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アナログ営業会社にデジタル化を推進すると、こうなった。

私の会社はアナログな建材メーカーです。
当然働いてる人間もアナログです。

そんな、昔ながらの営業会社が「営業の勘と経験」から「データを活用した営業戦略」へシフトすることを決めました。

去年の4月に経営陣の期待のもとに、私のグループが営業活動のデジタル化を推進することになりました。

「アナログ営業会社にデジタル化を推進するとどうなるか?」

結論から言うと、
営業から凄まじい抵抗にあいます!

特にトップセールスのプレイングマネージャーから。

彼らは売上で会社に貢献しているので、会社への影響力も強く、敵に回すと厄介です。前回の記事でも書いたインサイドセール導入と同様の現象です。


そもそも、「なぜ私の会社にデータを活用した営業戦略が必要だったのか?」というと、

営業のスキルに頼った個人商店的な営業活動では競合に勝てなくなったからです。

次から次へと営業を雇い、営業スキルを教え込み、活動量を増やすように管理して、売上を上げてきました。このやり方は最初の5年位までは成功していたのですが、徐々に上手く行かなくなってきました。

気がつけば、競合より営業人数が2倍に膨れ上がり、1人当たりの生産性が競合に比べて著しく低いという悲惨な状況になっていました。そして膨れ上がった営業担当者の質は低下して競合にどんどんシェアを奪われ、士気も低下していきました。

こんな状況で会社の経営陣が変わりました。
そして新しい経営陣は、今までの営業スタイルとは決別して、マーケティングやインサイドセールを取り入れ、組織的な営業活動へ舵を切ったのです。

舵を切ったものの、売上分析、顧客分析、活動分析が個人任せでデータが分断されていたので、まともなデータがなく経営陣としても策が打てなかったのです。

この状況を打開するためにも、この分断されたデータを一元化するSFA、CRMを新たに導入する必要がありました。


新しい経営陣のトップダウンでシステム導入が決まりました。
SFA、CRM導入を成功に導くためには「強烈なトップダウン」と同じぐらい大切なのが「営業マネージャーの理解」です。

私が失敗したのは「営業マネージャーの理解」を疎かにしたことです。

その結果、去年10月に導入して3ヶ月後の今年1月に営業マネージャーの猛烈な抵抗にあいました。

「システムの入力に時間がかかって営業活動に支障が出ていて売上に悪影響なので、4月まで入力作業は中断したい」と申し出があったのです。

この申し出を会社が受け入れ、システム運用が3ヶ月ストップするという状態になりました。

営業部門からするとシステムへの入力作業は意味がなく、営業活動を阻害するものだという印象が根強いです。しかも「営業が稼いできた利益で無駄に高いシステムを買いやがって」って感じです。私も営業を15年やってきたのて気持ちはよくわかります。

この失敗は、システム導入のメンバーに営業を巻き込まなかったことが最大の原因でした。

私自身が営業経験も長く、直前まで営業マネージャーをしていたので、営業側の要望は私が代弁できると考えて、システム導入メンバーに営業を入れなかったのです。

システム自体は営業活動に沿った内容なのですが、データ収集を重視したため入力項目が多くなってしまった、という反省点もありますが、それよりも、「営業の意見をろくに聞かず勝手に作りやがって」という気持ちの問題が大きいように感じます。

じつは、運用がストップしていた3ヶ月間は、若手中堅の営業担当者は自主的に入力を行ってくれていました。そして、新しく営業マネージャーになった2名はシステム改善の協力も陰ながらしてくれている状況でした。

蓋を開けてみると、一部の営業マネージャーとベテラン営業担当者だけが抵抗している状態だったということが見えてきました。

この3ヶ月間でシステム改良を重ね、徐々に賛同者を増やす活動を地道に行いました。そして、一時は運用ストップの決断をした経営層にシステムの必要性を改めて理解してもらい、トップダウンのもと4月から運用開始してもらうように営業に落としてもらうことに成功しました。

まだ一部の人は否定的な人がおりますが、運用しながら改善を進めて、有効なシステムだと理解してくれれば協力してくれると思っております。

さらにSFA、CRMを使ってインサイドセールスを軌道にのせて、営業活動の分業化を促進して営業の質を向上させていなくてはいけません。道のりはまだ長いですが、頑張ろうと思います。

私と同じ失敗をしないように、導入をご検討をしている方はご注意下さい。




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