ググリ力の上げ方

ググる能力って、重要とは言われることが多い気がするけど、具体的にどういうもので、どうやって向上させるかみたいなのはあまり見たことがない。ので、適当に書いてみようと思う。

結論

で、あらかじめネタバレしちゃうと、ググリ力を上げるためには日常で以下のことを意識すれば良いと思う。

・構造的・体系的な知識を身につけることに投資することを意識する
・逆に、些細な知識、検索してすぐ取ってこれるような知識は無視する(重要度を下げる)

なぜかをちょっと補足していく。

まず、ググるとは


ググる能力を上げるというのだから、ググるっていうのがまずどんな性質のものかを知ったほうがいいはず。ググるっていうのは、「単語」や「短い短文」に関連した情報を取得するっていうこと。だから、ググリ力ってのはまあ、ググリによって情報をうまく・素早く活用できる能力ってことだろう。で、それを向上させるためには、ググりに備わる性質を理解することが、うまく活用できるか否かを分けると思う。いくつかあると思うけど、論点に関係しそうなことに絞って書いてみる。

性質0 単語や短い短文の選択に、得られる情報の結果が依存する
性質1 単体の知識を取得するのに長けている
性質2 構造的・体系的な知識は取得しにくい

まず性質0。これが表面上は一番問題のように見えるかも。良質な情報を取るためには、そもそも良質な検索ワードを知っていなきゃいけないという話がある。とはいえ、下に述べるような知識の構造の話を理解していれば、何回か検索を繰り返して精度を上げていくことで、(おおよそ)問題ではなくなる。ていうのも、知らないうちからでも構造に狙いが絞れるから。つまり、検索キーワード自体を知らなくても、その背後というか、メタ的な知識というものの構造については知っているっていう場合には、多分そんなに問題なくなる。今回の主題は、この知識の構造を把握して、構造的・体系的な知識を日常から狙い撃って身につけようという話。

そして性質1、2。そもそも「単語」や「短い短文」で取って来れる情報というのは、それ自体で成り立つ単体のものに偏ってしまい、構造的・体型的な情報はひっぱってきづらい。なぜかというと、構造的・体系的な知識は一言では表すことができないから。なんなら、一言二言で表せないような知識をここでは構造的・体系的な知識と呼んどこ。この性質1、2に関連する話なんだけど、そもそも検索で得られがちな情報がどのような性質を持っているかっていうことを理解するのが、ググリ能力向上のポイント。その上で、じゃあ具体的にどういう行動をとればいいのかという話になってくる。

知識・情報の性質

情報というか、知識には構造があって、順序がつけられたりする。例えば、ピアノとギターは一見すると全然別のものだし、作り方・遊び方にも別の知識が必要だったりすると思うけど、音を鳴らすという点では共通しているので、音楽理論をベースにどちらも理解することができる。さらにその下には、どちらもこの世界の物理で動いて音を鳴らしているので、物理の力学とか振動とかいう話で理解できる。さらにそのベースには、物理の現象は数学で記述できるのだから、なんか方程式書けるよね、とかそういう話になってくる。ピアノの弾き方、だけでは話がピアノに閉じちゃうけど、音楽理論までいくと楽器全部、物理までいくと楽器どころか世の中のものほとんど、っていう風に適用範囲が増えていく。

他の例で言えば、プログラミング言語。PythonとかCとかJavaとか色々あるけど、それらの文法とか書き方っていうのは一番上の部分の知識になるわけ。その下には、そもそもプログラミング言語ってなにか、という話だったり、パソコンってどういう原理で動いているのか、とか、OSって何か、CPUって何なのか、っていう話。CPUってどういう物理で動いているのか、とかどんどん共通する構造が見えてくる。Pythonの書き方だけ習えばそれはそこまでの話だけど、コンパイラ・CPU・OSとかの仕組みを知れば全てのプログラミング言語に通ずる話になる。

要するに、根本の知識の方が広い分野、範囲に通じているから、根本を学ぶと一気に超広い領域全体を少しずつレベルアップすることになって効率がいいという話なんだが、それだけではない。自分の中にまとまった知識の構造ができると、検索で取得できるような枝葉の情報の推測・予測が効くようになる。実用上はこの能力がググリ力と呼ばれているような気がする。そして、こっちが多分ググリ力を上げるていうのの根幹かと思われる。

もし構造的・体系的な知識を持ってなかったら?

結論で、構造的・体系的な知識を身につけるのがググリ力を上げるポイントだと書いたので、もし、その構造的・体系的な知識がなかった場合どうなっちゃうのかというのを、短い目・長い目で見た場合のそれぞれ書く。基本的に、ググるときって言うのはどこかの階層の情報の極一部しか取ってこれないわけだが、

短い時間軸で見る場合

短期的に見るなら、もし構造的・体系的な知識を持ち合わせていない場合でも、そんなに問題にはなりにくい。すぐに即効性のある知識を取ってこれるわけだから、時間の無駄がない。それでも理解のスピードが遅いとか、そもそも理解してないとか、そういう問題は常々発生するが。

一方、長い時間軸で見た場合

この場合、ググってどこかの知識の一部を拾ってくることを続けるっていうのはとても効率が悪くなる。なぜか?それは、知識の枝葉ばかりを取ることに終始して、根っこの構造を理解していないから。中で知識がどういう風につながり合っているかということ理解していない。枝葉の情報の推測がきかない。自分の中でまとまった知識の構造がないと、検索で取得できるような枝葉の情報の推測・予測が効かずにいたずらに時間を消費する場合がある。最悪の場合、何をググってもどこを見てもなんもわかんない〜状態に陥ったりもする。

でも、もし構造的・体系的な知識を持っていると?

構造的・体系的な知識を理解していると、検索で得られるような情報がどのようなものかっていうのの予測・推測ができるようになる。そのため、当然検索キーワードには良質なものを思い浮かべられるし、なんならもう検索しなくていいやってことも増える。そして、予測できてるんだから検索結果が表示されてからの理解も当然バカ早い(→おそらく他人から見て目立って差として現れるのはこの理解度の速さ)。

時間軸が短い・長いを持ち出したのには理由があって、実際は、この体系的・構造的な知識を身につけるのにも時間と労力が大きくかかるから、時間を考えないとフェアじゃない。なので、現実的には、ある時間軸を考えて、ある時刻tで

(ググリ力・理解の効率の悪さによる合計ロス時間)<(構造的・体系的知識を身につけるのにかかった時間・労力)

の関係が逆転するタイミングがいつか訪れるはずで、

(ググリ力・理解の効率の悪さによる合計ロス時間)>(構造的・体系的知識を身につけるのにかかった時間・労力)

ちゃんと構造的・体系的知識を身につけて、それだけの時間tを運用できた場合には、それ以降はそっちの方が効率良くなる(ググリ能力UP!)。逆に言えば、そのtに達さない範囲の短い目線で見ると、体系的・構造的な知識を頑張って身につけるのは割に合わないと言える。

で、一旦この時間tを超えてしまって、構造的・体系的な知識を運用し続けてられるようになった場合どうなるのか。こうなると、周りから一目瞭然でわかるレベルでめっっっっっっっっちゃ差が見えると思う。その差は、作業速度の速さなり、資料のまとめの速さなり、理解の速さなり、といった箇所で。今回のテーマはググリ力だったけど、結局、問題解決能力と近いとこあるんで。

まとめ


で、最初の結論を穿り出すと、ググリ力を上げるためには、

・構造的・体系的な知識を身につけることに投資することを意識する
・逆に、些細な知識、検索してすぐ取ってこれるような知識は無視する(重要度を下げる)

結局、構造的・体系的な知識を得るように日常生活を仕向けることが、長期的に見てやばいググりパフォーマンスを生み出すという話でした。じゃあそれはどうやってやるの、っていうのは、そういうことが自分より得意そうな人にメンタリングしてもらって、ギガドレインするのが一番早そう。


おまけ

*構造的・体系的な知識を身につけた状態ていったいなんなの?
→このケースだと、教科書の目次の各章のタイトルの間の関係を繋がりを持って(ある程度の詳細も含めた上で)説明できる能力みたいな感じに捉えればいいのかも。だから、この状態に到達するにはググリだけでは難しいのよね(検索キーワード1つだけじゃ無理で、少なくとも目次にあるワードの数だけ検索して、さらにその間を埋めないといけないわけだから)。

*じゃあ、その状態に達するには、概念自体を覚えるというよりかは、概念同士の関係性を理解する(≒説明できる)ようにすればいいてコト?        →だいたいそう。概念というのはすなわち単語の意味で、概念同士の関係性を理解するていうのは単語同士の意味の繋がりを説明できるとすれば、それが構造的・体系的な知識を身につけていくっていうことちゃうかなと。繋がりがポイントぽい。


*ググリ力が高い
→Googleでなんか検索して、いい情報を探して、なんか情報集めるの早くね?みたいに思われる状況が比較的多い状態

*プログラミングで言うと、コンピュータアーキテクチャを勉強しておくみたいなこと?
→だいたいそう

*学校の勉強でいうと、脳の仕組みとかモチベの理屈をまず勉強しろよみたいなこと?
→だいたいそう

*スポーツでいうと、武井壮が言ってる身体の動かし方をまず学ぼうみたいなこと?
→だいたいそう

*短い時間軸で見ても、構造的・体系的な知識がないと効率悪い・ないしは情報が集められなかったりすることね?
→その通りだが、構造的・体系的な知識はノーコストで身につくわけく、そこにちゃんと労力・時間はかかるよ、っていう話に繋げたくて、流れが汚くなった。


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