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JAPANESE ROCK 80's 名盤選

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79年から93〜94年頃までの日本のロックを盤単位で紹介。 音楽的な側面から検証・紹介していきます。
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2014年10月の記事一覧

27枚目 野本直美「THE FIRE」(1987年)/皆と同じレールの上を生きていくことには少し疑問を持っている大人のロックンロール

27枚目 野本直美「THE FIRE」(1987年)/皆と同じレールの上を生きていくことには少し疑問を持っている大人のロックンロール

#jrock #80s #野本直美 #高橋研

 大人版中村あゆみ。本人の意向はともかく、そう言ってしまってもいいかもしれません。中村あゆみが10代のスレてない気持ちを暴走させたのだとしたら、野本直美は少し大人になって生きることの意味を考え始め、でも皆と同じレールの上を生きていくことには少し疑問を持っている、そんな20代の女性の揺れる気持ちを歌ったと言えるでしょう。

 野本直美は83年に「かなし

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26枚目 ECHOES「No Kidding」(1986年)

26枚目 ECHOES「No Kidding」(1986年)

 エコーズといえば辻仁成のバンドだよね、で終わっていませんか。「ZOO」というヒット曲もあるし(正確には解散後、2000年の再発盤がヒット)、それなりの知名度と評価があるバンドではありますが、その歌の中身を今の時代だからこそもう一度検証してみた方がよさそうです。

 エコーズの音楽性は非常にシンプルです。パンク的ともいえるほど素直なコード進行とエコー&バニーメンのようなネオサイケ的なギターサウンド

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25枚目 REBECCA「Poison」(1987年)

25枚目 REBECCA「Poison」(1987年)

 レベッカの最高傑作は? きっと「REBECCA IV」と答える人が多いでしょう。でも、音楽的な最高到達点は、間違いなくこの「Poison」。ついにレベッカのオリジナリティが爆発した作品です。

 レベッカは恐らく日本で初めて歌謡曲にならないロックをお茶の間に、つまりベストテン番組に送り込んだバンドだと思います。それまで歌謡曲に即することでしかメジャーヒットを生み出すことを知らなかったレコード業界

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