見出し画像

abstract pop | 5 Best Songs...2022⑨

今週も注目のリリースタイトルが多く、Nilüfer YanyaやMICHELLE、Luna Li、KAINA、The Weather Stationなど、新人から大御所のアーティストまで飽きさせないような素晴らしい作品ばかりでしたね。
正直Luna Liのアルバムは驚きました。あんまり個人的には前作の『jams EP』では特にパッとしていなくて、「よくいるインディー・ポップ系のアーティストか〜」なんて思ってたら、今回のアルバムの仕上がりには驚愕でした。

それでは今週の「abstract pop」の方に行きます。ここでは国内の音楽メディアでは紹介されないような、海外の新進気鋭なアーティストを紹介していきます。過去に紹介したアーティストは下記にまとめてあります。

Spotify更新しています〜

Morgan Haper-Jones

マンチェスター出身のSSW、Morgan Haper-Jonesが新作EP『While You Lay Sound Asleep』をリリース。今作収録の「Want Me」はAdelとのコラボレイターで有名なEg Whiteとの共作、そして作品全体ではEzra Collectiveがレコーディングで関わっているとのこと。
全体的に上質でエレガントな仕上がりになっている今作は、ジャズやR&B、フォーク、アンビエントなどをエッセンスを散らせた、流麗でオーガニックなサウンドに癒されますね。また彼女の歌声も素晴らしく、渋く低いボーカリゼーションからシックで伸びやかな美声など、豊かな歌声のグラデーションにも驚かされます。Lianne La HavasやWeyes Blood、Aldus Hardingを想起させるような彼女の才能は、今後の活動から目が離せませんね。


MALIA

LA出身のR&Bアーティスト、MALIAが新作EP『What's After 'I Love You?』をリリース。彼女は以前、The InternetのSydの前座を務めたり、現在はJMSNとのツアー中と、着実に知名度を広げているアーティストです。
ジャズや、R&B、ネオ・ソウルから現代的なインディー・R&Bまでを折り重ねた、優雅で洗練されたサウンドに、艶やかでソウルフルな美声が溶け合う、ロマンティックでノスタルジアな作品に仕上げています。
ところどころのストリングスや、サックスやトランペットなどの管楽器のアレンジメントが見事で、この作品をよりゴージャスに彩っていますね。


Kathleen Frances

UKのブリストル出身のアーティスト、Kathleen FrancesがデビューEP『Through the Blue』をリリース。
重厚感に包まれた荘厳なアンビエントサウンドに、スモーキーで妖艶な彼女の美声が絡み合い、メランコリックで湿り気のある作品に仕上げています。余分な音を削ぎ落としたミニマルでシンプルな構成ですが、実験的な部分も含みつつ、R&Bやニューエイジの要素も加えた美しくオーガニックな質感がとても心地良いです。
彼女自身ブリストル出身ということもあり、 Massive AttackやPortisheadといった空気感に影響を受けつつ、James BlakeやCharlotte Day Wilson、Aldous Hardingといったアーティストもインスピレーションを受けているとのこと。そういったのも含めると納得のサウンドですね。


SOFY

ロンドン、レスター拠点に活動するアーティスト、SOFYがデビューEP『Bored In Colour (Pt.1)』をリリース。2021年から活動を始めた彼女ですが、デビューシングル「Strawberry Milkshake」がBBCRadio 1’s‘IntroducingですぐにTrack of The Weekに選ばれ、その後も様々なメディアですぐに取り上げられるなど飛ぶ鳥落とす勢いで人気を博している、次世代のベッドルーム・ポップ系のアーティストです。
その人気の所以は、やはり彼女の作り上げるゆるくもカラフルでポップな音楽性です。ヒップホップ的な質感に、メロウなインディーポップを織り交ぜた独特なレイドバックサウンドに、アンニュイで甘美な彼女のフロウが絡み合う楽曲たちが、どれをとってもめちゃくちゃ心地良いです。
Lily Allen〜Easy Lifeなど、イギリスからしか生まれないようなミクスチャー的なポップセンスを持ち合わせてるのが、彼女の持ち味でもあると思います。


Bats

ナッシュビル拠点に活動するSSW、Jess Awh によるソロプロジェクト、Batsが新作アルバム『Blue Cabinet』をCitrus City Recordsからリリース。
カントリーやフォーク、インディー・ロックを組み合わせた牧歌的で温かみをもちつつも、郷愁を誘うような出来になっています。アコースティック・ギターのシンプルな弾き語りから、マンドリン、バンジョー、ペダル・スティール・ギター、フィドルといったカントリー・ミュージックには欠かせない楽器もレコーディングで使用しており、叙情的でのびのびとした音楽に仕上げています。初夏の始まりとともに聴いたいアルバムです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?