見出し画像

Yesol, Phoebe Go...今週のおすすめ 5 Best Songs:2022-44

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

ポッドキャストもぜひのぞいてみてください〜

Spotifyのプレイリストも更新してます〜

Yesol

韓国をルーツに持つアメリカ・コロラドのデンバー出身のイラストレーター/マルチアーティスト、ハープ奏者のCory Federによる音楽プロジェクト、Yesolが、デビューアルバム『Plum, Parted』をリリース。ちなみにboylifeのアルバム『gelato』のジャケットのデザインを手がけたのが彼女です。アルバム全曲彼女自身で制作したらしく、車やバスルーム、公園、両親のガレージなどで録音されたと自身のInstagramで書いています。
上記のようにさまざまなところで録音されたので、ナチュラルにローファイな音質になっていて、それがかえって聴いていてとても心地よく、普段の日常生活に寄り添い、穏やかで心落ち着くひと時を与えてくれるような、オーガニックで流麗な響きが印象的な作品に仕上がっています。アンビエントやエレクトロニカ、アジアンテイストの民族的なサウンドに、ハープの優しい音色や、フルート、鈴の音、ピアノなどさまざまな楽器の音色を織り交ぜた、神秘的なニューエイジ作品へとまとめ上げていますね。また彼女のミステリアスで幽玄な歌声がとても耽美的で、それによってまるで魔法にかけられ白昼夢を見せられているような、そんな美しい作品でした。


Phoebe Go

これまでにドリーム・ポップバンドのSnakadaktalのボーカルや、エレクトロニック・デュオ、Two Peopleで活躍してきた、オーストラリア・メルボルン拠点のPhoebe Louによるソロプロジェクト、Phoebe GoがデビューEPとなる『Player』をリリース。今作ではプロデューサーに盟友でもあるKlloのSimon Lamを迎えています。
さまざまな音楽活動を経ての今作は、シンプルに親しみやすいメロディーに、彼女の記名性のあるハスキーで少し気怠げな美声が絡み合った音楽で、かなりクオリティーの高い作品に仕上がっています。音楽性としてはインディ・ポップやインディー・フォーク、オルト・ポップなどを絡めた、ブリージーで牧歌的なサウンドではありつつも、彼女のその歌声が合さることで、どこか憂いを帯びた叙情的なものに。The Japanese HouseやSkullcrusherあたりが好きな人には刺さるかと思います。


pinkpirate

UKのウェスト・サセックス拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、Caitlin Brownによるソロプロジェクト、pinkpirateが新作EP『i don't want to grow up boring』をリリース。今作では最近のNilüfer Yanyaなどを手がけたBullionがプロデュースで参加しています。
Bon IverやJames Blake、The Japanese Houseなどからインスピレーションを受けたというCaitlinの奏でる音楽は、きめ細やかで煌びやかなポップサウンドで、独特な浮遊感を感じる仕上がりとなっています。柔らかく透き通るような歌声もとても聴き心地が良く、Christine and the Queensを想起させる才気も感じます。pinkpirateの音楽で面白い部分は、ベッドルーム・ポップ的なローファイさを感じつつも、全体的にポップシーンに食い込むような壮大さも兼ね備えているところかと思います。今後も要注目なアーティストですね。


Frankie Morrow

スコットランド拠点に活動する2022年に結成したばかりの5人組のバンド、Frankie MorrowがデビューEP『Blue Parrot Backpackers Hostel』をリリース。
まずこのバンドを初めて聴いたときに惹かれたのが、ボーカルのソウルフルで温かく包み込む伸びやかな歌声でした。そんな晴れやかで優雅な美声と、フォークやアメリカーナを感じるノスタルジアなバンドサウンドのハーモニーがもう最高。収録曲によって雰囲気も異なり、シンガー・ソングライター的なアコースティック・ギターをベースにしたものや、ブラスアレンジ、大胆なリズム変化など、そのバラエティーに富んだ感じも彼らの魅力かと。快晴の青空のしたで、颯爽と広がる草原で寝転びながらゆったりと聴きたいような音楽です。


Tommy Richman

バージニア州出身のアーティスト、Tommy Richmanが新作EP『ALLIGATOR』をリリース。全曲ほとんどがセルフプロデュースという今作は、Jean DawsonやJunior Varsity好きにはたまらないニュー・パンクな作品に。
80年代のニューウェーヴ的なレトロなシンセやディスコ的なパターンビート。オールドスクールなブーンバップビートやトラップなどを取り入れた現代的なヒップホップの要素も絡めたトラック。そこにインディー・ロックやパンク、エモなども交えた、独創的な音楽が鳴り響いています。Tommyの歌声もポップで親しみやすいものから、パンキッシュで疾走感のあるフロウなどボーカルスタイルも豊かで、その幅広さも彼の音楽が面白いところなのでしょう。とりあえずめちゃくちゃかっこいいです。

ここから先は

0字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?