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【依存症が出てくる映画の話#3】「バット・ヴィーガン」優秀な女性実業家が貢いだ男の正体とは!?

(つか)今日は3回目です。

(りこ)今まで旬ではない、公開同時ではない映画をご紹介させていただいてましたね。

(つか)公開からしばらくたった作品ね。

(りこ)うまいね。やっぱアナウンサーは。
ちゃんとした日本語の言い回しが、私なんて、やっぱり本当にそういうのを見ると勉強になりますよ。
今はどっちかというと映画館よりもアマゾンとかネットフリクスで新しい作品が出ると大きな話題になるじゃない?
今日は、割と最近公開されたバッド・ヴィーガンというとドキュメンタリーを取り上げたいと思います。
 
(りこ)これネットフリックスですね。

(つか)はい。ご紹介したいと思います。

(りこ)つかもっちゃんにも見てみてと言いましたね。

(つか)見ました。
これ結構大興奮と言うか、言いたい要素がたくさんあります。
ドキュメンタリーだし実際に起きた事件だから知ってる人もいると思うんだけれども、ちょっと私ネタバレ苦手かもっていう人は、自分で実際に見た後にこの動画をもう一回見て下さい。
 
(りこ)なるほどと思って見ていただけると、ありがたいです。
この作品はロー・ヴィーガンの女王っていうことでサルマ・メルンガイリスさんという人が恋人に洗脳されて、お金を奪われて転落していくんです。
最後はもう授業員の給料も払えなければ、投資家をだましてしまうという結果になってしまって逮捕されるに至るまでの様子を4部構成でやるわけなんですけど、すごいよね。
だって本人が出て、被害にあった人たちもみんな本物が出てくるんだもん。
 
(つか)全部その人たちのインタビュー構成みたいになっているんですよ。
彼女自身がそもそもカリスマ。
 
(りこ)そうそう、このロー・ヴィーガンって知ってた?

(つか)ロー・ヴィーガン知らない。

(りこ)ロー・ヴィーガンってどういうことか私たちも知らなかったので、ちょっと調べてきたんですよね。
 
(つか)ベジタリアンっていうのは肉とか魚を食べない人のことを指していますけれども、ヴィーガンはそれに加えて卵とか乳製品、ハチミツなどの動物性食品は口にしない結構厳しいんですよね。
ローヴィーガンの「ロー」は「生」のこと。
48度以上の熱を加えた調理は行わない。
食材に熱を必要以上に加えないことで栄養素や酵素を破壊せず効率よく摂取できるので病気の予防とか健康増進に役立つというふうに言われているそうです。
 
(りこ)つまり、こういうことをやったっていうことは、この女性自身、頭も賢いだろうし、環境問題とか健康問題とか、そういったものにものすごく興味のある人だっていうことだよね。
私なんて真逆。卵・乳製品・はちみつ、毎日食べてるからね。大好物だよ。
熱っつ、熱っつのが好きだし。
 
(つか)この間、立ちそばで食べている時に全然違うなみたいな感じがしました。
それを見て自分はちょっと難しいかもしれない。
 
(りこ)でも、そういうことにものすごく興味あるっていう方だよね。
このヴィーガンの女王がサルマさんの経営するレストランというのがニューヨークで大ヒットしたんだよね。
ジゼルとかトム・ブレイディも来たりするから、従業員も「なんだこの店!」「本当に!?」みたいにワクワクしているんだよね。
 
(つか)従業員が働いてみたら、セレブリティがバンバンくる店だから、なんだこの店はみたいにして驚いているんだよね。

(りこ)そういう証言が出てくるんだよね。
実は日本でも出店してるらしいよね。2012年頃が絶好調だったんだって。
調べてみたらね、日本に来日しているのは2014年ぐらいだった。
1日の予約は300人で、年間の売上が700万ドル。
700万ドルっていくら?7億円?
 
(つか)そんな?算数2とかだから、よく分からない。

(りこ)年間の売り上げがそれだけあって、このサルマさんが綺麗な人なんだよね。
 
(つか)最初の方を見ていて一番印象に残ってるのが、かなり良い大学に行って、経済か数学っぽいことをやって、要は周りの人たちは銀行とか証券会社とか、そういうところに勤めていくんだけれども、彼女の関心があったのは全然違う。
料理雑誌が好きで料理の勉強がしたかったっていう話をしていて、なるほど頭がいいけれども自分が好きなのはこっちっていうのはよくわかってる人なんだなっていうのを思った。
 
(りこ)そうそう、本当に綺麗だし、知的だしっていう人で、みんな、そのお店に来る人たちが彼女のファンになっちゃうらしくて、なんとアレッグ・ボールドウィンも来て、しかもサルマに気があるんだよね。
ちょっかいを出したというところがあって、当時彼女は別の恋人がいたので、全部そでにしてしまったというような話があって、「いやもったいなー」と思って。
私だったら絶対行くでしょうみたいな感じだったんだけど。
 
でも、このアレック・ボールドウィンが最初ちょっとキーマンになっていて、ご本人は全然そんなこと意識してないんだけど、この彼女を洗脳していく相手っていうのが、このアレックの twitter につながってたんだよね
でも、実はツイッターなんて無関係の人だって全然つながれるわけじゃない
でも、ちょっとやりとりがあるからアレックの知り合いなんだと思って、そもそも信用しちゃったっていうのがあるみたい。
 
(つか)洗脳した恋人のほうがね

(りこ)この恋人とお店で出会うんだけど、その後ツイッターを見てみるとアレックとやり取りをしているからということで、そもそもの信用から入っていっちゃたんだよね。
今、話題のユーチューバーとかもいるじゃない?
やたら有名人といっぱい知り合いがいてさ。
今、暴露しちゃってるっていうあの方の番組なんかもあるけど、つかもっちゃんもNHKのアナウンサーやっていると?

(つか)全然ないですよ。

(りこ)いろんな人が近寄ってきたりしないの?
でも逆は、あっただろうな。
つかもっちゃんといて、「この人はNHKのアナウンサー」と言ったら、その人と一緒にいる人が例えば悪いやつだったとしても「NHKのアナウンサーと知り合いだったら、なんか信用できる人なんかな」って思っちゃうっていうのは、あるかも。
 
(つか)なるほど、そういうふうに使われないようにっていうのを局から教えてもらうっていうよりは自分で気をつけてたっていうのはあるかもしれない。
この人と一緒に写真を撮ったらどうなんだろうとか、そういう危機管理は結構ちゃんとしてたけど。
別な危機管理がダメだったという感じ(笑)
 
(りこ)自虐ネタ。
この人は、しばらくして恋人になっていくんだけど。

(つか)その騙す人とサルマさんがね。

(りこ)そのアンソニーっていう恋人の正体がすごい謎めいてるわけよ。

(つか)正体を明かせないような職業なんだとか。
 
(りこ)でも最初は高級車に乗ってるし、ロレックスのギンギラギンのつけてるし、ということでお金はあるんだろうなって思っちゃう。
でもこんなに知的な人たちでも、こんな怪しい人と、そんなすぐに恋人になっていくものなんだなっていうのはちょっと意外だったけど。
 疑うことを知らない人っていうのも世の中にはいるんだなっていうのは思う。

(つか)この彼が言ってるのは、「命を狙われる仕事なんだ」とか、「スパイなんだ」とか、「地下組織の人間なんだ」とか、「君たちがこうして安心してアメリカ国家で暮らせているのは僕たちみたいな人間がいるおかげだ」とか、「もう戦場は嫌だな」とか、いろんなことを呟くんだよね。
これだけ聞くと、なんかちょっとそれないだろうみたいな、それを信じることにないだろうと思うかもしれないけど、信じちゃうんですよね。
 
(りこ)やっぱりその辺にはすごくうまいテクニックとかがあるのかなと思うんだけど、でも実はちょっとこの人はメールに細工したりして、信じさせるような、ちょっとからくりもあったりということがあるんだけどね。
ただ、このサルマさんが洗脳されてた背景のヒントがちょっと所々にあったなぁという風に思っていて。
 
彼女は2億円の借金を背負ってニューヨークにレストランを女1人で始めるじゃない。だから仕事で絶対成功したいと思っていたんだよね。
「その支えが欲しかったって」ドキュメンタリーの中で言ってたのと、あとは9歳の時に両親が離婚してるのね。そこから彼女の性格が変わっていくみたいなところがあるんだけど、他人と違うことがしたかったとか、周りと溶け込めないと感じていたらしい。
「普通が嫌で、変わったことがしたかった」みたいなことを若い頃から思っていたと言ってたんだけど、そういう背景もちょっと関係するのかなっていうのは思った。
 
男性に得体の知れないお金をどんどん貢いでいくってギャン妻そのもの
ギャンブラーの妻そのものでしょ
 
(つか)ここでやっぱり依存症が出てくるわけですよね。

(りこ)ここからはもう完璧なネタバレになっちゃうんだけど、アンソニーは、この引っ張ったお金を何に使ったかっていうとカジノ!
カジノに使っていたギャンブラーだったんですよ。
 
(つか)もう私、動画を見ていて、「ギャンブルだった」っていうのが出てきた時に「はぁ」ってため息ついて、りこさんがこれを見ろと言ったのは、こういうことかぁみたいな感じになりました。

(りこ)そうでしょ。
私たちも夫からいろんな嘘をつかれて、こんな大規模じゃないよ、もちろん。
夫がスパイの仕事をしているかもしれないなんて思ってないよ。
夫の勤め先とかはわかってるけど、でもちっちゃい版のサルマやってるなとは思ったわけ。
 
(つか)確かに夫がそれこそお金を引っ張ってくるために、葬式が続いてとか、お小遣いをごまかすためにちっちゃい嘘をついたりとかっていう違いなだけであって、それこそサルマはお金を渡すけれど金額の大小の違いはあんまりないんだろうな動きは、なんとなく見ていて思いました。

(りこ)だって私なんてうちの夫に、中村君という実在する人物をダシに、
「中村が金にだらしなくてさ、金貸しちゃってお金ないんだよ。」なんて言われてさ「しょうがないわね~」とか言ってさ、お金渡すじゃん。
「返してくれないんだよ」と言ってくるから「もう貸さないでよ」と言ってまた貸してなんてやっててさ。
実は、中村くんじゃなくて、うちの夫がギャンブルで使ってただけみたいなことあったもんね。
 
(つか)詐欺師はほんのちょっと本当を混ぜていくって言うでしょ。

(りこ)すっごい信憑性があるわけよ。
中村くんがうちに遊びにきて一緒に夫とギャンブルの話をしているのとかも、知ってたからさぁ。

(つか)本当に中村くんが返してくれないと思っていた?

(りこ)本当に信じていた。
そうやって不思議なお金が何年も何十年もちょこちょこ出ているのに、普通の全然巻き込まれてつかもっちゃん見たら、それ出さなきゃいいんじゃねって思うでしょ?
 
(つか)なんで出すの?みたいになる。
今回のサルマに関しても、これだけ聡明でちゃんとした大学も出てて借金を抱えながら、ちゃんと返済もしてたから、経営もちゃんとしっかりしてた人が騙されるんですよね。

(りこ)だから私たちもちゃんとしてるのよ、つかもっちゃん(笑)
 
(つか)依存症の家族もちゃんとはしてる。

(りこ)知らない人は、「そんなもの親の教育が悪い」とか、あとは「妻がしっかり管理しろ」とか言うんだけど、そうじゃないんだっていうことよね
しっかりしてるし、お金の管理なんかちゃんとしてるよと。
でも、その上手を言ってくる嘘が出てきたり、そもそも愛してる人を騙すと思わないじゃん?っていうとこから始まっちゃうわけなんだよね。
だから、やっぱり人って簡単に洗脳されるんだろうなっていうのは思った。
 
(つか)それが今回の場合は額も多いし、結構巻き込まれる人の規模も大きい

(りこ)私たちから見ると、なんでって思うんだけど、多分始まりはちっちゃいんだよね。
それがだんだん頻繁になって額も大きくなって気がついた時は身動きできなくなってるんだけど、一気にその最後の結末になっていったような。
そういう額をボンと言われたら、それは誰だって疑ってかかるけど、初めはちっちゃいことから始まって、それがだんだん大きくなって、しかもその間には良いこともいっぱいあるわけよ。
 
このサルマは仕事ですごく頼りになる人を探していて、頼りになるようなことを言ってくれたりするわけよ。
そういうやりとりの間にだんだん洗脳ってされていくんだなっていうのは、すごく思った。
 
(つか)信用も得ていくっていうのが大事なんでしょうかね

(りこ)だって私も今自分が団体の代表やってきたけど、「どうやっていったらいいかわかんない」っていうことをずっと思いながら8年間やってきたわけですよ。
でも、まだずっと課題がどんどん見えてくる中でさ、
お金がない団体だから、そんなことを言ってくる人いないけど
「俺に任せろ!と、全部りこちゃんのやりたいようにやれるようにサポートしてあげるし、りこちゃんを全部プロデュースしてあげるよ
だから貯金通帳を渡して」って言われたら、そうなんだって思っちゃうかもしれないよね。
 
(つか)結局でも、この騙した男っていうのは、どういう人だったんですか?

(りこ)背景が私と一緒ですよ。
お父さんギャンブラー、この男の人って、お父さんとお母さんが小さい頃に離婚してるんだけど、その離婚のきっかけになったというのが、この父親がアンソニーがちっちゃい頃からギャンブル場に連れて行ったわけ、抱っこして私なんかと全く同じ。
 
(つか)日常にギャンブルがあった。

(りこ)そしたらサイコロをふって吹いて「こいこい」っていう仕草をしたんだって、このちっちゃい頃にね。
それでお母さんは、父親がアンソニーをギャンブル場に連れていってるんだっていうことがわかったわけよ、その仕草で。
わかる?その仕草って。
 
(つか)願掛けみたいなのでしょ。映画でもよくみます。
 
(りこ)クラップスとか、日本で言えばチンチロリンとか、私もよくやりましたよ。

(つか)りこさん、やってそう。
(りこ)やってました。振って、こういうふうに「ふっ!」ってやるんだけど、それを息子がやったのでバレて、離婚になっていく。
実は世代伝播のこの人も我々の仲間なんですよ。
 
(つか)要はサルマから巻き上げたお金というのは、派手に使ってるっていうよりは、それこそカジノに流れていた。
 
(りこ)従業員もびっくりするわけです、後でわかって。
「まさかカジノに流れていたとは思わなかった!」みたいな。
 
(つか)私のもう一つ印象的にあるのが逮捕されて、警察官が気を遣って、サルマに要は旦那にお別れのハグとキスをしてもいいよって言うんだけど、サルマは結構冷静で「それしなきゃダメなの?」みたいなことを言ってるんですよ。

(りこ)あったね
(つか)多分したくないんですよね。スキンシップも嫌。
 
(りこ)わかる~。だからギャンブラーの妻も相談に来るときに別れたくないし、何とかしたいと思ってくるんだけど、「そんなに愛してるんだ?」っていう風に言うと「愛してる?」みたいになるわけです。
「それはどうか分からない?」みたいな。
どうかわからないけど、やっぱり何とかしたいみたいな執着なんだろうね。
これだけやらかしたんだし、何とか取り戻したいっていう気持ちとか。
パチンコに突っ込むと同じで、見返りがないとって執着しちゃうというのもあるんだろうね。
 
(つか)そこまで要は冷静なわけじゃないですか。
自分の感情がわかっていうことに関して言えば。
だけど、そこから抜けられないっていうのはサルマ自身はギャンブルやってないんだけれども、共依存みたいな。
 
(りこ)だから洗脳って本当に我々、共依存の人達ってもう、ほんと紙一重だなっていうふうに思って、だってお金を引っ張る時に、必ず甘いことがあるわけよ。
このお金さえ出してくれれば自分は立ち直りますみたいなことか交換条件にあるわけじゃない。
だから立ち直ってビシッと稼いでくれて女房・子供を大事にしてくれる夫に次はなるはずと思っているわけよ。
でも今回ちょっとなれなかったんだけど、次はちゃんとそうなりますと言って、そこにずっとかけ続けちゃうわけだからね。
だから私、これは本当に普通の人が見たら、こんな洗脳されるなんてバカな女だとか思うんだけど、他人事と思えない。
 
(つか)でも、このドキュメンタリーを見て、他人事って思うのは簡単かもしれないけど、実はこれ誰でも起こることなんじゃないかなっていうふうに思ってみると、別の見方というか。
 
(りこ)洗脳って、ほんと誰にでも起こることだし、自分に起こらなかったとしても自分の家族に起こるかもしれないことじゃない
だから知っておく事って大事だなとか、ちっちゃい頃から子供たちに境界線っていうことを自分も実践して、踏み込まない、踏み込ませないとか、人の尻拭いをしないとか、きちんとビシッと断る方法とか、そういうことをちゃんと教えていく必要ってあるなぁと思った

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