企業であることは間違いない。

この星野楽器も昔、コピー商品を作っていたことがあり、ギブソンから文句言われたこともあるそうです。その後コピーは止めてます。今は当然オリジナルで作ってますね。

どうでもいい話ですが、「タマ(TAMA)」は創業者である星野さんの奥さんの名前「多満」から来てます。猫の名前じゃないです(笑)。

星野楽器は優良企業だろうと推測します(詳しくは知りませんが)。フェルナンデスとは対照的な感じです。

同じようなことをやっていた二つの企業が全く異なる軌跡を描いているわけです。まさに経営のやり方の違いです。どうしてこんなに違ってしまったのか、考えてみるのも経営の勉強。

(おまけ)
ギターメーカーは有名アーティストのモデルを販売するのが普通で、フェルナンデスといえば、Hideさんのモデルがありました。はたまた”はなわ”さんのベースもフェルナンデスだったような。。違ってたらすいません。アイバニーズはキッス(KISS)の人のモデルを売っていたはず。このあたりあまり詳しくないです。


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