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「畳縁総合カタログ OHMIYABERI COLLCTION」の見どころについて

国内シェアNo.1の畳縁メーカーがお届けする決定版

約7年振りに畳縁(たたみべり)の総合カタログがリニューアルされました。その間に登場した商品、廃盤になった商品が整理されており、まさに現代の畳縁カタログの決定版と言えます。この1冊があれば、畳縁にまつわるあらゆるご要望にお応えできるはずです。
そんな、新しくなった総合カタログの見どころをご紹介していきます。

見どころ その①:紫外線対策商品が分かりやすくなった

畳縁の素材は、綿、麻、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレンが主原料になります。その中でも「ポリプロピレン糸」は畳縁を製織する上で耐久性があり、発色も豊かで欠かすことのできない素材です。しかし弱点もあり、それが紫外線による経年劣化です。
高田織物では、このポリプロピレン糸に紫外線による劣化を遅らせるためのUV吸着剤も練りこんだ糸を採用し、2019年頃から段階的に取り入れてきました。日射が強くなり紫外線量も増えてきたことからその必要性は一層強くなっています。かたや、ポリエチレンは一般的には紫外線には強いとされていますが、それでも一部の糸には、ポリプロピレン糸と同様にUV吸着剤を添加しています。特設サイトもありますので是非一度ご覧ください。

見どころ その②:枚数(畳数)販売可能商品が分かるようになった

このマークが目印

畳縁は「1反=約10畳分」が1つの出荷単位となっています。ただ、近年の資材の高騰により、畳縁の製造原価、販売価格ともに上昇傾向にあります。とりわけ、上物の商材程、上り幅が大きいことから、お客様の費用負担を軽減しながらも、特徴のある商品が一層ご提案しやすくなるように、「必要数量販売可能」な商品を明示することとしました。(別途カット手数料が発生しますが、それでもかなりお得にお求めいただけます)
※ちなみに、1反当たりの長さはメーカーによってまちまちですが、高田織物では、「1反=42m」でご案内しております。

見どころ その③:家紋縁 の紋の直径が分かりやすくなった

幅80mmの織物に占める紋の直径は分かると便利

このバージョンアップは、一部の方にしか必要のない記述かと思いますが、それでも必要な方には親切になったポイントではないでしょうか。畳縁の織幅は、約80mm(高田織物の基準値)です。畳縁は職人さんが逢着しますので、仕上がりや縫いシロを確認するためには大切な情報になりますので、是非ご参考になさってください。

見どころ その④:フクザワさんによるイラスト&畳縁のデザイン

畳縁「八千代:青海波」 ※転用禁止

2021年頃に、SNSで彼女のイラストを見かけて以降、すっかりその色遣いと世界観に魅了されてしまいました。写真とはまた違い、イラストレーションでなければ伝えられないものがあるように感じています。全てのイラストにテーマをご依頼することなく自由に描いていただきましたが、自分なりの解釈で色んなメッセージを感じ得ることができます。例えば、このイラスト一つとっても、彼女との距離感はよそよそしくもあり、警戒感もある。お茶は誰が入れたのか。2つあるけど、1つは飲み干されていて、もう一つは満たされたまま。どこかエモさも感じるこの描写に選ばれた畳縁の模様は「青海波」。柄の意味も調べていただくと、きっと面白いと思います。カタログに掲載されているイラスト以外にもいくつか書き下ろしていただきましたので、またどこかでご紹介します。

猫への愛情があふれる彼女がデザインした畳縁 ※転用禁止

オリジナルの畳縁のご依頼は近年増加傾向にあります。それぞれに、デザインへの思いが込められています。畳に使用することも勿論ですが、ハンドメイド用の素材としても使われるようになり用途もまちまちです。そんな中、彼女がデザインされた畳縁(現物)がこちらです。猫好きの方にはまた新たな選択肢が増えるのではないでしょうか。

畳縁「猫抱っこ」

フクザワ
兵庫県出身。絵で音楽に携わる。
CDジャケット、バンド・アーティスト・イベントグッズなど、自身が好きな音楽関連のデザインが中心なイラストレーター。自身もライブステージに立ち、音楽アーティスとの隣で、与えられた時間内に1枚の絵を仕上げるパフォーマンス(ライブイベント)をする。
現実的な日常の一コマな人物を少し非現実的な色合いで描く。

見どころ その⑤:高田織物の日常を撮らえた写真

朝の出社時の風景

畳縁を製造している工場を構えるのは岡山県倉敷市児島。古くから繊維産業で栄えており、縫製業、染色業に並んで織物業も盛んなまちです。有名なアパレル製品と言えばデニムや学生服ですが、実は畳縁も全国の80%以上を生産している産地です。目の前には瀬戸内海の多島美が広がり、山手側には王子が岳がある。そんな穏やかな町で畳縁は作られており、それに加えて、作り手の思いや眼差しを少しでもお届けできればと思い、随所に日常の風景を盛り込んでいます。撮影してくれたのは、地元児島で活躍されているグラフィックデザイナーの岡野康史さん。織機の動く音を想像されながら、高田織物をご堪能下さい。

むすびに

高田織物は明治25年の創業から今日に至るまで、日本の畳と畳空間に彩りを届けてまいりました。歴史や伝統を守ることは尊いことです。しかし、畳や畳縁も「守るための伝統」ではなく可愛いからほしい、機能的だから使いたいという、より多くの方に「親しまれる伝統」として昇華していくことがこれからの姿だと考えています。

伝統文化から、ポップカルチャーへ。
多様な在り方を追い求めながら、畳へのイメージを張り替えてまいります。

畳縁総合カタログ(電子版はこちら)

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