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Slowspin, Kyra…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-20

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Slowspin

今年入ってから指折り数えるほどの最高のアルバムに出会いました。パキスタン出身で現在はアメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライターZeerak Ahmedによるプロジェクト、Slowspinが新作アルバム『TALISMAN』をリリース。実際の音楽活動は2013年からで、そこからSoundCloudBandcampでの作品の発表を重ねていたそう。今作は5年以上の歳月をかけて綿密に制作が行われたそう。
彼女は15歳の頃からパキスタンやインドなどのアジアの伝統的な音楽について学び始め、ボーカルや作曲法など会得していったそう。その東洋音楽的なサウンドに、フォークやドリーム・ポップ、アンビエント、エレクトロニカなどを編み込んでいき、幽玄で幻想的な音楽性に昇華させています。彼女の民謡的な歌い方は伸びやかでシルキーな美声で、それもあってかいつの間にかSlowspinとして作り上げる世界観に引き寄せられているよう。夢見心地なアンビエントやストリングスのアレンジ、アジアの伝統的な楽器の数々、それを現代的なサウンドの手法に違和感なくのせ、耽美な音楽に仕上げています。途轍もない奥深く、何周も何周もしてしまう2023年のベストアルバムです。Arooj AftabやSandrayati、Raveenaなどに通ずるような神秘的かつ底知れぬ作曲センスを持ったアーティストかと。


Kyra

ウェストロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Kyraが新作EP『as things grow』をリリース。彼女はこれまでにBBC Radio 1でのピックアップや数多くの音楽メディアから取り上げられるなど、これから期待のアーティストとして注目を集めています。またソングライターとしても多くのアーティストとコラボしており、Samm HenshawやJorja SmithのKojey Radicalコラボレーターとしても知られるMaverick Sabreなどと共演しているという実力者です。
まず耳に惹かれるのが彼女の壮大で優雅な美声。ソウルフルなだけでなく、繊細で機微を効かせた歌声の変化など、楽曲によって見せる声色は多彩です。さらにはファルセット・ヴォイスはもう生で聴いたら昇天してしまうのではないかというくらい美しいもの。音楽性はゴスペルやソウル、R&B、ネオ・ソウルなどを基調とした、オーガニックで気品あふれるサウンドで、ストリングスの鮮やかなアレンジも素晴らしいです。


Khamari

ボストンで生まれ育ち、現在はLAを拠点に活動するアーティスト、Khamariがデビューアルバム『A Brief Nirvana』をリリース。Stevie WonderやSly Stone、Kid CudiからMac Millerまで、クラシカルなソウルやファンク、そして現代的なポップスやヒップホップから影響を受けたという彼の奏でる音楽は、深みのある優美なR&Bサウンド。
軽快でグルーヴィーなフロウから、ソウルフルできめ細やかな美声までレンジのある歌声を武器に、流麗なトラックからメロウなサウンドまでこなす懐の広さには驚かされます。Frank Ocean以降のR&Bをしっかりと昇華しつつ、Daniel Caeserといったアーティストにも負けない、オリジナリティーをKhamariは持っていると個人的には思います。洗練された歌声とサウンド、今後さらに注目されること間違いないアーティストかと。


Boko Yout

スウェーデンのストックホルムを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティストPaul Adamahによるソロプロジェクト、Boko YoutがデビューEP『AS SEEN ON TV』をリリース。
もともと別のプロジェクトで音楽を発表していて、その時はヒップホップをメインに出していたよう。そこから今作ではヒップホップの才能を活かしつつ、インディー・ロックやソウル、ジャズ、エレクトロニックなどをミックスさせた、ジャンルレスなサウンドにまとめ上げています。彼のフロウは気怠げだけどエネルギッシュな感じでとても独特なテイスト。主にグランジやパンキッシュなビートや音像を使っていて、BakarやJean Dawsonを彷彿とさせるアーティストです。


bb sway

香港に生まれ育ち現在はロンドンを拠点に活動するアーティスト、bb swayが新作EP『How Will Get There?』をリリース。これまでにLava La RueやMatt Malteseなどと共演してきたようなアーティストです。
インディー・ポップやサイケ・ポップ、ローファイなどを織り交ぜた、ベッドルーム・ポップで、ゆるくメロディアスなサウンドが魅力です。甘美でとろけるような歌声もアクセントになって、夢見心地なEPに仕上がっています。



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