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資本主義と民主主義は真逆の思想ゆえに、日本は「速さで中国に勝てない」現実を思い知ることです。『群島の文明と大陸の文明』

『群島の文明と大陸の文明』は、群島と大陸の文明の違いを認識することで、日本の特殊性を知るためのビジネス書です。

「孔子以後の孝:中国社会が帝国化していく過程で人工的・思想的につくりあげられた反自然・反人間的な概念」「日本人にとって、自然とは、人工的に管理すべき対象」「根源的で究極のひとつのものの生命のほうが圧倒的に重要視される:キリスト教も道家思想も同じ」など、意外と知られていない思想の根源を教えてくれます。

特に「日本のことがわかるためには、比較ができなくてはなりません」は、日本と別の地域とを比べることで、本当の日本の姿がわかります。

比べるには、「文明や文化や思想を国家と結びつける思考方法の排除」「枠組みを排除し、多様性を理解する」「人間とはなにかを立ち返り、相互関係を認識」の視点が必要です。

日本特有の価値観を考えるうえで、日本人特有の思い込みを捨てる必要があります。

安易な日本人論をそのまま受け入れられない方にオススメです。

 

「シャーマニズムとアニミズムの違い:演繹と帰納の違い」「技術革新:生命をめぐる宗教運動」「民主主義:権力と権威が合体しているところにはなかなか成立できない」などを通して、日本の特殊性を改めて知ることができます。

特に「結局、中国の速さには勝てない」は、資本主義と民主主義との違いを表す言葉です。

「資本主義:速さと量で勝負する思想」と「民主主義:遅さと質で勝負する思想」と、資本主義と民主主義は真逆な思想だからです。

だからこそ、ヨーロッパやアメリカなどの民主主義国は、中国の速さには勝てないのです。

中国に対抗するに日本が行う役割は、「自らの帰納主義的・経験主義的・反超越主義的な世界観の存続・更新を担っていく」です。

「中国脅威論」に対処したい方は、一度読んでみてはいかがでしょうか。

 

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