短編小説集「キミがこの物語を読んでくれる日まで」の発売について【小説を出すことになった経緯】
こんにちは。高瀬愛虹です。
作詞家として10年以上活動して来ましたが、この度、短編小説集を出させていただきました。
驚いた方もいるかもしれません。でも、たぶん私が一番驚いています。
今回は、小説を出すことになった経緯をお話ししたいと思います。
これまで、小学生の頃から作詞家を目指していて、夢を叶えたということをお話したことが何度かありました。
しかし、小説家になりたいと思ったことは、ありません。
興味が全くなかったというわけではありませんが、具体的に自分が小説を出すという未来を想像したことがありませんでした。
人生というものは不思議なもので、それは、ある日のこと。
ハートカンパニーの社長である斎藤滋さんにストーリーが書ける人がまわりにいたら嬉しいから、試しにショートストーリーを3つくらい書いてもらえたら…というお話をいただきました。
「書いてみます!」と二つ返事で挑戦する旨を伝えたものの、このことから具体的なお仕事に繋がらないかもしれないけど、いつかちょっとしたストーリーを書く仕事に繋がったらいいなくらいに思っていました。
これまでご依頼を受けて短いシナリオを書く仕事はしたことがあり、もっとこういう機会が増えればいいなとは思っていました。
斎藤さんからお話を受けたとき、ショートショートというものを知っているかと質問されたのですが、私は名前だけ聞いたことがあるレベルでした。
求めているのは、ショートショートのように短くて展開にユーモアがあるようなストーリーとのことで、斎藤さんのおすすめのショートショートを読むことから始まりました。
2週間で2つのショートストーリーと1つ長編ストーリーのプロット、そしてその長編ストーリーを元にしたショートストーリーを1つ出しました。
提出してからしばらくして、斎藤さんから連絡があり、「ショートストーリーが面白かったので、小説を出しませんか?」というお話をいただきました。
うん?小説??
そのままどんな風に小説を出すかという具体的な話が始まり、最後に「小説を出してみませんか?」ともう一度言われました。
自分としては期待値の低い状態からとてもポジティブな方向に斜め上なお誘いをいただき理解が追い付きませんでしたが、作詞家としてどうにかこうにか荒波に揉まれながら10年以上生き抜いてきた私は、“これどう考えてもYESと言っておくべきところだ”と頭をフル回転させて、「出しま…」まで声に出したところで、“でも、まじで私が小説を出すの?”という信じられない想いが後を追う波のようにやってきて、「出しま……す?」と、疑問文っぽい返答をしたことを鮮明に覚えています。
なので、ある日小説を出すというお話が空から降ってきたような感覚です。
というのも、作詞に関しては小学生の頃から目指してきて叶えてこれまでどうにかやって来たというところがあり、これだけ努力してこれだけ人生を懸けないと自分の手掛けた作品というものを対価がつくものとして世に放つことは出来ないんだなと思っていたからもあります。
このような経緯だけお伝えすると小説を出すことを軽い気持ちのように感じられる方もいるかもしれませんが、本気で取り組み、作品を完成させました。
書いていて思ったのは、作詞家として培ってきたものが作品に滲み出ているということです。
それは描写の描き方であったり、会話のテンポ感においてはキャラソンを作詞する中で培ったものだと思います。他にも所々に私らしさや私が今まで書いた歌詞に通じるものがあるように感じています。
特にアニソンの仕事をたくさんして来て、作品やキャラクターと向き合ってきて得たものが詰まっていると感じながら執筆しました。
そんな作詞家としての私とは別に、私の好きなものから溢れているものもいっぱいあると思います。
私は、「えぇぇぇぇぇぇっ!!!!」となるようなびっくりするような展開のストーリーが大好きで、そういう作品を好んで触れてきた私らしさも詰まっています。
ショートショートよりも人間ドラマがあるようなハートフルな部分もある作品がほとんどなので、展開のユーモアさ以外の良さもあると思っています。
この作品の魅力を語るにはネタバレを避けれず詳しく書けないのですが、事前情報が少ない状態で楽しんでいただきたいです。
作詞家が書く小説ってどんな作品なんだろうと思った方、ショートショートのようなユーモアな展開が好きな方、たくさんの方に楽しんでいただけると幸いです。
この作品がみなさんにとってステキな巡り合わせになりますように……
高瀬愛虹
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