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コミュニケーションを取れる「本屋さん」が生き残れる

少し前に知り合いの勤める本屋さんが閉店するとの悲しい報せを耳にしました。

これでまた本屋さんが一軒少なくなるのか、と思うと同時にその書店員の方の働き口がどうなるのか、と余計な心配も頭に過りました。


「あそこが閉店になるみたいですが、そういう場合スタッフさんはどうなるんですか?」


別の書店勤めの知人に聞いてみると、おそらく大半は他店への異動もなく、そのままクビになってしまうとのこと。

本屋さんの閉店は、必然的に書店員の仕事を奪うことにも繋がってしまいます。

書店員業務のおさらい

書店員がどんな業務をしているのかというと、

・入荷、検品

・商品の陳列

・商品の発注業務

・返品

・お客さんへの対応

・出版社への対応

と元書店員の方の記事ではこのように記されていました。

これに店舗という業態であれば清掃やレジ金管理なども加わります。

書店員の経験は市場でどう映るのか?

自分の勤め先が閉店してしまい職を失うのであれば、真っ先に考えるのが別の本屋さんに勤める、という選択肢ではないかと思います。

しかし、本屋さんは徐々に町から姿を消しており、経営難もあって正社員の雇用も大幅に減らしているとも聞いたことがあります。


そうなれば本屋さんだけではなく、他職種や他業界にも目を向ける必要がありそうです。

では先ほど述べた書店員の経験はどう映るのでしょうか?


入荷,検品、返品はよほどの工夫をしていない限り評価されにくいでしょう。

また、商品の陳列や返品、お客さんへの対応といった業務に関しても同様で、趣向を凝らしていない陳列や流れ作業の如くレジを捌いていても、雇う側の興味を引くのは難しいとも感じます。


業務の内容からして事務的な要素が強いため、「書店員」としては高評価は受けにくく、端的に言えばカリスマ書店員とでもならない限り、畑違いの業界業種で欲しい人材とまではなりにくいのではないでしょうか。

もっと言うとよその本屋さんで働くにしても単に経験が長い、というだけでは働き口が減少している分厳しいのではないかと思います。

本屋さんが生き残るには本を売らなくてはならない

本屋さんは本を売るビジネスなので、シンプルに本を売らなくては存続できません。

価格が同じものを、ネットではなくわざわざリアルな場で買ってもらうには、お客さんのハートを掴まなくてはなりません。

ならばお客さんに合った本を提案できる、オススメ本を紹介できる、当たり前のようですがこれが書店員にとって重要なスキルではないかと思います。


先日、関西テレビのセブンルールで隆祥館書店二村知子さんが取り上げられました。

番組ではお客さんに本の説明をするシーンや、二村さんのセブンルール、「来店したお客さんには必ず声をかける」など、本屋さんでの光景や接客の心構えが紹介され、学ぶべきところが多いと感じました。


もう少しで毎週どこかの本屋さんに通う習慣も丸6年が経ちますが、書店員の方から本を紹介された経験も多くは思い出せませんでした。

ただただ本が並べてあり、お客さんとのコミュニケーションも生まれなければネットに勝てないのもしょうがないのかもしれません。


その人に合う本を勧めれる、というのは自分の店舗ではまだまだハードルが高いのですが、お客さんにここで本を買いたいと思っていただけるよう、直接的な会話のみならずPOPなど間接的な方法も含めてコミュニケーションを大切にしていきたいと記事を作成しながら改めて思いました。


話しかけるのが絶対良いとか、紹介したい本には必ずPOPを付けるべし、と思い込んでいるわけではありません。

静かに本を見たい方からすれば煩わしいと思われる可能性も十分考えられます。

それでも本屋さんという場が残るには、ここで本を買いたいと思ってもわらなければ成り立たず、そのためにもお客さんとの接点は大事にする姿勢は忘れないでおこうと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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