さまざまな「卒業」
こんばんは。尊田です。
学校でのスクールカウンセリングの場合、
その性質上、
1人のお子さん(児童・生徒さん)と会えるのは多くて数回、
いわば「一期一会」のような状況が多いです。
誰と、何回、お会いするかは、
基本的には担当の先生が決めます。
(もちろん、ご本人の意思と、カウンセラーの意見は聞いていただいていますが)
「先生として気になる子」はたくさんいるわけで、
「気になる子を放っておかない」ためにも、
とにかく、次から次に会って欲しい
1人でも多くの子と会って欲しい、
ということで、多くて数回、というスタイルになりやすいわけです。
スクールカウンセリングでは、病院のように、なにか病気の方をじっくり治療する、というわけではないので、数回だから意味がない、ということはありません。
ただ、やっぱり、この子はじっくり話したいだろうなあ。1回や2回では、言いたいことの半分も言えなくて、消化不良だろうなあ、という子もいます。
先生のお気持ちもよくわかります。
お子さんの気持ちも、ある程度わかるつもりです。
なので、
1回、2回あっただけでは、この子の手助けにはならないかも…という状況の子でも、
担当の先生が、
「どうしても早く会っていただきたい子がいるんです」と言われれば、
(で、また実際に緊急を要する子なわけです…)
「申し訳ないなあ」
「なんとか、違う仕組みができないかあ」
と悩みながらも、
「またしんどくなったら、担当の先生に“カウンセラーと話したい”と言って大丈夫だからね」と伝えて、
次の方にお会いする、ということもあります。
(もちろん、1回会って、それですごく元気になっていく方もたくさんおられます)
そんななかで、
珍しく(?)かなり長い期間、定期的にカウンセリングをさせていただいた生徒さんがおられます。
その生徒さんが卒業式の歌の伴奏をすることになりました。
コロナの影響もあり、常勤職員ではない自分が式に参列して演奏を聴くことはできません。
仕方のないことですが、ちょっぴり残念な気持ちでいたところ、
先生方が、自分の出勤日に合わせて「練習」をしてくださいました。
その生徒さんがピアノを弾き、先生が歌う。
それを自分が座って聴く。
初めてあったときとは、別人のように堂々とピアノを弾くその生徒さんをみて、
まるで「もう、あなたから卒業しますよ。私は、新しい一歩をちゃんと踏み出しますよ」
と、そう言われているような気がして、
心の中で
「よかったね」
「がんばったね」
「おめでとう」
「いままでありがとう」
なんて思いが次々に湧いてきました。
演奏が終わるころ、
「あ、やばい、なきそう…」と
涙が出そうになったのですが、
先に、先生が泣いてくれました。
ステキな先生です😊
さまざまな卒業があります。
楽しいもの、感動的なものばかりではないかもしれません。
でも、すべての卒業が、
なんらかの新しい一歩につながります。
自分はただ、心で応援して、「航海」の無事を祈るしかできませんが、でも、その数少ないできることを1つ1つやっていこうと思います。
ありがとうございます。
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