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ENIS, Trout…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-33

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


ENIS

デンマーク出身で、現在はロンドンとベルリンを行き来して活動するアーティスト、ENISがデビューEP『E01 demo collection』をリリース。彼自身で作詞作曲、エンジニアからクリエイティブディレクターまで手がけてしまうマルチクリエイター。
デビュー作でもある今作は、彼自身の今までの傷ついてきた経験や愛するものを遠ざけてしまった苦難、そんな中から希望を再発見し、この世界がもたらす美しさを表現しているそう。そんな世界観がサウンドでも描かれていて、R&Bやソウル、アンビエント、エレクトロニカなどを取り入れた、幽玄で幻想的な音楽性を奏でています。彼の優美でメランコリックな歌声も相まって儚げで脆さも感じる仕上がりになっています。James BlakeやJoji、Omar Apolloに通じるような美しく豊かな音楽世界を持ったアーティストかと思います。


Trout

UKのリヴァプールを拠点に活動するCescaによるプロジェクト、TroutがデビューEP『Colourpicker』をAlfie TemplemanやPixeyなどを輩出するレーベル〈Chess Club Records〉からリリース。音楽的根源は両親から影響が強いそうで、The EaglesやKatie Melua、Yeah Yeah Yeahsなどを聴いて育ったそう。
ダウナーで渋さ溢れる歌声が特徴的で、そこにグランジやローファイ、ガレージ、インディーロックなどを織り交ぜた、ギターサウンドが合わさるという最高な音楽性を作り上げています。程よくヘロヘロな感じの歪んだギターで、現行のオルタナ・ポップからの影響も感じられる作品に。


Taxi for Kaye

グラスゴー出身で、現在はロンドン拠点に活動するSSW、Christos Stylianidesによるプロジェクト、Taxi for KayeがデビューEP『slow days』をリリース。
あまりネット上に情報がないアーティストですが、作品に収録されている全曲が上質な仕上がりで、深くリバーブのかかった神秘的なサウンドスケープでまさにタイトル通りの世界に導いてくれるチルなEPに。インダストリアルやノイズ、アンビエント、R&B、フォークなどをジャンルを超えたアブストラクな音楽性で、SolangeやTirzah的なアプローチからBon Iverの荘厳さも感じられるアプローチをしてしまう、彼の類い稀な才能に惚れ惚れしてしまいます。


Grace Inspase

LAとロンドンを行き来をするベッドルーム・ポップ・アーティスト、Grace InspaseがデビューEP『Sunshine Kid』をリリース。客演にHope Talaが参加しています。プロデューサーにはClairoやClaudが以前始めたバンドShellyのバンドメンバーでもJDM GlobalやSuperorganismの作曲担当でもあるHarry Superorganismなど、その他数々のプロデューサーを迎えています。
インディー・ポップやオルト・ポップ、エレクトロポップなどをミックスさせた煌びやかで陽気な音楽性に、彼女の甘美で妖艶な歌声が重なり合う作品に仕上がっています。1曲1曲異なる色を見せてくるのも彼女の魅力で、マッドチェスターっぽいサウンドアレンジなどもあって多幸感あふれるムードも心地良いです。


Marem Ladson

スペインで生まれ育ち、現在はNYを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Marem Ladsonが新作EP『Baby Light』をリリース。自身の名前を冠したデビューアルバムは各メディアでも絶賛され注目を集める中、現在はNick Hakimのツアーのサポートアクトとしても世界を回っているアーティストです。
フォークを基調として、R&Bやソウル、スペインの伝統的なサウンドを混ぜ合わせた、スムースでカレイドスコープで映し出したような煌びやかさを内包した作品に。甘く透き通るような美声とアコースティック・ギターの温もりのハーモニーも最高です。

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