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Bスポット上咽頭擦過療法EATの正しい方法

コロナの後遺症に、Bスポット療法が広まっています。しかし、正しく慢性上咽頭炎を診断して、効果が見込まれる患者さんに、適切に治療すべきです。

流行っているので、多くの開業医が始めました。しかし、皆いい加減です。上咽頭を、確実に治療するためには、内視鏡が必要です。

この動画のように、学会はすすめています。カメラを使わないで、肉眼で綿棒を突っ込むだけの先生、アウトです。

肉眼で綿棒を入れるだけでは、上咽頭を擦過しているか分かりません。

近所でBスポットしている先生も、カメラを使っていないようです。そこで治らない患者さんが受診します。上の動画を見せて、「こうしないと治療にならないよ」と説明しました。「こんなに丁寧に治療してくれない。チャチャっと綿棒入れて数秒でおしまい。」と患者さんは言います。

40歳代の男性患者:処置後に鼻血が出るのは、良い兆候と思っていましたが、どうも鼻の入り口から鼻血が出るような気がして、心配になって受診しました。鼻中隔が曲がっていて、薬が手前にだけついて、上咽頭には届いていませんでした。

20歳代の女性患者;20回通ったけど、良くならないので受診しました。カメラで見ると、そもそも上咽頭に特徴的な炎症サインはありませんでした。

左が治療前:敷石状の粘膜の盛り上がりと、白い苔のようなものがついています。
右は治療後:ツルッとしてきれいな粘膜になりました。

内視鏡の画像で「この辺りに炎症があります。」と説明してくれる先生が正しい治療をしています。初回は、綿棒でこすっただけで、上咽頭から出血するかを確認します。乾いた綿棒でこするだけでも出血するのが、慢性上咽頭炎サインです。

ただこすっただけで、血が出る。炎症があって腫れている証拠です。

上のリンクを見てください。長年、Bスポットを正しく治療している先生が言います。「週に1-2回を半年間、24回は続けてください。」気軽には始められません。

開業医さんでは、Bスポットに来ると、再診料730円と外来管理加算520円の両方を請求できます。患者の総人数を増やして収益を上げるので、Bスポットは客寄せになります。しかし、ベット数が200を超える総合病院は、外来管理加算が取れません。あまり儲けにならないのです。このため、Bスポットは開業医さんで、流行しています。当院では、始められません。

手間ひまがかかるBスポットに、診療報酬がつけば、総合病院でも広まると思います。厚生省の判断にかかっています。


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