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親知らず、いつ抜く?②リスクと対策

親知らずシリーズ第二段です。
第一弾では抜いた方がいい親知らずのお話と実際の親知らず抜歯の方法を説明いたしました。
今回のお話は合併症や偶発症、リスクや起こり得るイヤなことについてお話します。

①出血が術後あることがあります
②痛みや腫れが出ることがあります
③知覚麻痺が出ることがあります

などです!これらの事は先生の経験や抜歯前の検査によってリスクを下げることができます!
しかし、ゼロにすることはできません。
患者さんにはしっかりとした説明を行い、理解していただくことが必須です。
また万が一、偶発症が発生した場合の解決法も併せてお伝えしておくことも大事です。
それでは一つずつ説明していきます。

①出血が術後あることがあります

外科処置である以上、多少の術後出血は伴います。
細かいところは割愛しますが血が固まるまでに過程が2段階ありまして特に抜歯後の24時間の1段階目は迅速だけど、脆いのが特徴で再出血が起こりやすいのはこのタイミングです。

注意事項としては
1.血の巡りが良くなることを避ける
 (飲酒、激しい運動、長風呂など)
2.過度のうがいを避ける
 これは血餅といってカサブタになりかけの血の塊が
 剥がれることを避けるためです

当院では必要に応じて、止血・治癒促進効果のあるコラーゲンスポンジを抜歯窩に挿入しています。
また、再出血時には圧迫止血をするよう指導と清潔なガーゼをお持ち帰りいただいています。
また全身既往歴や服用しているお薬の効果で血が止まりにくい患者さんもいらっしゃるので十分な聞き取り問診を行って把握し対応する事も必要です。

続いて
②痛みや腫れが出ることがあります。

お痛みに関しては、分服で除痛効果の消炎鎮痛薬とダメージに応じて頓服の効果の強い鎮痛薬を組み合わせて処方して対応しています。十分なコントロールが得られています。

腫れに関しては、治癒の過程で血液が集まって起こる現象なので悪いことが起こっているわけではありません。お仕事などどうしても腫れているのが不都合ある患者さんには腫れどめのお薬を処方しております。

③知覚異常が起こることがあります

(青)親知らずの根の先と(赤)顎の骨の中の神経血管が近接していて抜歯時に傷つけてしまい、
顎の先から下唇にかけて麻酔をしたようなしびれが出ることがあります。
可能性としては、報告によって差がありますが0.2〜数パーセントくらいとかなり低いです。
しかし神経の細胞は皮膚や粘膜と違って治るのがゆっくりな組織で一度発言すると数ヶ月から数年と比較的長い期間症状が続きます。

対応としては治癒促進効果のあるビタミン製剤の処方、症状によっては連携している専門医療施設で
・神経ブロック注射 ・レーザー治療
を依頼することもあります。

リスクを評価するために

当院では神経近接が疑われるときはCT写真(3次元レントゲン)を撮影して精密検査しています。上の角度のカットだと神経近接しているように見えますが下のカットだと2mm以上距離があり比較的リスクは低いと診断できます。


いろいろと不安になることや怖い話もありましたが、処置内容をわかってもらえると安心される患者さんも多くいらっしゃいます。
そして事前の問診や検査によってリスクを軽減し、
なにか起こればすぐ対応できる体制を整えてつとめております。
さらに当院では口腔外科勤務経験(日本口腔外科学会認定医)のDrが複数在籍しており難しい抜歯にも対応しております。

今回は親知らず抜歯のリスクと対策についてお話させていただきました。

次回はシリーズ最終回、失ってしまった歯に使われていない自分の親知らずを移植し機能を回復させる
「自家歯牙移植」のお話をさせていただきます。

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