深圳にない日本の製造業の面白さ
僕がベースにしている中国の深圳は、様々な製造業が集積したエコステムの巨大さが武器です。流行った製品はすぐフォロワーが登場し、フォローしやすさを加速する公板・公模がでてきて、価格も安くなります。
中国のハードウェア・スタートアップは最初から工場の2代目が始めることや、急速に成長して自社工場も持つことでこれに対応していますが、海外で自前で工場を持っていないスタートアップには難しい環境です。
一方で日本には違った形のハードウェアビジネスがあります。
3万円で1000個じゃなくて1000万円で3個、少量で高品質
欧米からHAXに参加するようなスタートアップもこっちのスタイルになりっつあります。大量生産でない、一品モノに近いようなハードウェアはスタートアップに向いています。大量生産とスタートアップは相性の悪いビジネスですが、研究室で創られたようなプロトタイプでも、ビジネスとしての課題がクリティカルなら商売になります。
産業用ロボット、医療、検査、建築など、参入障壁が高くてB2Bが中心の、「少量生産で高品質」が求められる場所は、日本や欧米のスタートアップにとって魅力的な場所で、かつ深圳のスタートアップがあまりライバルとして出てこない場所です。
もちろん、ずっと下請けが中心だった製造業だと、小ロット大ロットにかかわらず製品は造れず、フルスタックで製品を作るまでには経営努力が必要になります。
たとえば浜野製作所は様々なスタートアップの製品化を助けています。
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