滋賀の山。比良山系・蓬莱山、展望の稜線をゆく#2
びわ湖バレーでのにぎわいが嘘のようだった。人の気配はすっかり消え去り、またひとりきりの旅が始まった。スキー場の斜面を北へ下り、キャンプ場の跡地から木戸峠へ。峠のお地蔵様に手を合わせて、比良岳、鳥谷山へと進んでゆく。
鳥谷山から南を望むと、打見山や蓬莱山がよく見える。あぁ、あんなに遠くからはるばる歩いてきたのだと、山歩きの愛好家なら誰しも経験するであろう思いを胸に、しばし眺めを楽しんだ。そして再び歩きだす。
15時をまわり、疲労がじわりとぼくに襲いかかる。ひたすら樹林