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Monét Ngo, Heydays...今週のおすすめ 5 best Songs:2022-40

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

ポッドキャストも始めているのでぜひのぞいてみてください〜

Spotifyのプレイリストも更新しています〜

Monét Ngo

ベトナムにルーツを持つカルフォルニア出身で学校の先生という経歴を持つアーティスト、Monét NgoがデビューEP『After School Club』をリリース。TikTokでもかなりの人気を博している彼は、昼間は幼稚園の先生として働き、空いた時間で音楽を制作しているらしい。
そして今作を聴いて端々からJean DawsonやBROCKHAMPTON的なジャンルにとらわれない音楽性を奏でていて、いろいろ彼のことを調べていると、やはり今作を制作するにあたって彼らのサウンドに非常に影響を受けたそう。
とにかく全曲かっこよすぎる。インディーロックやグランジ、R&B、ヒップホップなどそれぞれのエッセンスを彼独特のセンスで組み合わせて、レイドバック気味な淡く儚げなサウンドに仕上がっています。インディー系の青春映画的なノスタルジアが作品全体的に放っていて、もうベッドルーム・ポップ好きにはたまらない音楽性です。彼の優美で気怠げな歌声やフロウも最高だし、どこも文句のつけようがない作品かと。個人的にはRuan BeattyやDominic Fikeまで好きな人を魅了する作品ですし、めちゃくちゃおすすめです。


Heydays

正直ネット上に全く情報がないアーティストですが、僕のわかる範囲で書いておきます。アメリカのオースティン拠点に活動するシンガー・ソングライター、HeydaysがデビューEP『Pocket Almanac: Ox-Trails』をリリース。以前もこのnoteで記したのですが、Heydaysは、Papaya & Friendsというgabby start(ex: Knapsack)やunderscoresなどで結成したバンドみたいなプロジェクトがあって、そのメンバーでもあります。
シンプルなアコースティック・ギターの弾き語りをベースに、そこにアンビエントや電子サウンドを加えたミニマルなもので、Elliott SmithからAlex Gに通じるような繊細さと独創的なソングライティングセンスを兼ね合わせた音楽性を奏でています。日常にある普遍的な温かみとか、ちょっとした気だるさがこの作品全体的に漂っていて、その雰囲気が個人的に大好物です。


LUCI

NY拠点に活動する Lucianna Ania Davisによるプロジェクト、LUCIがデビューEP『Juvenilia』をリリース。今回の先行シングルやEPのジャケット、ミュージックビデオを見ていただけるとわかるのですが、ヴィジュアルのクリエイティヴの破壊力やコンセプトが半端なくかっこいい。
音楽性もヒップホップやR&B、インダストリアル、エレクトロニック、パンクなどを組み合わせたもので、激しくも内省的なサウンドに仕上げています。ビートも非常に趣向を凝らしていて、トラップやアフロビート、ダブ、レゲエなどを組み合わせていて、作品通して聴いてもその多彩さには驚かされます。
ダークでアグレッシヴな音の数々に、彼女のエッジーで迫力あふれる唯一無二なフロウが絡み合って出来上がる音楽は、まるでJPEGMAFIAとFKA Twigsを組み合わせたようなもの。その彼女の独創的な音楽性の影響源を探っていくと、PortisheadやDrake、System of a Downなどというのも納得。


Gabriels

LA拠点に活動する3人組のグループ、Gabrielsがデビューアルバム『Angels & Queens - Part I』をリリース。メンバーそれぞれ出身地が異なり、ゴスペルシンガーであるJacob Luskはコンプトン、プロデューサーでキーボードを務めるRyan HopeはUK、コンポーザーでバイオリニストのAri BalouzianはLA出身。
そんな彼らは2018年のデビューシングルから各所から注目し始められ、2021年のデビューEPはElton Johnを始め、Annie Macなど著名人たちもこぞって魅了されました。
それもそのはず、Jacobの歌声を聴いていただければ納得でしょう。洗練され瑞々しく、神聖な美声。こんなにも澄み切ったシルキーな歌声があるのかと。そこにクラシックなR&Bやゴスペル、ジャズ、そしてファンクやAORなどを織り交ぜ、より現代的なエッセンスも加えた、極上のサウンドに仕上がっています。こんなJacobのようにカリスマ性を兼ね備えた歌声には久しぶりに出会った感覚があります。それこそMoses Sumneyに出会ったときくらいの衝撃かと。


Maddy Davis

ニュージャージー出身で、現在はLA拠点に活動するアーティスト、Maddy DavisがデビューEP『MUD』をリリース。
彼女の奏でる音楽性は、ベッドルーム・ポップ系で、特にインディー・ポップ〜インディー・ロックをベースとしたオルトポップ寄りの感じに仕上げています。特筆する部分は彼女の作り上げる歌メロの親しみのあるポップな旋律を、憂いのある淡い歌声で歌い上げている点です。正直こういう系のサウンドはいまポップシーンに溢れまくっている中でも、彼女のサウンドは耳に残るなにか特別なものを感じます。
またガレージパンクっぽい荒々しい曲からバラードソング、アンセミックな曲までその幅広さも魅力ですね。

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