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Santangelo, Unflirt…今週のおすすめ 5 Best Songs:2023-13

今週も新人の新譜から厳選して5組のアーティストを紹介します。音楽ブログ「abstract pop」の「5 Best Songs」の企画では、国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを毎週紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotifyのプレイリストも更新してます〜


Santangelo

アメリカのフロリダ生まれ現在はLAを拠点に活動するアーティスト、Santangeloが、Pigeons & Planesのスタッフが運営するレーベル〈No Matter〉から5年以上の制作期間をかけたアルバム『AdWorld』をリリース。客演には盟友でもあるZach VillereやQuiet Lukeが参加。彼は元からBROCKHAMPTONのメンバーやRoy Blairとも関わりのアーティストで、ベッドルーム・ポップの最盛期のときから密かに話題となっていたアーティストでもあります。しかし地道に活動を続け、今作に漕ぎ着けたとのこと。
アルバムのサウンド自体は、一言では表せないほどカオスな音世界が繰り広げられていて、さまざまなジャンルが緻密に交錯したSci-Fi的な音楽性にまとめ上げています。ゲーム音や環境音など数多くのサンプリングが使用され、それがスムースでスペイシーなトラックから幽玄なアンビエント、ベッドルーム・ポップ的な曲、そしてUKガラージ風のビートまでに組み込まれ、今までにない想像を超えたアルバムに仕上がっています。彼のラップのフロウも多彩で、矢継ぎ早のキレキレのフロウからメロウなもの、メロディアスなフロウまで使いこなしています。Tyler, The CreatorからBROCKHAMPTONなど新たな世界の扉を開けてきたアーティストもいますが、彼もその一人と言っても過言ではないでしょう。そのくらい途轍もない面白いアルバムに出来上がっています。架空のラジオ局から流れている感じにしているのも魅力的だなと感じました。


Unflirt

ロンドンを拠点に活動するベッドルーム・ポップ・アーティスト、UnflirtがデビューEP『Bitter Sweet』をリリース。beabadoobeeのライブのオープニングアクトも務めたことのある実力派のアーティストでもあります。
爽やかでロマンティックなムードを内包したシネマティックなサウンドと、蜂蜜のように甘く透明感ある美声が重なり合った、「もう最高じゃん」の一言に尽きる音楽性。ほどよいテンポの疾走感ある曲や、淡く歪んだギターが心地よい曲など、それぞれの曲がドラマティックで、EPタイトル通りのビタースウィートな雰囲気を感じます。そして何より鳥肌モノの美声です。記名性のある唯一無二な歌声で、今後より注目が集まること間違いないです。「あーもうbeabadoobeeと対バンしたら絶対いいに決まってるやん…」というアーティストですね。


Peg Punch

Twitterでは度々投稿しているのですが、Roy Blairの盟友でもあり、デビューシングル「Naked」が多くの話題を呼んだアーティスト、Bickleというアーティストはご存知だろうか?彼は今までずっとBandcampを通してさまざまな作品を発表しているのですが、ストリーミングサービスにはBickle名義ではまだ出ておらず、今年その待望のアルバムが発表されることが密かに話題となっています。
そんな中、Bickleの別名義(他にもBickleboyというトラックメイカーの名義もある)とも言える、Peg Punchがデビュー作『See Stab』をリリース。これが4月1日辺りのエイプリルフールで発表したので、彼なりのユーモアを込めてSNSの投稿では「これは私のプロジェクトではありません」と言いながら告知していました。そんなちょっとした皮肉が込められた作品でもあるので、アルバムに収録されている楽曲はとてもバラエティーに富んだとんでもポップ作品に。色とりどりの面白い楽曲が詰まっているのでラフに楽しめるかと思います。それよりもBickleのアルバム早く聴きたい。


Planet Giza

カナダ・モントリオールを拠点に活動するRami BとTony Stone、そしてDoomXによるヒップホップグループ、Planet Gizaが新作アルバム『Ready When You Are』をリリース。今作ではMick JenkinsやUKのラッパーKojey Radical、サックス奏者Venna、Saba、Topaz Jonesなど数々の有名アーティストを客演に招いています。
彼らの作り上げる音楽はスタイリッシュで洗練されたトラックが印象的で、そこに乗るスムースで柔らかなラップスタイルがとても魅力的です。R&B/ソウルやジャズ、ファンクなどを織り交ぜた、メロウでとろけるようなサウンド作りも秀逸で、グルーヴやしっとりとしたドラムアレンジもPlanet Gizaの特徴でもあります。クラシカルなエッセンスをしっかりと現代的なポップサウンドに踏襲させているのも彼らの実力ですね。


Jasmine Jethwa

サウスロンドンで生まれ育った活動するシンガー・ソングライター、Jasmine Jethwaが新作EP『Same Streets But I Don't See You Around』をリリース。彼女はJohn DenverやBon Iverといったアメリカのカントリーからフォーク、フォークトロニカあたりから影響を受けて音楽を始めたそう。
それもあってアコースティック・ギターの滑らかで温かな音色をベースとした牧歌的なサウンドが特徴で、そこに彼女の伸びやかで甘美な歌声があわさる作品に仕上がっています。眩いほど煌びやかな声色が何層にも重なったアレンジもとても美しく、柔らかで叙情的なメロディーと溶け合うことでノスタルジックな音楽性に。

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