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英単語、つづり、イメージ

 「クリニック」は、「cl」と「cr」とどちらから始まる英単語だろうか。「L」と「R」の発音は、日本人には聞く上でも発する上でも難しい。LであろうがRであろうが、日本語においては区別なく「ラリルレロ」になってしまうのだから、これは仕方がない。


 「cl」から始まる身近な単語をイメージしてみよう。clean、close、clear、cleverなど。では「cr」はどうか。cry、crazy、criticize(批判する)、crime(犯罪)…。ちなみに予備校や学習塾は「cram school」と言うが、「cram」はもともと「押し込める」とか「詰め込む」とかいう意味だ。


 また、「cr」よりも「cl」の方が「明るい」音で発音するように思える。清潔だったり親しいほうが、泣いたり批判したりするよりはイメージがいい。どうやら病気を治してくれる「クリニック」は、「cl」から始まりそうだ。


 student、stand、stop、station、stageなど、「st」で始まる英単語はどうだろう。文字通り何となく「スタッ」とか「ストゥッ」みたいなイメージはないだろうか。


 きっと「学生たち」はみな「立って」と言われたら「スタッ」と立ち上がるだろうし、「勉強」するときは背筋を「スタッ」と伸ばして座るだろう。「舞台」に上がれば気持ちが「スタッ」となるし、電車は「駅」で「スタッ」と止まる。ちなみに「stable」は「安定した」という意味だ。


 そう、「st」は文字通り「スタッ」としているのだ(と僕は思っている)。「co」や「dis」や「ci」などについても考えてみるといい。


 中学校で習う単語数が1200語前後なのに対し、国公立大学を受験する場合、必要となる単語数は5000語前後。書くだけ、読むだけ、見るだけ…ではなかなか覚えることは難しいだろう。何かしらの工夫が必要だ。そんなとき、「イメージ大作戦」はどうだろうか。

石巻かほく 2020年2月23日(日)号 つつじ野 より

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