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男女間の友情についての考察(過去作)

『男女間の友情と、人間の意識について』

「男女間の友情があるか、ないか」
一昔前から今に至るまで、全国あちこちで話されている話題のひとつだ。
ある派、ない派それぞれの主張を各所で聞いたこともあるだろうから、あえて割愛をする。

さて、それらについて考えていく前に
ここではまず「人間の意識」について自分なりに簡単にまとめてみよう。

異性や他の人を見たときの意識を、ここでは大きく4つに分類し、それぞれについて解説をしてみる

軽  神的意識   例:尊い
↑      美的意識   例:美しい
↓      人間的意識  例:賢い
重  動物的意識  例:エロい

①神的意識
これは相手について考えた時、最も言葉で表し難い感覚的な部分が多く含まれる。例えば「なんか心惹かれる」「その人の雰囲気」「オーラ」などが挙げられる。
例えるならガスや空気といった気体のような軽さで、その人が纏っているものと思ってもらえば良い。

②美的意識
続いての意識はいわゆる「センス」「仕草」「品性」といった美的感覚の事である。
例えるなら水蒸気のもつ煌めきと、しっとりとしたしなやかさが連想される。

③人間的意識
これは「知性」「思考」「話題」といった脳が司る部分を主とした感覚のことで、人間らしさの象徴でもある。
例えれば、水のように形を自在に変えるが、存在が認知出来る液体のような重さがある。

④動物的意識
「見た目」「匂い」「性的」「肉感」といった肉体的に触れるものやそこから立つ匂いが属するもので、本能的なものに訴えかける面が大きい。
例えば泥や重油の様な重さを持つ故に、最も相手への影響力が高い。

また、これらの4つの感覚は上下に連なる段ではなく表裏でもある。方位磁石の東西南北の様に、対になる感覚でもあるのだ。

美的意識と動物的意識は、対の意識とも考えられる。絵画の『春』や彫刻のダビデ像などは非常に肉感のあるエロティックな造りでありながら、あんなにも人を魅了している。
一方、神的意識と人間的意識は対のものであり
それは宗教での「天界と地上界」の対比や、芸術作品の描く対象が神から人へと変わって行ったルネサンスについても考えられる。

そしてこれら4つの分類は、対比の存在でありながら繋がっているものでもある。それぞれが階層の様に上がり下がりをし、騙し絵の階段よろしく一連のものとなっている(それぞれの感覚は干渉しあい、作られているものでもあるからだ)

例えば私は、人同士の距離を肌感覚で感じるタイプであるので、素敵だと思う人が急に下世話な話をしたり、衣服を脱ぎだしたりすると
空中から泥沼にダイブをした様な息苦しさと気持ち悪さを感じてしまう。
もちろんそれは良し悪しではない。水に飛び込む楽しさや、空を駆け上がる愉快さをも楽しめる余裕があった方が良いのが事実ではある。

さて、話を戻すとしよう。
人が他者に抱く感覚を4つに大きく分けたところで、冒頭の「男女間の友情」に関してこれを当てはめてみたいと思う。

結論から申し上げると、男女間の友情は下記の条件を満たした時のみ、成立すると私は考える。


「男女それぞれが、相手を対等な人として認知し
かつ、相手に対して恋慕や下心を持っていない状態であること」


まず「人として認知」のところであるが、これは説明するまでもなく相手を「人間だ」と思ってあるのが大切だ。
(人と動物間の友情を考える方もいるかもしれないが、今回は人間通しに限りたい)

続いて「恋慕や下心がないこと」であるが
友情は対等であるものだと考えた場合、
1人は友人、もう1人は一夜の友と思っていたとしたら、相手への感覚、意識は対等であると言えるだろうか?
別の例も挙げてみよう。1組の男女が居たとして、片方は相手に恋心を抱いており、もう片方は(残念なことに)何も相手に思っていなかったとしたらそれは対等な感覚であろうか?

しかしながら、こういった関係の認識違いは往々にして良くあること なのである。
特に 人は他人を見たときに、どうしても外見や仕草、発話する内容などで判断をしてしまい、それに従ってしまうことが多い。神的 美的意識の部分より、人間的 動物的の感覚の方が無意識に対して強く働くからだ。
そのため「そんな人だとは思わなかった」「恋愛はしないけど、夜は共にする関係」といった感覚や認識へのすれ違いは頻繁に起こり、枕を涙で濡らしたり、最悪の場合 事件に発生するなんてこともあり得るのではないだろうか。

最後に、もしあなたが男女間での友情がある もしくは、そういった関係の人が居るとしたら
お互いに共通の感覚を持っている人同士という非常に恵まれた友人が居るということだ。

その人を、ぜひ大切にして欲しい。
それは何者にも代われない、特別な関係なのだから。

【これは2019年に書いた記事の再掲載です】

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