見出し画像

コロナ後2年での卒業を迎える皆さんへ

2022年3月10日
あちこちで、卒業の声が聞こえ始めてきた。
中高大学はこの時期の卒業式が多いだろうか。

うちの子は小学6年、卒業式自体はあと2週間ほど先だが
皆、人生における一つの区切りを迎えるという事だと思う。

人生を振り返る、一つの特別な瞬間に至った、「卒業」を迎えた皆さんに、
まずは「本当におめでとう!」を贈りたい。

そして、自分の子も含め、今年卒業を迎える人たち、
それは、日本で新型コロナウィルスの脅威が目立ち始めてから丸2年経ったタイミングで卒業を迎えた皆さんに、
一人のアラフォー世代として、伝えたい言葉を残そうと思う。

あの日、これからの2年を失った皆さんへ、大人として謝りたい

2年前、まだ新型コロナウィルスが対岸の火事に感じられていたあの頃は、
1年2年上の学年の雄姿を見ながら、これからの学生生活の充実を楽しみにしていた人もいただろう。
しかし、2020年の2月下旬、日本でも猛威を振るったウイルスの影響が出て以来、学校は休校になったり、様々な行事は中止になったり。思い描いていたことが何もできない日々が続き、それが、2022年の今でも続いている。
希望を抱いていた、2年の月日を過ごせず、ある意味今の学生生活の終わりを迎えたことに、残念な気持ちを持っている人も多いと思う。

誰が悪いという事ではないし、誰かを責めるべきことでもない。
だとしても、こんな時こそ教育と体験の場を何かしらの形で維持できるよう、柔軟に対応する社会力をつけておくのは、我々大人の責任だったと、私自身は思っている。

動けなかった。何をしたら良いかわからなかった。
親として社会人として、情けなさを感じながら、何かしなければいけないと動き出したこともあったのだが、
2年経った今、結局自分の子どもに対しても何も変えてあげることができず、卒業までに間に合わずに終わったことが沢山あり、
子どもの皆さん、学生のみなさんに、頼りない大人で本当に申し訳ない気持ちでいる。

そのもどかしい感情こそが、他に誰も持ち合わせていない武器になる

大人の力不足もあるのだが、そうは言っても未曽有の災厄にどうにもならなかったことは仕方がない。

でも、この2年は空虚な2年だったのだろうか。
満たされない思いは数知れずあった。しかし、それもすべてが自分の、自分だけの経験なのだということは、心のどこかに持っていてもらいたい。

小学生なら4年生、大学生なら2年生の、これから高学年に上がる時期、
中高生なら1年生のやっと新しい学校がわかってこれからという時期から、
その先の、あると思っていた学生生活がなくなった感覚というのは、
全世界全世代で、今あなたしか持っていない思いだと思う。

当時、卒業直前で目の前からすべてを外された2年上の世代
混乱の1年を経てこれまでと違う卒業を迎えた1年上の世代
そして、その怒涛の変化をみて体験した今年卒業の世代
学業・卒業とは異なる世界にいた社会人世代

みんな、同じようでちがう自分の体験がある。
それが、貴方だからこそわかる意見や感覚として、
これからの変化の激しい時代に、誰かや世の中に還元できる価値に既になっている。

辛さを知る人は、その辛さを理解できる優しさと、課題意識を持つ強さを持つ人だ。
大変な事、諦めたこともあったし、その中でもできることを探し、やれた喜びを知ることもあったのではないか。

多くのもどかしさや、その中で感じた光は、必ずこれからの人生で、貴方だけが持つ武器(価値)となる。
大きな変化を感じたこの学生生活は、
どんなことであれ無駄にはならないと、信じてもらいたい。

そして、その頼もしさをもってまた一つ先に進む皆さんと、
ともにこの社会で生きていけることが、楽しみでならない。

だから、何はともあれ、
「ご卒業、おめでとうございます!」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?