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追悼:筒美京平さん

90年代半ば、渋谷系の隣で、初めて歌謡曲の再評価が始まった。
その時、<歌謡曲>は<昭和歌謡>になった。
つまり、歌謡曲の再発見だ。

その時の価値基準はサウンドだった。
それは筒美京平が行った歌謡曲のサウンド感覚の革命が音楽的な評価をされた瞬間だった。
ここで初めて歌謡曲のサウンドが語られ、歌謡曲=メロディという呪縛から解き放たれたんだと思う。
それがなければおそらくDJが和モノをかけることもなかったし、"ネタ"ものはパクりのままだった。

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そして、この時代に、これまで謎に包まれていた筒美京平の人物像まで含め、さまざまな研究が行われ、書籍やコンピレーションCDにまとめられた。
正直、今の価値観からすればまだまだ深掘りできるだろう。
それでも、そこからさらに20年かけて歌謡曲の再評価が一巡する間に、京平さんは体調を崩されてしまった。
だから、これらは今でも超一級の資料なのだ。

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昭和40年代生まれという僕の世代は、知らず知らずのうちに、京平さんの音楽と共にあった。

今僕らにできることは、京平さんの音楽を鳴らし続けることだけだ。
京平さん、お疲れ様でした。


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