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渋谷区議会議員選挙に立候補して、落選しました!

(実はこの投稿は開票前にしています。本文の内容的に開票後公開だと言い訳みたいになるので笑。)

「立候補を決めたのが告示2週間前、落選前提です!」と申し上げたにも関わらず、「応援するよ」とメッセ―ジを送ってくださった方、わざわざ投票所に足を運び、投票してくださった方がたくさんいらっしゃいました。

本当にありがとうございました。

「今まで区議選で投票したことなかったけど行った」という方もかなり多かったので、それだけでも立候補してよかったなと思っています。

また、立候補をきっかけに久しぶりに「元気?」と連絡をくださった方々、本当にありがとうございました。実はこうした久々のご連絡がとても嬉しかったですし、最も「立候補して良かった」思えることでした。

「落選前提で立候補した理由」を前回投稿でお伝えしてましたが、(コメント欄にリンク貼ってますのでご興味あれば!)その中で、「立候補して分かったことを選挙後にシェアします」と予告していましたので、早速現時点で分かったことをシェアしたいと思います。

立候補してわかったこと

1, 立候補するための提出書類をCD-ROMで渡された

CD-ROM読み取るパソコンなんて持っていないので、読み取る機械を3000円で購入して、データ入力しプリントアウトして提出。だったらメールとかでデータでもらえないのかな、と(笑)

というのが掴みネタです(笑)
以下もう少し学びになりそうな情報をシェアします。

2, 立候補の反響がスゴイ

ある程度の反響は期待していましたが、想像以上でした。首長や国会議員への立候補ならまだ理解できますが、区議会議員への無所属立候補としては想像以上でした。

反響の多くは「とにかく行動したこと」についてでした。
これはとても現代的だと思います。

物事がものすごいスピードで進む現代で、何が正解かも分からない中、「まずやってみる」ということがどれほど大切かということを、ほとんどの人が当たり前に知っているのだなと感じました。

また、単純に「人がやらないことをやる」ということの価値はやはり大きいのでしょう。とりわけ、私みたいな仕事をしていると、わちゃわちゃ動き続けたり発信していないと存在を忘れられてしまうので、そういう部分ではパワフルな年賀状のような効果がありました。

また、「立候補した理由」の長文を読んで「自治体が主体的に稼ぐという考え方が面白い」と意外と多くの方が言ってくださいました。これはかなり嬉しかったです。

そして、誤解を恐れずに言えば、「権威」への関心が高いのだろうなとも感じました。実際のところ、区議にどれほどの権威があるのかは私も分からないのですが、私の過去の「その他の珍しい行動」への反響に比べると、多くの反響がありました。これはおそらく権威に対する関心なのだと思います。

他には「区議選や立候補に興味が出た」という方もいました。
これらの反響が体感できる立候補は意外と簡単ですからオススメです。区議では供託金30万円支払えば基本的にはだれでも立候補出来ます。この辺りは少し生々しくて面白いと思うので詳しくは後述します。

3, 組織票のない無所属新人は基本的に当選しない

知名度のある有名人は別ですが、無所属新人は当選しません。
理由は投票率です。

結局のところ、政治や選挙に関わる多くの問題はこの投票率に帰結します。前回の渋谷区議選の投票率は39.7%です。渋谷区の有権者は184,602人。有効投票総数は71,652票でした。このうちの大半が組織票になります。

組織票が悪いとは思いませんし、無所属が当選し難いことが悪いというわけではありませんが、議員活動をするためには、組織票が必要です。それには既に組織票を持つ政党や団体の公認か推薦を受けるか、地道に地盤を作って自分の組織を作っていくしかありません。

この「票を持つ団体との関わり」か「地盤作り」が議員にとって大切な「業務」になります。投票率が低いということは、「団体の影響力が多くなる→議員は団体を重視する→議員の仕事が団体との付き合いに偏重する→一部団体の意思が地域に作用しやすくなる→団体の影響力がますます大きくなる」ということになります。

団体は議員との繋がっていることが目的化していくことも多いですから、現職が有利になります。「現職者が、経験や実績という意味で頼もしい」というのは当然の評価であるべきですが、「団体との繋がりが太いから」という理由で有利になるとも言えます。

ですので、もし議員になりたい方がいるのであれば、大きな既存団体や政党の公認候補になるか、そうでなければ4年間かけて選挙区内の中小団体と親密なコミュニケーションをとっていく必要があります。

4,クリエイターやビジネスマンも自治体運営へ

そのような中でも、無活動で、「藪から棒に」というような私の立候補に対して、「今からでも本気でやれば20~30票は集められるよ」「俺は渋谷区民じゃないけど、もう少し早く言ってくれれば渋谷区の知り合い動かせたのに」という連絡を多くいただきました。
また、私自身の友人や仲間に渋谷区民は数える程度でも、他の区市町村に多く住んでいます。

そうした状況の中で「これは、もし私の仲間が各自治体で立候補し、互いの友人知人をシェアし合えば、それなりに得票できるのかも」と思いました。そして「これが、政党とか団体なんだな」と当たり前のことに気付きました。

誤解されないように改めて申し上げておくと、私には、何か強い政治信条があるわけではありませんし、政治活動をしたいわけでもありません。

私は、いちクリエイターでありビジネスマンです。
「クリエイティブ的発想とビジネス的思考が自治体運営には必要だし、シナジーや可能性がある」と思い、「その考え方を多くの人に知ってもらって、良い出会いが生まれればいいな」というのが今回の立候補の目的です。

ですので「議員になること」や「議席を獲ること」自体に目的意識はありません。その上で、クリエイターやビジネスマンの集合体が組成されて、自治体の兼職議員を増やせることができたら、世の中や国の役になるのではないかと思っています。

正直に言えば、実はこの考え方が元になって今回の立候補に繋がっています。いきなり「クリエイターやビジネスマンの兼職議員を増やそう」と言ったところで「へえ、よさそうですね」くらいの反応しかないでしょう。まずは自分が立候補してからこのプロジェクトを進行した方がリアリティが生まれ、そこで初めて、周囲の人が感化されてくれそうだなと考えたわけです。

5, 「兼職議員」はもっと多くてよい

現在でも実は地方議員の40%以上がなんらかの仕事との兼職で議員をしています。ただ、都市部では少なくなります。具体的には東京圏の区市部でサラリーマンの兼職議員が多くなると良いと考えています。ビジネスの現場でバリバリ働いている優秀な方が議員になることで、互いの情報が早く多く正しく伝わるようになります。そうすると、あらゆるムダが解消されていきます。生産性は高くなり、必要なものが必要な人にシェアされていきます。

渋谷区議の議員報酬は約900万円です。それでも優秀な方にとっては、専職では金銭的魅力が低いと感じられるでしょう。さらに様々な活動費もこの900万円の中で賄わねばなりませんから、専職の議員で渋谷区に住んで生活していくのは、余裕があるとは言えないでしょう。

ただ、会期は年間90日程度です。それも丸一日というわけではありません。もちろん他の各種委員会などもありますから、約90日の議会だけ出席してればよいというわけではありませんが、多忙なビジネスマンの方々から見ればコスパよく感じられると思います。サラリーマン兼職での議員活動でしたら報酬的には魅力的だと思います。企業側も、一部の社員が自治体の議員であることはメリットがあるでしょう。副業複業が当たり前になりつつありますから、都市部における兼職議員は今後増えていく可能性があると思います。

法定労働時間は年間2080時間ですが、実際は3000時間くらい働いているサラリーマンは多いと思います。個人事業主や経営者なら3000時間くらい働いている人が大勢います。議会だけで年間1000時間はかかりませんから兼職は十分可能ですし、収入は大幅に上がります。
ただ、地元団体とのコミュニケーションにかかる時間が多く必要な場合には、成立しないかもしれません。

6, 地方議員の兼業には国も前向き

自治体と継続的な取引がある個人事業主について、年間の取引額が300万円までなら兼業を認める法律が今年3月に施行されました。また、議員が役員を務める会社が、当該自治体から仕事を受託することも可能です。一定の条件はありますが、判例では、会社の売上全体のうち当該自治体からのものが25%未満であれば問題ないようです。これは私には驚きでしたが、このことを多くの人が知ると、兼職議員を考える人も増えると思います。

7, 選挙にかかるお金について

結論から言えば、区議選にかかる費用は供託金の30万円だけです。それ以外は不要です。(ちなみに、区長への立候補の供託金は100万円、都県議は60万円、知事は300万円です。)しかも供託金は一定の得票があれば戻ってきます。

もっと言えば選挙ポスターもちらしも、一定の得票があれば公費負担です(枚数上限などはあります)。一定の得票とは「有効投票総数÷議員定数×1/10」です。前回の渋谷区議選では211票以上の得票があれば公費負担となります。(当選者のボーダーラインは1,118票でした。)

少し話が逸れますが、選挙カーはなんのためにやっているのか。
「あんなのうるさいだけだ。それで名前を聞いたからって、それだけで投票することはない。」というのが大多数の感覚じゃないでしょうか。

立候補者もそれはわかっています。ではなぜか。
そもそも主たるターゲットが浮動票ではないのです。4年かけてコミュニケーションをとってきた、支持者や団体が主な対象です。彼らに自分を思い出してもらうため、その総決算として決意や意欲を改めて伝えるためのものです。そして、この選挙カーも得票数が一定以上であれば公費負担になります。

ですので、組織票を持つ候補者や再選可能性が見込める現職議員にとって使わない手はないわけです。私はもちろん選挙カーは使用してません。ちょっとやってみて動画アップとかしてみたかったですけど(笑)
余談ですがポスターは意外と重要です。知人の多くから「ポスターで立候補を知った」と連絡が来ました。また、ポスターで初めて私を知って興味を持ち、連絡をくださった方も数名います。これは驚きでした。

最後に

とりあえず今日のところは以上です。
「渋谷区の役に立てる」と思ったから立候補したのですが、それ以前に、私の考え方や存在が人に伝わり、新しい仲間と出会えて、何か新しい物事が生まれると良いと思ったことが動機です。今夜以降、私の意思とは無関係にいろいろなことが起きるのだろうと思います。それはそれで、またご報告できるようになるといいなと思います。

最後になりますが、このような立候補騒ぎを支えてくれたスタッフのKさん、アルバイトやボランティアの皆さま、オンラインサロンのメンバー、お付き合いありがとうございました。感謝しています。温かく見守っていた家族や親族にも感謝を伝えたいと思います。

メッセージをくださった方、投票してくださった方、改めて深く御礼申し上げます。
私は渋谷区に生まれ育ちました。地元愛が強くあります。子や孫や、その先の代まで、豊かで安心して暮らせる地域であり続けることを、一区民として願っています。

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