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Donna Thompson, SAHRA...今週のおすすめ 5 best Songs:2022-30

今週もたくさんの新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Donna Thompson

ロンドン拠点に活動するマルチ奏者/SSW、Donna ThompsonがデビューEP『Something True』を〈PRAH RECORDINGS〉からリリース。彼女はいまUKのロンドンのジャズシーンでも一目を置かれている存在だそうです。初めて知ったのですが、ハックニーの地域の近くに存在する、ジャズやエクスペリメンタルな音楽のライブをするベニュー「Total Refreshment Centre」という場所があって、そこでもドラマー/ボーカルとして彼女は名を馳せているらしい。ここも掘り甲斐がありそう。
そんな小ネタは置いておいて、実際彼女の音楽を聴いてみたらわかるように、今にも目の前でライブが行われそうなエネルギッシュで生のそのままの空気感を真空パックしたかのような作品に仕上げています。R&Bやネオソウル、ジャズ、ヒップホップ、民族的な要素など、それを彼女独特の解釈で織り交ぜています。そして彼女の力強くもシルキーで滑らかな美声は最高ですね。全てを包み込んでくれるような温かみも帯びていてとても魅力的です。ぜひ全曲通して全身で感じてみてください。


SAHRA

ドイツ・ベルリン出身で現在はロンドンを拠点に活動するR&B系のアーティスト、SAHRAが新作EP『Stole Moments』をリリース。Slim Typicalというデュオがプロデュースをしており、1曲目はラッパーのBawoが客演で参加しています。
トラップビートが鳴りつつもハープの心地よい音色が特徴的な1曲目「Me & You」をはじめ、ネオソウルやジャズ、ポップスなどを掛け合わせた楽曲が夜の涼しい風が吹く夏の夜にぴったりかと。そしてSAHRAの氷のように冷たくも、妖艶でとろけるような美声がマジで最高。ハスキーな一面もありつつも、ビブラートやファルセット・ヴォイスなど繊細な声の微調節が職人級にやばいです(実際に大学で歌声の講師もやっているらしい)。Nina SimoneやSade、Solangeなどから影響を受けたのも納得の5曲ですね。


Shivum Sharma

サウスロンドンを拠点に活動するインドとアイルランドをルーツにもつSSW/プロデューサー、Shivum Sharmaが2年ぶりとなる新作EP『In Transit』をリリース。今作でEgo Ella Mayが数曲バックコーラスを務めているとのこと。
Princeや Erykah Badu、Bjorkなどに影響を受けたという彼の奏でる音楽は、桃源郷のように幻想的でオーガニックな質感のサウンドを奏でており、極上そのもの。ソウルやファンク、ジャズ、エレクトロニック、フォークなどの要素を綿密に折り重ね、そこ彼の爽やかでまろやかなファルセット・ヴォイスがに溶け合うことで、まるでMoses SumneyとFKJがタッグを組んだ「Colouour」ときのよう。本当にスペシャルな歌声で、前作のEP『Diamond』の時から魅了されていましたが、より今作で洗練されて驚きまくりです…。
彼自身は、クィアでありアジアをルーツを持つアーティストとしてLGBTQ+のクラブスペースでDJをしていて、「アジアへの伝統に敬意を表すことで、次世代の若いクィアアジア人に、社会が持つあるべき姿にとらわれることなく、自分のクリエイティブな可能性をすべて実現するインスピレーションを与えると信じて活動していきたいです」とも語っています。今後の活動も楽しみですね。


Solis

アイルランド出身で、UKのマンチェスター拠点に活動するSSW、SolisがデビューEP『Open』をリリース。彼女は既にBlossoms、Phoebe Green、Inhaler、Fuzzy Sunなどのライブサポートをするなど着実にその名前を広めていっています。
作品全体的に、万華鏡の中を覗くような煌びやかでサイケデリックなサウンドを基調に、レイドバックするゆらゆらしたムードが漂う、彼女の織りなすエスケイピズム的な世界観が最高です。60〜70年代のレトロ・ポップやフォーク、サイケ、そしてドリーム・ポップなどさまざまな要素を組み合わせ、幻想的で甘美な歌声が楽曲により奥行きを与えています。Kate BushやJeff Buckleyに影響を受けたのも納得のポップさですね。


Freak Slug

UKのマンチェスターを拠点に活動するXenya Genoveseによるソロプロジェクト、Freak Slugが新作EP『I’m In Love』をリリース。以前はインディー系の音楽レーベルで有名な〈Nice Guys〉からもリリースしていました。
全てDIYで手がけてしまう彼女ですが、爽快でカラフルなインディーポップサウンドに、彼女の少しルーズで淡い歌声が絡み合うのが特徴的で、ローファイでチープなビートもとても良いです。陶酔的で青春感溢れるサウンドが、インディー好きの人は心掴まれるんじゃないかなと。初期のClairoやKate Bollinger辺りが好きな人におすすめです。


そしてポッドキャストも始めてみました。今回で9回目となります。このnoteで更新している「5 best Songs」の内容を話したりしているのでよかったら覗いてみてください。先週の更新が以下になります。

Spotify更新しています〜


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