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Shovel Dance Collective, piglet...今週のおすすめ 5 Best Songs:2022-49

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜

Shovel Dance Collective

carolineやdeathcrush、For Breakfastなどなど今年は実験的かつ先鋭なバンドが続々とUKから現れました。そしてまたしてロンドンからやばいバンドが現れました。9人組バンド、Shovel Dance Collectiveが1stアルバム『The Water is the Shovel of the Shore』をリリース。おそらくUKでいま一番実験的かつ政治的、そしてスリリングな音楽を奏でているのは彼らぐらいかと。まるで音楽の歴史的を旅をするかのような作品で、現代と歴史をテーマにさまざまな音楽を用いて、今作では4章に分けて表現されています。
ヨーロッパの伝統的な音楽から聖歌、ケルト音楽、トラディショナル・フォーク、ポスト・クラシカル、ドローン、アンビエントなど、それぞれの音楽が交錯し、今までにない革新的なアルバムに仕上げています。しかし実験的な音楽といえど、スッと頭の中に入ってくる、この限界のギリギリを攻めたサウンド作りにまず脱帽しました。
とりあえず1曲目から聴いて、この素晴らしい世界を体感してほしいです。伝統的なものと進歩的なもの混じり合い、その先に何か見えてくるのかもしれません。Shovel Dance Collectiveが気になった方はLoud and Quietのインタビューを覗いてみてください。彼らの知的な部分に深く触れてくれています。


piglet

アイルランドのベルファスト出身で現在はサウスロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライターCharlie Loaneによるソロプロジェクト、pigletが新作EP『seven songs』をNilüfer YanyaやPuma Blueを輩出したレーベル〈Blue Flowers Music〉からリリース。今年の初めにはPorridge Radioのツアーに同行するなど既に注目を集め始めているアーティストです。
メランコリックなムードであったり、アンセミックで心が燃え上がるものなど、楽曲によって浮き沈みの激しく、とても内省的な音楽を奏でています。このサウンド自体、彼の友人やその彼らを取り巻く薬物問題や精神状態のさまざまな問題に悩み、不安である状態を音楽で表現しているらしいです。
彼のその独特な感性は唯一無二で、フォークやポスト・パンク、グランジ、インディー・ポップ、ジャズなど、それぞれを楽曲によって組み合わせを変え、その想いを音楽にぶつけています。牧歌的な素朴さがありつつも壮大、優美でありながら苛酷。その対比構造の橋渡しをするような、すざましい表現をするアーティストです。まだまだ底知れない才能を秘めているように感じますので、これからの活躍もとても楽しみです。


Teenage Priest

ロサンジェルスを拠点に活動するアーティストTaylor Van Ginkelによるソロプロジェクト、Teenage Priestが新作アルバム『Let It Pass』をリリース。彼は両親の影響でJames TaylorやJackson Browne、Elvis Presleyなどを聴いて育ち、自身のルーツとしてはThe Blue NileやThe Style Councilがあるとのこと。
その影響もあるのか典型的なベッドルーム・ポップですが、レトロな質感も感じつつ、80年代のニューウェーヴの匂いもほのかに香る音像に。Toro Y Moiのカラフルなチルウェイヴから、Mac DeMarcoのレイジーなインディーまでを織り交ぜ、そこに儚げなロマンシズムを加えたような作品に仕上げています。


Katie Gregson-MacLeod

スコットランド出身のシンガーシングライター、Katie Gregson-MacLeodが新作EP『songs written for piano』をリリース。彼女はTikTokを中心にバイラルヒットを出したことで、世界中から注目を集めている新人のソングライターです。ちなみに収録曲のM4「white lies」はMatt Malteseが共同で作曲とプロデュースを担当しています。
彼女自身がもともと生演奏的なアコースティックのような作品を制作したくて今回のEPを発表したそう。優雅なアンティークピアノのシンプルな響きのみにすることで、彼女のシルキーでソウルフルな歌声の素晴らしさが前面に出た、素晴らしい作品に仕上がっています。


Pura Bliss

グラストンベリー出身でイーストロンドンを拠点に活動するシンガー・ソングライター、Pura BlissがデビューEP『Doris』をリリース。
Remi WolfやBENEE、Dora Jar、Dominic Fikeなどから影響を受けたと語る彼女は、カラフルで鮮やかなベッドルーム・ポップ・サウンドで中毒性たっぷりの音楽に仕上げています。陶酔的でサイケデリックな世界観に、彼女のクールで甘美なフロウが重なり合う、シュワシュワした独特なポップスを奏でています。インディーやサイケポップ、R&B、オールドスクールなヒップホップなど組み合わせた、まさにジャケットのデザインを体現したオルト・ポップ作品ですね。

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