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場が持つ意味ってなんだろう?

場を持つ意味、場が持つ効能を改めて考えた結果、今ままでの場所を終わらせて、新しい場所を持つことになったお話。

今までは、東京の中心部といってもいい、渋谷区千駄ヶ谷に会社の事務所を構えていた。(代々木駅3分、新宿駅5分)それはそれは僕たちにとっては十分すぎる場所で、なに不自由のない事務所でした。

駅からも近く、都内の主要駅にアクセスが便利な合理的で良い場所で、家賃も手頃、応接室と執務スペースもわかれていて、内装も今っぽい、遊びに来てくれる方たちからも、よく羨ましがられた、本当に便利な事務所でした。

そう、便利な事務所だったのです。

コロナ禍では、僕も含めた会社のメンバーは便利な事務所に行く機会は激減し、気づくと数ヶ月実際に顔を合わせていないなんてこともザラに起こるように。

そんななかでも業務事態はオンライン上でも順調に進めることができていた中、会社が持つべき場所ってなんなんだろう?と考えるようになりました。

駅からの近さ、応接室の有無、立地のブランド性など、挙げればキリがありませんが、こういう状況になってしまった以上、利便性というメリットや立地のブランド性は僕たちにとって必要性、重要度がとても低くなってしまったのです。

もちろん会ってコミュニケーションを取ることは大事ですが、会って話すだけなら、貸し会議室やお洒落なカフェで事足りてしまいます。

では、もし僕たちが場所を持つのであれば、どんな場所なのか?という事を考えました。

その結果、僕たちが場所を持つのであれば、僕たちが描いていきたい世界観を表現し、体現していく場所でありたいと強く思うようになり、場所探しを始めることに。

なんてもったいないことを!と言われてしまいそうですが、(現に身近なひとたちに言われましたw)必要ないものは必要ないのです。自分たちのものさしで測った結果、僕たちは、便利で合理的な場所を手放しました。

呼吸を合わせる場所

その後、とある物件とのご縁を頂き、キリの良い4/1から東京「元浅草」の地で「呼吸を合わせる」をテーマにした場づくりを始めています。(※仏像・仏具職人さんのアトリエ兼事務所だった古民家。)

元々、僕自身やAnbaiがどんなことをやっているのか、どんなことを目指しているのかよくわからないといったお言葉を頂くこともあり、言葉で説明しても、さらにわかりづらさを産んでしまうこともありました。

だからこそ僕たちが表現していきたいことを感じてもらうメディア(場)として機能させられる場所を選びました。

日本らしさ(日本の精神性や伝統的なカルチャーなど)を探究していく場にしたいという想いは前提としてありつつ、「呼吸を合わせる」ことで異文化がゆるやかに溶けあっていくことを体現する場にしたいという想いがあります。

個人の思想や価値観が違って当然で、違いが尊重される時代だからこそ、人を表層的な部分だけで判断してしまいがちで、思想や価値観の分断が散見しているように感じる、昨今。

私たちは、誰かと共創する事で想像もできないようなクリエイティビティを発揮しますが、直ぐに重なる縁もあれば、じっくり深めていく縁もあるはずです。

表層的な違いだけで、分断し続けてしまうのはとても悲しい事だとも思います。

「人それぞれだからね。」と言ったどこか諦めにも近い、雰囲気が流れてしまっているようにも感じるし、それによって自らも気づいていない孤独や不安を抱えている事で閉塞感を感じてしまうこともあるんじゃないかと。

本心は違うのに、空気を読んでムリに同調しているような感覚。そういう場面があってもいいと思いますが、全てそうなってしまうと自分らしさを失ってしまいます。自分でも気づかないぐらいにあっさりと。

だからこそ僕たちは、「呼吸を合わせる」ことで、これまで重なり合わなかったひと同士が、ゆるやかに溶け合っていけるような場所をつくっていきます。

なぜなら呼吸を合わせるということは、共に生きるという意思表示だと思うからです。誰かと呼吸を合わせることは自分らしさを失わせることではないはず。


呼吸に意識を向ける作業は、とても東洋的かつ日本的な作業です。仏教にはじまり、茶道、書道、空手道など、日本の伝統文化である、道のつく教えは淡々と行を修めていく中で、雑念が解かれ、自然と呼吸が整い、ある種の没入感と多幸感をもたらします。

(オンライン・オフライン問わず、)雑念や恐れ、余計な執着がないフラットな状態で、人と向き合える場があることは、これからの時代、強く求められていく事の一つになっていくのでは?と感じています。

このように呼吸について考えてを深めていくうちにつれて、呼吸を合わせるということは、個性が声高に尊重される時代の中で、違う者同士が、共に生きるという意思表示なのかもしれない。と考えるようになりました。

あうんの呼吸のように、異なるもの同士が、創発し大きな力を生む際に必要な作業もまた、呼吸を合わせるということなのです。

この思想は、僕自身の渇望でもあり、
理想であり、願いです。

言っていることが良くわからない。共感しにくい。わかりづらい。などあるかもしれないですが、それが僕だし、僕が僕らしく、Anbaiという共同体がこれからもAnbaiらしく生きていく上での信念を少しずつ表現し、体現していきます。

最後に

あなたと私は違う。だから素晴らしい。
そして何かを押し付ける事もしたくない。

でも、呼吸を合わせる事はできる。

呼吸を合わせることで、あなたとあなた以外の価値観がゆるやかに溶け合い、その先に産まれる感情で心が満たされていく。

そんな場所にしていければと思っています。

現状について

4月からなにかすぐに始められているかというと、そういう訳ではなく、

4〜5月は物件の内装などの解体作業
5〜7月で内装設計(凄腕の設計士に依頼しています。)
8月〜9月で施工
10月オープンできるかな?というゆっくり目のスケジュール。

要所要所でプロの手を借りながら、大きな場所ではないながらも、喫茶(軽飲食)、物販、展示ギャラリー、事務所機能などを欲張り、DIYメインで施工をしていく予定です。

これ以上のことはまだ何も決まっていません。

万が一、この場作りに興味をある!協力したい!などという奇特な方がいらっしゃいましたら、お気軽にお声がけくださいませ。

ゆるめに、店舗スタッフも募集中です。笑

場所の詳細などは10月まで公にしない予定なので、一緒に呼吸を合わせて、あなたのやりたいこともこそこそ企んでいきましょう!

「呼吸」に興味がある方で、変人はいるかもしれませんが、悪い人はいないはずだと信じて。笑


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